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非日常世界へようこそ  作者: 紫音
第ニ閉
35/41

断章1

山上の家ー。

「・・・これぐらいあればいいかしら?」

魔女はロウソクや、懐中電灯をテーブルの上にいくつも置いていた。

「大分用意したな。」

「暗くて怪我したら困るからね。いいと思うよ。」

梨杏、ローンがそれぞれ声を出す。

カチャと扉が開く。

「あれ?」

扉の奥から石山が目を擦りながら出てきた。

「皆さん。どうされたんですか?」

「・・・今まで寝てたのか?」

ローンが石山に聞いた。石山が頷いた。

「・・・・・」

魔女とローンが目を見合わせた。

(寝ていたのか?こんな騒ぎの中?)

「どうしました?」

石山が首を傾げて聞いてきた。

「いえ。なんでもないわ・・・」

魔女が言葉に詰まりながら答えた。

「そういえば、アリスさんは・・・どちらに?」

山上が首を傾げた。

「他にも数名この場にいないように思うのですが・・・」

「そうね。今停電してて、電気がつかない状態だから・・・お姉さん達は、夜に向けて明かりを確保してるの。」

魔女が山上に向けて答えた。

「・・・・・」

沈黙の空気が流れる。

「・・・そうなんですね。なにか手伝えることはありますか?」

「とりあえずは、大丈夫よ。怪我すると危ないから、座ってる?」

「いえ、大丈夫です。お手洗いに行きたいので・・」

扉を閉じて、山上が部屋から出て行く。

「・・・・・」

「なぜか、緊張するわね。」

魔女が深呼吸をして、声を発した。

「そうとう、寝てたんだろうな。」

「というか、あんなに騒いでたのに、聞こえなかったのか?」

コインの魔人が疑問を投げかけてきた。

「・・・・・」

その場にいる全員が考え込んだ。


「どうやら、戻ってきたみたいですね。」

窓の外から赤いランプが見えた。梨杏の声によりそれぞれが考えをやめた。

「迎えにいきましょうか。」

梨杏、ローンがうなずいた。


山上の家ー玄関前ー。

パトカーが玄関前にたどり着いた。

梨杏達が玄関の扉を開けて、アリスとシールズを迎えた。パトカーの扉が開き、アリスとシールズが降りてきた。

「おかえりなさい。」

「お疲れ様、。」

梨杏と魔女がそれぞれ声をかけた。

「・・・オメェは、誰だ?」

パトカーから降りてきたもう1人の人物を見てローンが声を出した。

「・・・」

白い着物をきた剣士は無言のまま梨杏達の前に立った。

「コイン!!」

ローンがコインを握りしめた。

「待って待って!!」

アリスが剣士と梨杏との間に立った。

「彼は私たちの味方です!!」

「どういうことだ?」

ローンが首を傾げた。

「久しいな。」

剣士が魔女を見て声を出した。

「・・・なんで、あなたまで?」

魔女が声を詰まらせた。

「余計に意味がわかんねぇぞ!」

「ローン。・・・警戒態勢解いていいわよ。彼は私たちと同じ、抗い者よ。大丈夫・・・私たちの味方。」

「・・・・・」

ローンが警戒態勢を解いた。

「ところで、ライメイは?」

梨杏が確認した。アリスとシールズの顔が暗くなる。

「そのことも含めて、明日しっかりとお話ししましょう。」

パトカーを止めて、須藤が歩いてきた。

「そうですね。」

アリス達が家の中に入っていった。部屋の中は電気が復旧しておらず、暗くなっていた。





「ーーーーの姿。ーー合流。確認。」

「全ては、救済の名の下に。」

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