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非日常世界へようこそ  作者: 紫音
第一閉
26/41

「過去ー超越せし、否定することなかれ」

梨杏達はエポカの誘い通り遊園地へとたどり着いた。

夜の8時を回っているというが閉館している雰囲気は全くなく明かりが灯っていた。

「夜だから不気味だな。・・・多分あれマスコットキャラ?だよな。」

ローンがポツリと呟く。梨杏がローンの差した指の方を見る。

「・・・そうでしょうね。リス?アライグマにも見えなくもないけど・・・.。」

梨杏が看板に描かれているキャラを見て答えた。

「どうでもよかろうに。ここにきた目的を忘れるな。」

ライメイの一言で空気がひりつく。それぞれが目を見合わせ、静かに頷く。

「それじゃ、いくわよ。」

梨杏が歩みを進めそれに続いて遊園地に入っていった。

「うわぁ。」

「なんだここは?」

「キレーイ」

それぞれが声を上げる。遊園地内ではメリーゴーランド、観覧車などの様々なアトラクションが煌びやかな音をだし稼働していた。

「・・・」

梨杏が顔を引き攣らせる。

「梨杏どうした?」

ローンが梨杏の顔を覗き込む。梨杏が指をまっすぐメリーゴーランドの方を差した。ローン達がその方向を見てみると1人の人物が立っているのが見えた。

「・・・あれって・・・エポカ?」

梨杏が声を振り絞る。

「魔女でてきてもらえる?」

トランプをかざし魔女を呼び出す。トランプが魔女に姿を変える。5人はメリーゴーランドの近くに移動した。

メリーゴーランドの前にはエポカが待ち構えていた。

「良くきたわね。歓迎するわ。」

両手を広げて声を上げた。

「どーゆーつもり?」

魔女が戦闘態勢をとりながらエポカを睨んだ。

(?今俺をみた?)

エポカがローンの方を見て微笑んだように見えた。

「あらあらつれないわねぇ。」

エポカがつまんなさそうに首を振る。

「ふざけんじゃないわよ!!」

魔女が矢を構えてエポカに向ける。

「まぁ。誘ったのはこっちだし、少し遊んでも文句いわれないわよね。」

パチンと指パッチンをした。

「魔女離れろ!」

ライメイが叫んだ。

「私たちは目的が達成できればいいだけ、余分な手間は省きたいのよね。」

エポカの後のメリーゴーランド全体が影に包まれた。

「皆!戦闘準備!!」

魔女の掛け声と共に各々戦闘態勢になった。

メリーゴーランドが揺れて魔獣が影から出現してきた。唸りと共に異形なるモノが梨杏達に襲いかかってきた。

「さぁ。さぁ。さぁ。楽しませないよ!」

エポカが影に飲まれて姿を消した。

「コイツらを片付けるぞ!!」

「おう!」

異形なる魔物達は梨杏達を囲っていた。

シャンっと遠くの方で何かの音がした。

「なぁ?今何か聞こえなかったか?」

「音じゃなくて戦闘に集中してくれないかしら?」

梨杏とローンが言い合いをしていた。

「ケンカなら後でやってくれないかしら?」

魔女が制した。

「久しきーー再開ー。喜びー。感動否定ー。」

再びシャンと音が響いた。今度は4人を囲うように霧が立ち込めてきた。

「今度は霧?」

「一体どこから?」

「皆さん!!」

戦闘に夢中で気づかなかったが4人の距離が離れていた。

(この霧・・・まさかな・・・)

だんだん霧が濃くなりそれぞれの姿が見えなくなった。

「ふふっ。第一段階完了ね。」


シールズ視点ー。

「やぁーぁ。」

盾を振り回し、異形なる魔物を倒した。

「ハァ、ハァ。」

肩で息をしながら周囲を確認する。

「やっぱりはぐれてしまいましたね。」

霧が濃くなり周囲を見ることができなかった。

ドォーンと音と共に霧が若干晴れライメイが姿を現した。

「霧を殴ってみたが・・・シールズ・・・」

「ライメイさん!よかった!!」

シールズがライメイに駆け寄る。

「他のものは・・・いないようだな。」

ライメイが周囲を確認するが霧が濃く辺りの様子がわからなかった。

「・・・どうします?」

「どうと言われてもな・・・。」

グルルー。

「ライメイさん。あれ。」

シールズの指差す方には先程メリーゴーランドから生まれた異形の魔獣がいた。魔獣は奥へと逃げていった。

「追うぞ!」

ライメイが走り出し、シールズがその後を追う。

「待ってください!!」

ライメイとシールズは遊園地の奥へと走っていった。

「どこにいった?」

ライメイは魔獣を見失った。

「ここは?大分奥まできたみたいですね。」

肩で息をしながらライメイに話しかける。

「遊園地全体に霧が広がっているようだな。」

「確かに周りが良く見えませんね。何か動いてるような音がしている。」

「とりあえず・・・あの音がする方に向かってみるか。」

ライメイが再び歩き出した。

「・・・なんでしょうかこれは?」

シールズが上を見ながら呟く。

「物体が宙に浮いて回転している?のか。」

ライメイが首を傾げて答える。

「あれは観覧車というものよ。」

いつのまにか2人の背後からエポカが歩いてきた。

「エポカ・・・」

2人が戦闘態勢に移行した。

「ふふっ。楽しみねぇ。」


梨杏視点ー。

「完全に離れ離れねこれ。」

魔女が梨杏に向き話す。

「なんで突然霧が発生したのかしら?」

梨杏が考え込む。

「この霧・・・あの核で起こったのと同じなの?だとしたら・・・」

魔女がぶつぶつと呟く。

「やたらめったらに行動したら危険よね。」

「そうね。周りが見えないし。」

バチっ!

「何の音?」

「さぁ?全くわからない。でも私達の雷の様な音がしたってことは・・・ライメイ?なのかしら。」

「・・・でもライメイのカミナリの音とは違う音がした。」

「え?」

2人の間に沈黙がながれた。

「というかいつのまにか移動してない?」

「言われてみれば、機械の音が大きくなってるような・・・。」

2人の周りの霧が少し薄くなった。2人の目の前にはジェットコースターがあった。動いているが、人が1人も乗っていなかった。

「これは・・・確かジェットコースターっていうんだっけ?」

魔女が梨杏に確認をする。

「・・・ごめん。私にはわからないの私の世界にはこういう機械的な物なかったから。遊園地というのも名前だけ知ってるっていう感じだったから。」

梨杏が下を向く。

「そうですよー。正解です。お詳しいですね。あれはジェットコースターというものです。」

2人の目の前に拍手をしながら1人の人物が現れた。

「っ!いつのまに?」

「あなたは確か。キュルアー?」

「よかったです。僕のこと忘れてないみたいで。」

指輪を摩り大きな黒い影の蛇を召喚した。

(・・・なんか前回よりも小さい?)



ローン視点ー。

「くそ!皆ーどこだー!!」

大声を上げながら遊園地内を歩いていた。

「どうやら、離れてしまったようだな。」

「ニロア・・・久々に呼んだのにこんな結果ですまんな。」

ローンが申し訳なさそうに謝る。今回はコイントスで表が出てニロアという魔神が出現した。アゼグとは違い女性のような見た目をし、全身が青色のような見た目をしていた。

「とりあえずどうするか。」

腕を組んで考え込む。

「迷いー。惑わしー。否定をする。」

(また、謎の声ー?)

「どうしたの?ローン。」

「・・・」

ローンが急に遊園地の奥に走り出した。

「ちょっと!待ちなさいよ!!」

慌ててローンを追いかける。

「やっと追いついた。急に走り出してどうしたのよ。」

魔神がローンに追いつき聞いた。気がつくとローンはコーヒーカップの所まで走っていた。

「声に惹かれし者よー。」

コーヒーカップの前に1人の人物が立っていた。表情は布に覆われており確認することが出来ないが、声で男性という事がわかる。紫色のローブ?のような着物を着用していた。手には杖を持っており、杖の先には金属のリングのようなものが幾つもついていた。

(・・・シャンっていう音はあれか?)

「ローン!戦闘準備しないと。」

ローンが戦闘態勢を整えた。

「過去に囚われしー。」

シャンと音を鳴らし、霧を発生させた。

「あいつが霧を出してたのか。」

「・・・」

(ローンに元気がない?気のせい・・・?)

「汝らにとうー。過去を否定しー超越せし。」

((・・・過去?))

「我名サントクー。・・・救済側に着く。放浪ナル者ナリー。」

「コイツ!放遊者ほうろうしゃかよ!!」

「こんなにすんなり名乗るものなの?」


「・・・さてと、これも任務だ。全ては我が救済の為にー。」

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