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非日常世界へようこそ  作者: 紫音
第一閉
15/37

「反乱ー」

夏エリアー

あれから数日たった。あの日以降トランプの女性を見ることは一回もなかった。

(・・・やっぱり気のせいだったのか?)

「どうした、ローン?」

アラクが話しかけてきた。夏エリアにアラクが遊びにきていた。

「いや、なんでもない。少し考えことしてただけだ。すまんな。」

ローンがの答える。

「・・・トランプの女性のことか?」

アラクが小声で問いかけてきた。ローンが息を飲み込んで静かに頷いた。

「あれ以来目撃していないのだろう?気にすることないとおもうのだが・・・」

「そうなんだけど・・・どうしても脳裏から離れなくて、今でも思い出すんだ。あの時の光景を。」

ローンが身を震わせながら話す。

「見つけた!オメェか!」

大通りから裏路地につながる通りで声が聞こえた。ローンとアラクは声のする方を振り返った。声のする方をみると、1人の女性が警察官に追いかけられていた。警察官は指定の服を着用していた。

「!!あの人!」

ローンが声を上げた。

「あの女性か。」

「追うぞ!アラク!」

ローンは走り出した。

「まて!ローン。」

アラクはローンを追いかけていった。

「ハァ、ハァ、先輩!どこにいったんですか?」

1人の女性警察官が走ってきた。



裏路地ー。

「行き止まり?」

女性が裏路地の行き止まりまで走ってきた。

「やっと追い詰めたぞ!」

警察官が追いついた。ローンとアラクは気づかれないようにゴミ箱の隅に隠れた。

「あの女性か?」

アラクが小声で問いかけてきた。ローンが頷いた。

「なんで?私を追いかけるの?」

女性が警察官に問いかけた。

「それはテメェが1番わかってるだろ。お前を連続失踪事件の容疑者として、確保する!」

警察官が女性に向けて話した。

(あの女性が?)

気がつくと辺り一面に霧が広がっていた。

「・・・いつのまにか霧が。」

女性が呟く。

「この霧・・・」

霧が濃くなり、警察官と女性の姿を捉えることができなくなってきた。

「今のうちに!」

女性が声を上げ颯爽と走り出した。

「ち!逃すか!」

警察官が追いかけようとするが、霧が濃すぎて追うことができなかった。

「ちっ!どこ行きやがった。」

霧が晴れると女性の姿が消えていた。

「あらら。まさかの事態ね。まぁいいわ。エサも移動したみたいだし。」

建物の屋上で女性が先程の光景を見ていた。


裏路地からでて大通りを女性が走っていた。

「今すぐ、人目のつかないところに行かないと・・・」

逃げている間にも、何人かの住人に手を触れ、トランプに変化させていった。

(やっぱり、あの女性が・・・)

その光景をローンが追いかけながら目撃していた。あの時、逃げていく女性の姿を見ることができ、追いかけることにした。

(・・・どこまで逃げるんだ?)


裏路地ー。

女性が去った後。男性警察官が裏路地から大通りに出てきた。

「ち!完全に見失った。」

「あっ!いたいた。先輩探しましたよー。」

女性の警察官が走ってきた。

「・・・どこにいた?」

「すみません。先輩が急に走り出すから見失ったんですよ!」

両腕をブンブン振りながら話す。

「そうか、すまんかったな。容疑者を見つけたから今すぐにでも捕まえたくてな。」

女性警察官の頭をポンポン叩きながら話す。

「この核にいるのか、」

男性警察官がボソッと呟く。

「何か言いました?」

女性警察官が聞き返す。

「いや?なんでもない。今日は戻るぞ。」

2人組の警察官はもどっていった。



秋エリアー。

女性は大分走っていた。いつのまにか、夏エリアから秋エリアまで移動していた。ここに来るまでにもざっと数えただけでも20人程度トランプに変化させていた。

「ここまで来るれば、」

女性の足は裏路地奥で止まった。

「これで何枚集まったかしら?」

手元をよく見ると、数多くのトランプがあった。

(あれが、住人達の姿?)

かすかに動いた時大きな音を立ててしまった。

「だれ?」

女性が振り向く。

「あっ!えっーと・・・」

しどろもどろになりながら出てきた。

「貴方は?」

女性が顔をこわばらせながら質問する。恐怖のあまり何も答えることができない。

「どうやら、何も知らないみたいね。変に事を荒らげても大変なことになるから、ここで口封じでもしましょうか。」

女性がローンに襲いかかろうとした瞬間。濃い霧が立ってきた。

「また霧?」

「汝、力を求めるか?」

濃い霧の中どこからともなく声が聞こえてきた。

(どこから?なんだ?)

ローンが辺りを見渡す。しかし人影は見つからない。

ローンの足元に何かが転がってきた。

「なんだこれ?どこから?」

よく見るとローンの足元にコインがあった。あまりこと時代では見ることができない絵柄だった。

「綺麗なコインだな。」

ローンがコインを拾おうとした。

「っ!ダメそれを拾っては、後戻りできなくなってしまう!」

女性が声を荒げる。一瞬ローンの手が止まる。

「汝、ここで命。終了させるか?」

また謎の声が聞こえた。

「このままじゃあ。」

女性が杖を取り出し、攻撃を仕掛けようとする。

「見つけた。」

女性の前に1人の少女が現れた。

「!アンタは、エー」

「あら?名前を覚えてもらってるなんて光栄ね。」

「邪魔すんなぁ!」

女性が少女に向かって攻撃を仕掛けた。

「・・・なにも学習しないのね。」

ため息をついて攻撃を打ち消した。

「邪魔なのは貴方の方なのよ。」

少女がくるりと振り返り、ローンの方を見た。

「さぁ。この核で生き残りたいなら、それを拾いなさい!それが貴方を導くでしょう。」

少女が呼びかけた。

「だめ!拾ってはいけない!」

女性が声を荒げるが、ローンの耳には届いていない。ローンの腕がコインに伸びる。

「あ。」

女性が小さく声を上げる。少女がニヤリと微笑む。ローンがコインを拾った。

「さて、私の役割はここまでね。」

少女が姿を消した。

「そんな・・・」

女性が静かに声を漏らした。気がつくと辺り一面にまた濃い霧が広がっていた。

「ローン、どこにいる?」

遠くの方でアラクの声が聞こえる。そこで、ローンの意識が途絶えたー。

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