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非日常世界へようこそ  作者: 紫音
第一閉
18/37

「引き金」

ザザァーっと白黒の砂嵐が走る。

(・・・なんだこれ?気分が悪りぃ。)

白黒のなかかろうじて何人かの人物がいることがわかる。

「・・負けた・・のね・・。」

女性?が話を始めた。表情、服装、全て砂嵐により何もわからない。

(・・・誰なんだ?それにこの映像?なんだ?)

「奴らを追い払ったはいいが、扉が力を失ってしまったぞ。」

今度は男性?の声がした。

「また、ピースを探すところから始めないと・・・」

砂嵐がひどく。何名いるかも、わからない。

(何の話をしているんだ?)

「扉が完成しても、彼の方は目覚めんぞ。」

「・・・そうよね。まだーーーが無いと。」

ザザァーと砂嵐がひどくなる。映像?記憶?夢?が途切れる。

「ちょっと!ーーだいーー。起きなーー。もしもーー。」

女性の声がきこえる。

「ん?あぁ?」

少年が目を覚ます。

「寝てる?なんて珍しいわね。」

「・・・エポカか。」

少年が頭をかきながら上体を起こす。

「あら?私の名前を呼ぶなんて珍しいわね。」

エポカが首を傾げる。

「なんのことだ?」

「いえ?こっちの話よ。気にする必要なんてないわ。」

エポカがクスッと笑う。

「ところで何で寝てたの?」

エポカが少年に聞き返した。

「なんというか?夢?記憶?よくわからないのをみてなー。」

少年が頭を描く。

「おかしなこと言うわね。あなた夢なんてーーみないでしょ?」


少年が完成させた街をひとりの男性が見下ろしていた。

「波長ーーあえし、者来たりーー。」

「その喋り方。アンタ、サントクか。」

サントクの後から1人の人物が歩いてきた。

「汝、剣士になりてー。」

サントクの目の前に立ったのは、1人の剣士だった。紫を基調とした着物を着ていて、腰の辺りには一本の剣があった。

「ーーサントクさん。貴方はどっち側だ?」

剣士がサントクを睨みつけながら聞いた。

「我、救済ーー。救いーー。求めし。」

サントクが遠くの方を見ているような気がした。

「尊敬してましたよ。私は貴方のことをー。」

剣士が剣を鞘から抜き、剣を構える。剣からビリビリと紫の雷がひた走る。

「我。かてとなりー。」

サントクが静かにつぶやいた。剣士がサントクに襲いかかった。

「ズバァーーーン」と大きな雷のような音が辺りに響き渡った。

「ーーー。煙にまかれたか。」

剣士が剣鞘にしまいながらつぶやく。

「サントクさん。貴方は一体。これからどうするんですか?」

剣士が考え込む。サントクの言葉を思い出す。

「われ。糧となり。」

剣士がハッとなる。

「ーー。まさか!」

ビリっと音と共に剣士の姿が消えた。


剣士とサントクが消えてからしばらくしてー。

「おかしいな。この辺で感じたんだけどなぁ。

キュルアーが1人歩いてきた。

「あら?なんで貴方まで?」

エポカがふわりと空中から現れた。

「あれ?エポカ様。こんなところにいたのですか?」

キュルアーとエポカが話を始めた。

「キュルアー貴方こそなんで?」

エポカが質問をした。

「僕は、放遊者ほうろうしゃの気配をここら辺で感じた物で。」

キュルアーが答える。

「サントクが近くにいたのは感じてたのだけども・・・それとは別の?」

キュルアーがうなずく。

「・・・それじゃ。ザッリアーグが見つけたっていうやつね。」

エポカが思い出した用に話す。

「サントクに攻撃したってことは、敵になりますね。」

エポカが頷く。

「そうね。あの核にいた時から、随分と攻撃的だったからね。」

エポカが視線を街に向けた。

「・・・キュルアー貴方も確認しておきなさい。この街を。」

キュルアーが街を確認した。

「この街で。次の作戦を。」

「私達も準備をはじめましょうか。抗い者たちを誘う

ためにね。」

パチンとエポカが指を鳴らし、エポカとキュルアーが姿を消した。



不思議な夢をみたーー。 

(またこの景色だ。)

何度も見た景色の為、アリスは冷静になっていた。

(やっぱりはっきりわかんない。白黒の砂嵐が酷すぎる。)

「ーーーー。ーーーー。ーー。!!」

誰かが喋っているということはわかる。だけど、その人物の性別。表情。言葉。何一つわからない。

「ーーー。 救い。」

(救い?)

微かに一言だけ聞こえてきた。

(誰かが話してるの?)

「ーーー。救済ーーーー。」

(救済?)

相変わらず砂嵐がひどい。

(・・・気分が悪くなる。早く覚めて。)

アリスの意識が遠のくーーー。



某所ー。

ボロボロの扉の前で何人かの人物が話しをしていた。扉にはいくつもの穴が空いており、それぞれにさまざまな色の丸いピースがハマっていた。

ピースはあと少し。あと少しで、扉が完全に復活する。」

扉の前に座っている。男性が話しをはじめた。

「まぁ。ピースが揃ったところでまだスタートラインなんだけどね。」

黒いコートの様な服装の女性が答えた。

「それも、救済の為なら頑張らないとね。」

少年が女性の影から顔を覗いた。

「あんた戻ってきたの?」

「ちょっと、抜け出してきたぐらいだよ。」

「捕まってたのに、よー逃げたもんだ。」

扉の前に座っていた男性がガハハと高笑いした。

「全く、苦労したわよ。」

暗闇から誰かが歩いてきた。

「まぁ。貴方の力よね。普通に考えれば。」

「まぁ。そーだよな。エポカの力があればな。」

エポカとキュルアーが歩いてきた。

「あら?新顔ね。」

黒いコートの女性がキュルアーを見た。

「あっ。そうですね。こっちまでくるのわ初めてですから。僕はキュルアー。ーーーの指輪から誕生しました。」

キュルアーが挨拶した。

「それより。エポカ報告をー。」

階段の中段辺りに1人座っていた。黒い影に覆われているので姿を捉えることができない。

(あれ?さっきまでいたっけ?)

キュルアーが疑問を持つ。

「では、現状をーー。の前に、貴方達もこっちに座ったら?」

エポカが後ろに声をかけた。

暗闇から今度は、ザッリアーグとサントクが出てきた。

「気づかれてたのですか。いつ入って良いかわからなかったので。」

ザッリアーグが頭を下げて入ってきた。

「それじゃ。今この世界の現状とー。この次の作戦の話をしましょうか。」

一同が座ったところでエポカが話を始めた。

「先ず。例の少女にニカルを渡したことで、この世界が動き始めましたー。」

「アレがきっかけだったのか?」

黒い影が質問する。エポカが頷く。

「あの事件をきっかけに一斉に抗い者達が現れ我ら救済を止める為に抗いを続けてます。」

「なるほどな、それの影響で様々な核から抗い者、放遊者ほうろうしゃピースがこの扉のある世界に来ていると言うことか。」

「そうなります。」

エポカが頷きながら答える。

「私も様々な核から使える人材を空間保存しています。」

「なるほどな。それで今何人ぐらい保存してるんだ?」

扉の前に座ってる男性が聞いてきた。

「正確な数は分かりかねますが・・・ざっと50人ぐらいだと把握しております。」

「その者達をどんどん核に送らないのか?」

「大量に送ったりすると、ザッリアーグの様なバグが発生する可能性が高くなりますから。」

「なるほどな。バグを処理できるのは、彼の方とアイツだけだもんな。負担をかけてしまうよな。」

「それに、アイツにはアレにパワーを溜めてもらわないといけないからね。」

黒いコートの女性がつぶやく。

「その辺は色々と考えてるんですけどね。何かを解決しようとすると、何処かで問題が発生しますからね。難しいところです。」

エポカが腕を組み。首をかしげる。

「そっちも大変なのね。」

黒いコートの女性が遠い目をしながら話す。

「・・・して、次の作戦とは?」

黒い影の男性がエポカ達に話を振る。

「そうですね。次は、新たに創った街全体を使います。」

「街全体とは随分と大掛かりにするなー。」

「・・・今までもそうであったであろう。」

「街を壊して・・・言わば消している様なもんだもんな。」

扉の前の2人の男性が話す。

「サントクを使って、あのコインを目覚めさせます。」

エポカが作戦を話す。

「それでうまく行くのか?」

影が質問する。

「我、コインと仲であり。」

サントクが答える。

「ごめんなさい。初めて話すからよくわからないのだけど、えーっと。つまりどう言うこと?」

黒いコートの女性が聞き返す。

「サントクは、放遊者ほうろうしゃなんですけど、あのコインの少年ローンと同じ核の人間です。」

エポカが答える。

「あーなるほど。確かに、利用できるものは利用したいもんね。」

「大体の作戦はわかったわ。うまく行くことを祈る。」

影が答える。

「それじゃ。解散しましょうか。全ては救済のためー。」

黒いコートの女性が消えた。

「・・・全ては救済のためー。」

「全ては救済のためー。」

女性の後を追う様に、影と男性も消えた。

「全ては救済のためにー。」



「「すべて、は、きゅ、救済の、た、為ニー。」」


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