「不完全なピース」
「僕は僕自身が嫌いだーーー。」
季節は移り変わりの気候。夏に向けて日差しも強くなら始めてきた。
「あっつ。」
小声で囁く。男性。足取り重くトボトボと歩いていたー。
「よぉ!クルド!」
クルドと、呼ばれて後ろから背中を叩かれた。
「一ノ瀬急にびっくりするだろ。」
「わりぃ。わりィって!。」
髪がロングで白のローブを着用しており、ズボンは黒のジーンズを履いている少年。井山 透。そんな井山の後ろから声をかけてきた、上下白の着物のような服装をしている少年。一ノ瀬 紫龍少年。2人は小学校からの幼馴染らしい。なぜか、一ノ瀬は井山のことをクルドと呼んでいる。理由は特にないらしいが・・・。
(・・・私にも幼馴染がいなような・・・)
アリスが2人の光景をみて、なにか考え込んでいた。
「今日どこかいく予定だったのか?」
一ノ瀬が井山に聞いた。
「今日は何もない日なんだ。1人で暮らしているからアパートにいても暇だからな、どこか遊びに行こうと思ってたんだが・・・」
井山が言葉を詰まらせる。
「?」
一ノ瀬が首を傾げる。
「暑すぎてもう何もする気が起きない・・・。」
額に浮かぶ汗を拭いながら応える。
「あーね。お前暑さ苦手だもんなぁ。」
一ノ瀬が、納得したように頷く。
「そんなお前はどうしたんだよ。」
「ん?俺は、近くでやる剣道の大会の見学にいくんだよ。」
スマホで、スクショした画面を見せながら説明をしてきた。見せられた画面には「第3回剣道全国大会」とデカデカと書かれていた。
「・・・」
画面を見て視線を逸らした。
「一緒にくるか?」
井山の顔を一ノ瀬が覗き込むように見てきた。
「遠慮しておく。」
一ノ瀬に軽く応え足速にその場をさって行った。
「おうじゃぁな!」
井山に手を振って解散した。
アリス視点ー。
(あの男性が本当に出会うの?)
身体が透明のまま、空中にフワフワ浮きながら2人の男性の様子を見ていた。
(あれ?ニカルどこにいるの?)
先程までしていた。ニカルの声が聞こえなくなっていた。
(とりあえず、あの男性について行けばいいのかな?)
キョロキョロと周りを見回してみたが声が聞こえてこなかった。
(すまぬな。小娘ー。我が記憶の為ー。干渉できなくなってしまうのだー。)
ニカルの声がしたー。
(町外れにいるの?)
フワリと浮き町外れに移動したー。
ニカル視点ー。
町外れー。大きな岩の上にビリビリの音を立てながら3人の人物が現れた。
(ここから声がしたような?)
アリスが町外れへと移動した。
(あれって!)
アリスの視線の先にはー。
「うっ!ハァ、ハァ、ハァ・・・頭が割れるようにいてぇ。」
頭を抑えながらうずくまる少年。
(あれって。あの旗の少年?)
「大丈夫なの?こいつ・・・不安でしかないんだけど・・・」
少年を見ながら旗をもっている女性が話した。
(・・・女性?黒い霧に覆われてて旗と声しかわかんない。)
「一応。大丈夫だと思うんだけど。うーん。まだ彼の方のデータとの適合ができてないみたいね。」
もう1人の女性が考え込みながら応える。
(あれは、エポカ?この世界もあの3人によって?)
アリスが考えを巡らせる。
(でもあの3人とニカルどういう関係があるの?)
「・・・はぁ。まぁいいわ。コレを試すにはいい機会ね。」
影の女性が手に何か持っていた。
(・・・!あれって!!)
アリスの視線の先にはシャープペンシルがあった。
(・・・小娘。お主はあの小童についてつけ。いずれ落ち合う。)
(わかった・・・)
ニカルの声を聞き町の方へと移動を始めた。
「・・・この核もダメなのか・・・」