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非日常世界へようこそ  作者: 紫音
第一閉
14/37

「古きを知ればー」

冬エリアー

「お邪魔しまーす。」

ローンはアラクの家に遊びに来ていた。

「相変わらず、こっちもこっちもで住みやすいな。」

「どのエリアも一定程度自由に快適に過ごすことは可能だ。」

「まぁ、そうだよな。本当すごい技術だよな。」

何年も前から計画されていた未来都市化。それが数年前から徐々に実現され、今ではドーム型でそれぞれのエリアに分けることで可能となった。空飛ぶ車、テレポートマシン、連絡手段も大きく変わった。それにより古来のよりあった文化。ガスなどの燃料を使う電化製品などは大きく少なくなっていった。

「んで話ってなんだ?」

ローンが切り出した。

「あぁ。少し気になることがあってな。」

アラクが一息ついて話を始めた。

「最近この街で発生している怪奇現象についてーーローンお前は知っておるか?」

「怪奇現象?・・・あーあれか、人々が連続して何も痕跡を残さずに消えるっていう。」

「そう、それだ。」

連続失踪事件。この街で突然発生した謎の現象。様々な陰謀論や外の世界から未知の生命体が襲ってきたなど様々な疑惑が浮かんでいる。

「・・・それがどうしたんだ?」

「実はこの目で見たことがあってな。」

「は?」

すっとんきょうな声をだした。

「いつ?どこで?」

ローンが興味津々に目を輝かせながら聞いてきた。

「お主こういうこと好きだな本当に。」

「謎が多いことはすきだからな!」

「・・・そう、だったのか?・・・まぁ、いい。」

アラクが落ち着かせるように席に座らせる。

「暗くてよーみえんかったが・・・女性であることしかわからんかったのだ・・・」

「女性?」

アラクがこくりと頷く。



冬エリアー

ローンはアラクの家からでて近くのテレポートマシンを探していた。

「全く少し不便だよな。あいつの家テレポートマシン実装してねぇんだもんなぁ。新しき文化を知れば、古きが恋しくなる物だ・・・とか言ったって、えーっと確かこの辺りだと1番近いのは、3丁目のコンビニか?」

コンビニに向かう途中、裏路地の方から男の声が聞こえてきた。

「おい!どこいった!あの女、逃してたまるか!」

「なんだ?いざこざか?」

声のした方を見た。2人の男性が裏路地へと走って行くのが見えた。

「・・・なんか面白そうだな。ついてってみるか。」

ローンが2人の男性の後をコソコソついて行った。男性2人はどんどん裏路地の奥へと走っていった、それを追いかけるようにローンもついていった。

「いたぞ!あそこだ!」

1人の男性が奥に逃げて行く女性を見つけ指を差し叫んだ。

「ちっ!まちやがれ。」

逃げて行く女性を2人の男性が追いかける。ローンもバレないように、コソコソと後をつけていった。いつのまにか行き止まりまで来ていた。明かりも大分少なく、周りもよく確認することができない。

「もう逃げられねぇぞ。」

2人の男性が女性を追い詰めていた。ローンは見つからないように近くのゴミ箱に身を隠した。

「舐めた真似しやがって・・・」

男性が女性に襲いかかった。

「この核は、誰もが信頼なんてできない。」

男性の腕が伸びて女性に触れようとなったのを薙ぎ払った・・・瞬間ー。

「え?」

先程までいた男性がパッと姿を消した。

よく目を凝らすと1枚のトランプに変化していた。

「トランプになった?なんで?」

思わず大声をだしてしまった。

「誰かいるの?」

女性が声を上げた。

「やっべ!」

ローンは口を抑えて先程きた道を急いで引き返した。

屋上に1人の人影が見ていた。

「やっと見つけた。あれが放遊者ほうろうしゃね。さてと、どう動こうかしら?」

「誰かに見られた?暗くてわかんなかったけど・・・気をつけないと。」


「ハァ、ハァ、ハァ。 」

ローンは急いで、テレポートマシンがあるコンビニまで走って、自宅に帰ってきて自室に閉じこもった。

(なんだったんだ?あれ?現実なのか?・・・震えが止まらない。)

毛布にくるまり。ガクガク震える。夢であってほしいー。そう願い夜がふけていった。


翌朝ー

(・・・結局眠れなかった・・・)

毛布にくるまっていたが、結局一睡もすることができなかった。

(・・・今日はどうするかな。・・・悩んでもしょうがないし、アラクにでも相談してみるか・・・)

テレポートマシンに乗り冬エリアに向かった。


冬エリアー

ローンはアラクの家にやってきた。

「・・・珍しいな。夕方にやってくるとは。」

暖炉に火を灯しながら、ローンに話しかけた。

「・・・なにかあったのか?」

アラクが切り出した。

「それが、実はみてしまって・・・」

重い口をゆっくり開いて話し始めた。

「噂の連続失踪事件か?」

ローンがコクリと頷いた。

「何を見た?」

重い空気の中アラクが聞いてきた。

「・・・裏路地で、2人の男性が・・・・・1人の女性に、襲いかかったと思ったら・・次の瞬間に・・トランプに姿が変わっていた。」

ゆっくりと、昨日見た状況を話した。

「・・・なるほど、な。」


某所ー

1人の男性がタバコを吸いながら資料に目をやっていた。

「連続失踪事件。手がかりがねぇと。動けねぇんだよな。まじで。」

「その件に関してちょっとだけ進歩があったわよ。」

1人の女性が扉から入ってきた。

「・・・エポカか?なにかあったのか?」

「その犯人なんだけど、私たちの探し物の邪魔な存在だったってこと。」

「・・・まさか。放遊者ほうろうしゃか?」

「そのまさかよ。」

「まじかよ。」

「ほっといていいのか?」

「大丈夫。もう彼をむかわせたから。」

「あいつで大丈夫なのか?まだ精神も安定してなかったんじゃ・・・」

「大丈夫よ。それにエサもあるしね。」

エポカがニヤリと笑った。



裏路地にてー

「くっ!こんなに早く見つかるなんて。」

1人の女性が狭い通路をひたすら走っていた。

「っ!」

「オメェか。あいつの言ってた物は。」

女性の前に1人の男性が立っていた。

「・・・誰なの?あの時いなかったはず・・・」

「・・・なんのことかわからんが、我らが救済を邪魔する奴らはつぶす。」


冬エリアーアラクの家にて

「一度会ったなら、警戒することができるだろう。・・・アドバイスはできぬがな、気をつけてとしか・・・」

アラクが申し訳なさそうに話す。

「嫌、こっちこそすまねぇ。とりあえず今日はもう帰る。」

ローンがアラクの家から出て行った。

「・・・汝。言の葉に依てー導かれし。命をかかる事件起こりたりー。」


夏エリア

ローンは自宅に帰ってきた。

「・・・あれは、なんだったんだ?なんでトランプに・・・悩むなんてらしくねぇ。明日何も考えずにあそびまくるか。」

夜がふけていった。

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