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非日常世界へようこそ  作者: 紫音
第三閉
44/45

「不完全な者たちー。」

(・・・ここはー・・・どこ?)

手の感覚、身体の感覚はあったー。周りを見回しても、あるのは暗闇だった。

「ーーーーー。」

(?誰かが喋ってる?)

「ーーー。ーーー!!」

(!!声がでない?)

声を必死に出そうとするがでない。

(それに・・・体も動かない・・・)

ただ真っ暗な空間に、フワフワと浮いていたー。

「ーーー。ーーー!!ーーー。」

(・・・近づいてくるー?)

「ーー!!!」

暗闇から無数の手が伸びてくる。

(ーー誰か!!・・・・・助けてぇ。)



「・・・寝れませんね。どうしましょう。」

シールズが静かにつぶやいた。ソファの上に体育座りで座り、毛布にくるまっていた。

シールズの視線の先では、窓の外からの月明かりに照らされて、トランプの魔女が寝息を立てて寝ていた。

「・・・シールズ・・・私の今の名前。アリスさんには、打ち明けたけど・・・やっぱりなにかを忘れている気がする。・・・自分にとって、もしくは・・・アリスさん達に、とって危害を加えてしまうかもしれない。・・・とても、とてつもなく・・・大切なことを・・・」

シールズが毛布に包まりうずくまる。

(この気持ち・・・ライメイさんならどう打ち明けるんだろう。・・・なんで私なんか、奴らに狙われるのに・・・どうして、どうして・・・.)

シールズの目には涙が浮かんでいた。

(シールズ・・・ライメイの一件以来思い込んでるわね。)

魔女が薄らと目を開けて、シールズに視線を向けていた。


翌朝ー。


アリス、梨杏、ローン、魔女はテーブルを挟んで話をしていた。話の中心では、新たに抗い者側に加わった紫電が仕切っていた。テーブルの上には、ニカルとコインが置いてあった。

「あれ?シールズは?」

梨杏が一息ついて周りを見渡した。

「・・・彼女なら・・・。」

魔女が答えようとした時。

「わぁ、わわぁ!!皆さますみません。」

ガチャと扉が勢いよく開かれ、シールズが飛び入ってきた。

「大丈夫よ。落ち着いて、まだみんな集まったばかりだから・・・話し合いも始まってもいないわよ。」

魔女が落ち着かせるように、シールズに話しかけた。

「はぁ。よかったです。」

安堵して、シールズが椅子に腰をかけた。

(泣はらしたのかしら?目の周りが赤くなってる?)

アリスがシールズに視線を向けた。

「アリスさん?どうかされましたか?私の顔に何かついてますか?」

シールズが首を傾げた。

「ううん。なんでもない。ごめんなさい。」

アリスが首を振って謝る。

「よし、全員そろったか?それじゃ本題に入るぞ。」

軽く咳込み、紫電が話をし始めた。

「それじゃぁー。」

「皆さん、おはようございます。」

「バン!!」とおおきな音を立てて、須藤が入ってきた。アリス達の視線が一斉に向く。

「あっ、おはようございます。須藤さん。」

梨杏が挨拶を返す。

「あれ?山上さんは?」

アリスが須藤の隣に視線を向ける。

「所長なら、仕事がだいぶ溜まってたとのことなどで、しばらくはこれないとこのとです。」

アリスの問いに、須藤が答える。

「・・・いいか?話をすすめても。」

紫電が口を開く。

「あっ。すみません。私もすわりますね。」

須藤が、アリスの横に腰をかけた。

「それじゃ、話を始めるぞ。まず目的だか、あの雷野郎、ライメイを正気に戻すこどだ。そこは、皆んな意見一致してるよな?」

紫電が全員の顔を見る。紫電の視線に合わせて、全員が頷く。

「よし、ライメイは首元にある紫色のダイヤモンド型のネックレスによって操られている。」

「そんなのあったかしら?」

魔女が首をかしげる。

「ライメイの激しい動きで、まともにみれてないか、もしかは暗すぎてわからなかったかのどちらかだと思うが。」

「なるほどねぇ。」

「でも、なんでそんなことがわかるんですか?」

アリスが紫電に問いかける。

「それは、あのエポカがヒントを与えやがった。」

「エポカが?」

「あぁ、。」

紫電が頷く。

「あいつは、確かに言った。「私が行ったのは、洗脳でもなんでもないわ・・・むしろ。操りと言った方が正しいかしら?あなたならなんとかできるんじゃないかしら?雷の剣を操りひもの。さん。」とは・・・」

「それじゃ、ライメイさんは操られてるというより、正気を失っていると言う表現の方が・・・」

「あぁ。その表現で正しいかもな。」

全部が顔伏せる。

「では、そのネックレス?とやらを破壊することができれば、ライメイは正気を取り戻すのだな。」

静寂を切り開くようにニカルが言葉を発した。

「あぁ。多分だが、その通りだ。」

「随分と言葉を濁すではないか。先程までの自信はどこにやったのだ?」

「痛いところついてきやがるなぁ。ニカル?たっけ。」

紫電とニカルの間に不穏な空気が流れる。

「今は、喧嘩してる場合じゃねぇだろ。仲良くしてくれや。」

ローンが止めに入る。

「おっと。すまねぇ。俺としたことが。」

紫電が頭をかく。

「それで、どうやってネックレスを破壊するのよ。かなり難しいと思うんだけど。」

魔女が紫電に問いかける。

「正直な話、ネックレスを破壊したところで、ライメイが正気に戻ると言う保証はないんだが、やってみる価値だけはあると思う。」

紫電が言葉を詰まらせながら話す。

「ネックレスが操りの原因なら元に戻るけども、エポカが謎の力を、使用しているのなら、無理ってことよね?」

「あぁ。そういうことだ。」

紫電が頷く。

「でも、どうやって?」

アリスが口を開く。

「危険な作戦にはなるが・・・そこの盾女。」

紫電がシールズに視線を向ける。

「え?私ですか?」

シールズがキョロキョロして、自分に指を向けた。

「あ、ぁ。そうだ。オメェだオメェ。シールズだったっけ?」

紫電が頷く。

「ライメイの暴走状態をシールズの盾で防いでもらいたいんだ。」

「私の盾で・・・」

シールズが顔を伏せる。

(今、シールズのオーラが・・・黒くなった?)

「どうした?小娘。」

ニカルの言葉にハッとして顔を上げる。

「いや、なんでもない。大丈夫。」

「・・・だか、一つ確認なのだが、ライメイはどうやって見つけるのだ?」

ニカルが紫電に問いかける。

「それなんだよなぁ。」

紫電が腕を組み、考え込む。

「シールズ。お前感じるとかしてなんとかみつけられないか?」

紫電がシールズに視線を向ける。

「わ、私ですか?・・・そうですね。確かに救済にとっては私を必要としてるそぶりはありますが・・・」

「確かに、シールズのことをピースと呼んでたわね。」

梨杏が相槌を打つ。

「お力になれずに申し訳ありません。」

シールズが頭を下げる。

「あなた方気に止むことはないわよ。」

魔女が頭を上げるように促す。

「まぁ。そうだよなぁー。流石に出来ねぇよな。」

紫電が手を頭の後ろに回して椅子にもたれ込んだ。

「これは、八方塞がりというやつですかね。」

須藤が小さく声を漏らす。


「ピコン。」と須藤の携帯が通知を知らせた。

「あっ。先輩からメールです。」

須藤がポケットから携帯を取り出し、メッセージを確認する。

「えーっと。なになに。「急な連絡でごめんなさい。本当は直接伝えた方がいいのだけど、今ここから離れることができないの。申し訳ないわ。今、こっちにも全くと言っていいほど、情報もないわ・・・。今この状態で気を張っていてもしょうがないから、休める今の状況でしっかりと休んでおきなさい。・・・無理だけは、絶対にしないでちょうだい。 山上。」・・・とのことです。」

須藤がメッセージを読み終えて、顔を上げる。

「確かにその通りだな。常に気を張っておると疲れるだけだからな。」

ニカルが口を開く。

「それじゃ。一旦解散で、皆んな休憩ってことでいいかしら?」

魔女の問いかけに皆が頷く。


暗闇の空間ー。


「なんだ、急に呼び戻して。」

エポカの元に旗を持った。少年が近づいてきた。

「ごめんなさいね。ちょっと次の作戦に必要な物ができたからね。」

「ヒツヨウナ者?・・・ダレカ、必要になったのか?」

少年が首をかしげる。

「人じゃなくて、物なんだけどね。」

エポカが苦笑いする。

「その旗を少しの間だけ私に貸してくれないかしら?」

エポカが旗を指差す。

「・・コレカ?」

少年が旗を差し出す。

「そうこれこれ、しばらく借りるわよ。」

エポカが旗を受け取った。

「貴方、また扉に触っておきなさい。そして、貴方はしばらくおやすみよ。ゆっくりしてなさい。」

「ワカッタ・・・」

少年がつぶやく。少年がエポカの元から立ち去る。

「・・・さてと、私も少し頑張りますか。」

旗を掲げて、指パッチンをしてエポカが姿を消した。

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