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非日常世界へようこそ  作者: 紫音
第一閉
7/33

「情報不足」

あの惨劇から一夜たった。

「ふぁー。」

アリスが伸びをする。色んなことがあり、色々な事実が明らかなり、とても気持ちよく眠ることができなかった。

「あら、早いのね?よく眠れたかしら?」

上の階から梨杏が降りてきた。

「あっ、おはようございます。梨杏さん。」

「一々さんずけなんていらないのに。私たちは、共に戦う協力者なんだから。」

水を二つ入れながら、こちらに歩み寄ってくる。

「協力者っていうのは?」

「向こうからしたら、争い者って呼んでるみたいだけど、嫌な感じがするからね、こっちなりの呼び方をしたのだけど?不安だったからシラ?」

彼女なりの配慮だろうか?水を飲みながら考えていた。

「これからどうするんですか?」

アリスが梨杏に聞いてみた。

「うーん。無闇に動くと危険だし、かといって、敵の情報も不足してるし、わかることなら調べておきたいってこともあるしね。」

腕を組みながら、考え込む。

「情報を調べるなら、図書館とかどうでしょうか?」

アリスが提案をしてみた。

「図書館?なにそれ?」

「え?」




昼頃、アリス、梨杏、ローンは図書館へ向かって歩いていた。話しをしていて、3人の世界は全く同じではないことが明らかになった。梨杏の世界は冬の世界で一年中雪が降っているという。逆にローンの世界は季節の概念そのものがないらしい。人々はなぞの施設の中で暮らし、自分の好きな季節で暮らせるという。ローンの家族はその中で一年中夏の設定をしていて、快適に暮らしているという。又、連絡手段も違っていた。梨杏は、手紙を使用していて、届くのにも時間がかかる。逆にローンは、謎の小型の機械を使用していて、連絡を取りたい相手を映像を使用して伝えることができるそうだ。

「このアリスの世界を今、現代とするなら、私梨杏の世界は過去。ローンの世界は未来と捉えることができるわね。」

歩きながら、梨杏が話す。

「その世界で二人とも、あの少年にあったってこと?」

アリスが問う。

「そうね、私たち二人ともあの少年に謎のアイテムを渡された。そして、争いに巻き込まれた。」

「私と同じだ。」

アリスが息を飲む。

「でも?どうして世界に?」

アリスが二人に聞いた、

「それは、よくわからないんだ。」

キョトンとしてしまった。

「ただ、あの少年と戦っていたことは覚えているんだが・・・」

ローンが言葉をつぐむ。

「戦ってたの?」

「私もローンも戦ってたのよ。だけど、その記憶すら曖昧なんだけどね。」

どうやら、二人の世界でも少年との戦いはあったようだ。

「なんか、途中で誰かが乱入してきて、バァーってなって、目の前が暗くなって、気づいたらこの世界に倒れてた。」

「えーっと。」

「こんな適当な説明じゃわかんないでしょ?でもね、私も似たようなものなの。突然目の前が暗闇に飲まれて、目が覚めたらこの世界にいた。」

「ほかに覚えてることないの?」

「うーむ。」

ローンと梨杏が考え込む。

「唯一覚えるといえば、少女がいたことぐらいだな。」

「少女?」

少年だけじゃなくて、少女もいるのだろうか?また1つ謎がうまれた。

「そういえば、聞いてなかったんだけど。二人はどうやって出会ったの?」

アリスが気になっていたことを聞きた。

「私たちの場合は、共通の認識があったからかしらね。」

「共通の認識?」

「そうね。」

ローンも梨杏の話を聞きながら頷く。

「いやいや。全く共感できなきんですけど。」

アリスがブンブンと首を横に振る。

「っていうのは、冗談なんだけど。」

「え?違うのか?」

ローンが梨杏の方を向かい話す。

「冷静に考えて、おかしいでしょ。共通の敵がいるから会えたのもおかしいし。」

ため息混じりに梨杏が話す。

「まぁ。あなたちょっと似てるかもね。」

くるりと回転をして、アリスのほうに向き直った。

「私があの少年に襲われて時に、ローンが助けてくれたのよ。」

「あぁ。そうだったな。あの時は必死すぎて周りが見えていなかったが。」

「そうだったのね。」

「さぁ。向かいましょうか。図書館という場所に。」

3人は改めて図書館へと急いだ。



「ここが、図書館という場所なのか?」

あれからしばらく歩き目的である図書館へとたどり着いた。

「そうね。ここが一応。」

アリス達3人は図書館へ着いた。二階建ての小さな建物で、最近できたばかりなのだろうか?外壁も内装もとても綺麗だった。

館長の女性は若く身長が高い細身の女性だった。上下黒色のリクルートスーツを着用していた。

「あのーすみません。歴史の書物はどこにありますか?」

アリスが館長に向かって聞い

「歴史?あーそれでしたら。このフロアの1番奥のコーナーにありますよ。」

図書館の奥を指差して説明する。

「あ。ありがとうございます。」

一礼して、アリス達は図書館の奥へ向かった。

「随分と丁寧な方ね。こういう者なのかしら?」

「そうですね。一応、図書館はどこもこんな感じかと。」

「へぇー!面白いなここ。」

ローンが大きな声ではなす。

「ローン!あの図書館では静かにして!」

アリスがローンに注意をした。

「へ?」

ローンがキョトンとした。先程説明をしてくれた、館長が咳払いをした。

「すみません。」

アリスがぺこりと一礼した。

「「図書館とはそういうものなんだな。」」

ローンとニカルが同じタイミングで話した。

「ニカルあなたも一応喋らないでよね。」

「善処する。」

「ここじゃないかしら?」

3人は、歴史と書いてあるコーナーの所にたどり着いた。分厚い書物が沢山置いてあり、どれも難しいイメージがついてしまう。

「うっ、」

思わず、三人とも唸ってしまう。

「どうします?」

アリスが聞く。

「せっかくここまできたのに何も調べないで帰るのわ流石もったいないわよね。」

「こーゆー難しいことは嫌いだー。」

「無理もないわよね。ローンの世界には本もないんだから。」

「そうだな。俺の世界では全部データベースでいつでも調べられて、見られる感じなさだな。」

「とりあえず調べてみますか。」

アリスが一冊の本を取り出して読み始めた。それに続くように、梨杏とローンも一冊ずつ本を取り出して読み始めた。



「あのーそろそろ閉館の時間なのですが?」

館長が声をかけてきた。

「え?」

気がついくと、外は真っ暗になっていた。

「今何時ですか?」

「今ですか?えーっと、8時まえですね。ここ閉まるのが8時なので。」

三人は目を見合わせた。結局見つからなかった。

「3人ともお若いのに歴史に興味がおありなんですね。」

「あーそのー?」

アリスがキョロキョロした。

「一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」

「はい。私がお応えできることであれば、」

梨杏が館長に質問した。

「この町の歴史について知りたいのだけど?どの本を読めばいいのかしら?」

「歴史ですか?この町の?」

「そうそう。私最近この町に来たばかりだから、歴史を知りたくてね。」

「うーん。」

館長さんが首をかしげて考え込む。3人とも館長を見つめる。

「この図書館より、かなり大きいところがあるんですよ。そこにいってみてはいいがでしょうか?」

館長さんがパッと思いついたように話した。

「もう一箇所あるのかしら?」

梨杏が館長に向かって問う。

「そうなんですよ。隣町にここより大きくて広い図書館があるんですよ。そこなら歴史についても詳しく調べることができると思いますよ。」

「なるほどね。ありがとうございます。」

梨杏がお礼をいった。

「決まったわね。明日その図書館に向かいましょう。」

「おう。」

「ええ。」

アリスとローンがうなずいた。

「お役に立てたならよかったです。それより閉館時間になってしまうので、お早めにご退園願います。」

館長が申し訳なさそうに促した。アリス達3人は足早に外へと退出する。とりあえず方針は決まった。




「ぬぅぅー。」

「くっ、流石にやばいな。腕が痺れて、うまくうごきやしねぇ!」

「そこをどかんか!」

「こっちも、どきたい気持ちはヤマヤマなんだけどなぁ!色々と、準備をしねぇといかんのだよ!」

「我は、呼ばれてるのだ!「それ」を壊さなければならんのだ!」

「チッ!面倒だな!さっさと「ピース」になりやがれ!」

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