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非日常世界へようこそ  作者: 紫音
第一閉
12/28

「刺客」

拠点にてー

「「「うーん。」」」

「うーむ。」

「ふむふむ。」

5人は悩んでいた。あれから、何回も拠点を襲撃されたが、一回攻撃を仕掛けてエポカという少女を呼び消えるというワンパターンだった。

「こう何度も襲われるとね。流石に参るわね・・・」

梨杏の表情が暗くなっていた。全員気が参っていた。

「やっぱり、私とライメイが狙われてるのでしょうか?」

シールズが呟く。

(だけど、一回攻撃しただけで去るなんてことする?)

「・・・その可能性もあるし、私達を邪魔者としてるなら・・・倒そうとしてるとも考えられるわね。」

梨杏が顎に手を置きながら考える。シーンとした空気が流れる。

「話を遮ってすまないが・・・ここに長く居るのは得策ではないぞ。」

「ニカル?」

ニカルが呟く。

「・・・なぜ、そう思うのだ?」

ライメイが問いかける。

ニカルが一呼吸おいて、話を始めた。

「建物を見てみろ。相当ヒビが走っておるぞ。・・・このままでは、奴らにやられるより先に建物が倒れて下敷きになり死んでしまうぞ。」

ニカルに言われて5人が建物を見回す。確かにニカルの言う通り建物に走っていたヒビがより広い範囲に広がっていた。確かに・・・これではいつ倒壊してしまうかわからない状況だ。

「もしかして、これが狙いだった?」

「考えにくいけど・・・」

「もとからヒビが走っていたけど、流石にこれはひどいな。」

アリス、梨杏、ローンがそれぞれ言葉を発す。

「でも、どこに避難するんですか?」

シールズが呟く。確かにここから避難して、新しい拠点を探すことが優先だが、下手に動けば奴らに狙われる可能性もある。

「ローン・・・久々に頼めるかしら?」

梨杏がローンに話かけた。

「どう転ぶかわからないのに、本当にやるのか?」

「それでも、私達が生き残るには、やるしかないでしょ?」

「・・・わかったよ。とりあえず今日はもう遅い。明日やるぞ。」

「明日は長距離を歩いて、移動することなるわ。ゆっくり休んで。」

梨杏がアリス達に向かって話をした。アリス達はそれぞれ休みをとった。



某所ーー

「この広さならどうかしら?」

エポカが話をし始めた。

「十分な広さだな・・・それで?ここで何をやればいいんだ?」

少年が呟く。

「貴方が創造すればいいだけ。今まで通りね。」

少年がため息をつく。

「大丈夫・・・時間はたっぷりあるわ。」

「何にしろ、イメージがないとな・・・」

少年が頭をかきながら考える。

「それじゃ、私は呼ばれたから行くわね。」

エポカがふわりと姿を暗闇に消した。

「本当に自由人だな。あいつはーー。名前なんだっけ?」

少年が考えこむ。

「まぁいいか。そんな些細なこと。全ては我が救済の為ー。」




翌朝。アリス達5人は、建物から出て最低限の食糧だけを持ち移動することにした。

「それで、どうするんですか?」

シールズが梨杏に聞いた。

「私じゃなくて、ローンがやるんだけどね。」

ローンの方をチラリと見る。

「ローンよろしく。」

ローンはポッケからコインを取り出した。

「どう転んでも文句だけはやめてくれよ。コインよ!我らの道を示したまえ!」

ピィーンとコインを弾いた。クルクルと空中でコインが回る。コインの魔人を呼び出すのかと思ったら、落ちてきたコインをローンは手で受け止めずに地面に転がっていった。コインはそのままコロコロとあらぬ方向へと転がり始めた。

「よし!あっちだ!いくぞ。」

ローンがコインを追いかけ始めた。

「え?え?」

アリスが戸惑った。

「さぁ。行くわよ。」

梨杏がローンを追いかけ始めた。

「完全に運ではないか・・・」

ニカルが呟いた。

「とりあえず、急ぎましょう。置いて行かれてしまいます。」

アリス達はローンを追いかけ始めた。

「これで、見つかるんですか?」

走りながら、梨杏に聞いてみた。

「運だけどね。だけど少しでも藁にでも縋りたいのよこっちは。何もしないでただ死ぬのは絶対に嫌だからね。」

梨杏の言う通りだ。なにも知らない一般人が巻き込まれて、奴らの住みやすい世界へと変貌を遂げる。それを何もできずにただ呆然と見守ることしかできない・・・それが繰り返される。アリスが息を飲む。暫く走った。

「ローンそろそろ街中よ。」

「おっと、もう着くのか。んじゃ、ここまでだな。」

ローンがコインを止めて拾いポケットにしまった。ローンが足を止めたためアリス達も追いついた。

「あれ?閉まっちゃうんですか?」

シールズが梨杏に聞いた。

「闇のアイテムは一般人にとっては視えないモノだからね。街中で何も視えない人達の前で手に持ったりしたら怖がられるからね。こればかりは仕方ないことなのよね。」

(思い当たる節が・・・)

「どうした?アリス。顔色悪いぞ?」

ローンがアリスの顔を伺って聞いてきた。

「え?うんうん。大丈夫。」

アリスが首をブンブンと横に振って否定した。

「・・・それでは、街中ではアイテムを出さない方が良いと言うことか?」

「そうね。なるべくお願いしたいわね。」

「よし、話はまとまったな。それじゃ、ここから先は完全に勘だ。行くぞ。」

ローンがパンパンと手を叩いた。アリス達5人は街中へ進んでいった。



アリス達が去ったビルにてー

「ありり?手遅れでしたか?」

キュルアーがビルの入り口から入ってきた。

「うーん。ビルの倒壊まであと少しだったのですが・・・まぁいいか。僕も次の作戦に移るとしましょうか。」



アリス達は街中を歩いていた。この街は前回占い師と初めて会った街だった。あの時は図書館に行くことを目的としていて街を見ることをしていなかったが、結構広い街のようだ。

「この街も懐かしいわね。」

梨杏が微笑む。

「この街であの占い師に声をかけられたんだったな。」

ローンが遠い目をしながら話す。

「あの時、占って貰えば・・・運命も変わってたのかな?」

アリスの問いかけに梨杏、ローンが考え込む。

「・・・必ずしもそうとは限らないけど、私達の行動が奴らのレールにしかれてるかもしれない。もしくは、奴らの予想外の行動になるかもしれないってことはあるかもしれないわね。」

梨杏が一言一言考えながら答えた。

(? 気のせい・・・今・・・梨杏から黒のオーラがでたような?)

「小娘どうした?」

ニカルが小声で話してきた。

「・・・ねぇ。オーラって何色?」

「何を言っている?」

「・・・貴方が私に与えた力のことなんだけど。」

アリスとニカルが小声で話を続けていた。梨杏とローンとは距離を離していた。

「あぁ。あのオーラのことか。・・・何故今になってその話をした?」

「・・・視えたからよ。梨杏から黒のオーラが・・・ボワって。」

先程梨杏から見えたオーラをニカルに説明した。

「うむ。オーラは何色もある物だが・・・黒か・・・初めて聴いたな。その色は。」

ニカルが言葉に詰まりながら話した。どうやら黒のオーラはニカルが今まで契約していた者達誰もみたことがない色だと言う。

「今までの者は、白が信頼。緑が安心。青が裏切りもしくは嘘。赤が敵。紫が中立。みたいな感じだったが。」

確かに、生徒会長と戦った時赤いオーラが視えた。

「・・・黒は何もないってこと?」

アリスがニカルに聞いた。

「うむ。なんとも言えんな。こればかりは、解釈の問題としか・・・」

「・・・私の捉え方ってことね。」

ふぅっと一息ついた。

「・・・しかし、黒とはな。」

(色を信じればいいのだけど・・・その色に当てはまるとは限らないってことになるってことか・・・)

アリスが梨杏に視線をやった。

(信用していいんだよね?)



アリス達5人が暫く街を歩いているとライメイが後ろから声をかけられた。

「すみません。ちょっとお時間いいかしら?」

ライメイは声をかけられた方を振り返った。アリス達の目の前には2人の女性の婦人警察官が立っていた。1人は警察の制服を着用している。ズボンを履いており、半袖を着ていた。髪は黒髪の短髪になっていた。もう1人の警察官は黒髪のロングで片目が隠れていた。ミニスカートで長袖の制服を着用していた。

「えーっと。警察官ですか?すみませんが何か証明できるものはありますか?」

梨杏が警察官に向けて話した。

「あぁ。ごめんなさい。私達こういうものです。」

2人の婦人警察官は警察手帳を取り出した。警察手帳には2人の名前が書かれていた。短髪の女性は、山上やまがみ 凛音りんね。長髪の女性は、須藤すとう 本来ほんら。と記入されていた。須藤さんの目を見ると青のような水色のような瞳をしていた。

「・・・本物でいいのかしら?」

梨杏がジト目で睨みつける。

「小娘。力を使って目の前の警察官とやらをみてみろ。さすればわかるだろう。」

ニカルが小声で呟いた。

「・・・わかったわよ。梨杏ちょっと時間ちょうだい。」

梨杏の前に出てアリスが2人の婦人警察官をじーっと見つめる。2人の婦人警察官が首を傾げる。アリスが婦人警察官を数秒ほどみていると、婦人警察官の周りにオーラが視え始めた。

(・・・視えた。2人共白だ。)

「大丈夫。梨杏。この2人の婦人警察官は信じても大丈夫。」

梨杏に向けて話した。

「何をしたのかわかりませんが。お話聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」

山上と書いてあった婦人警察官が話を始めた。「色々と服装に関しても聞きたいことが山々なのだけど・・・」

難しい顔をして話を続けた。

「何より、その持ち物なんだけど。何それ?コンボウ?」

ライメイの武器を指差した。

「フヒヒ。ネズミはもとの場所に戻ってくるというのは本能なのですかね?」

アリス達5人が笑い声のした方を振り返った。

「嘘でしょ?」「こんな時に?」

梨杏とローンが声を上げた。

「危ない。逃げて!」

アリスが婦人警察官に向けて声を上げた。

「え?」「なに?」

「守って見せなさいよ!貴方達の希望する世界を!!」

「なにあれ?」「水晶玉?」

ザッリアーグの持つ水晶玉が黒く光出した。

「うっ!まぶっ!」

婦人警察官が目を伏せた。

「ほっとけアリス!今は目の前の出来事に集中しろ!」

ローンがアリスに向けて叫んだ。5人がそれぞれ戦闘体制に入った。

「え?なになに?ヒーローショー?」

周りの人々がアリス達の周りに集まり出した。

「これだけの人を守れるのかな?」

ザッリアーグがニヤリと笑った。水晶玉から異形なるモノが出てきた。

「せ、先輩。これ、まずくないですか?」

「一体何が起こってるの?突然剣が出てくるし、魔神?魔女?何が起こってるの?」

「先輩とりあえず。避難させないと!」

長髪の婦人警察官須藤さんが声を上げた。アリス達も辺りを見回した。一般人が多すぎる。

「何かのショーだと思ってるみたいね。」

「これ、まずくねぇか?」

「避難させぬと死人がでるぞ!」

「わかってるけど、私たちじゃどうしょうもないでしょ!」

「フヒヒ、フヒヒ。さぁ。始めましょうか!」

「くるぞ!」

「っ!任せてください。もう誰も傷つけることはさせない!」

シールズが叫ぶと同時に構えていた盾が大きくなり辺り一面に壁を貼る。

「今回は思考を変えて火責めでいきましょうか。」

水晶玉から火の龍が出てきた。

「そんなこともできるの?」

「さぁ。燃やし尽くしましょう。」

火の龍はブレスをはいてきた。

「っ!シールズ頼む。」

「防ぎます。はぁーぁー。」

「本当になんなのよ!」

「これ、防いだところで周りに火が広がります。」

「!!」

アリス達5人が辺りを見回した。婦人警察官の言う通り火が辺りに広がり至るところで火災が発生していた。

「うわぁーーぁ。」

「火がこっちにも。」

「にげろー。」

「あっつ!」

「助けてぇー、!」

逃げ惑う人々の声が辺りに広がる。

「あっははは!!さぁさぁさぁ。もっともっとたのしませてくださいよぉ!」

ザッリアーグが不敵に微笑む。火の龍のブレスの勢いがどんどん強くなる。

「くっ!守りだけでは被害が広がるだけです。」

「ライメイ!一発ぶちかませる?」

梨杏がライメイを見て話した。

「まかせろ!」

ライメイの持つコンボウに雷が宿る。

「雷は纏わせるだけでなくこんな使い方もできるのだ。」

「?急に暗くなった?」

ライメイがフッと微笑んだ。

「痺れろ!」

ライメイが左手を空高く上げた。黒い雲から一筋の稲光が火の龍に向け落ちる。

「ギィュゥァー!」叫びと共に火の龍が姿を消した。

「よっし!これで一気に攻めるぞ!」

ローンがコインを弾いた。

「コインの新しい使い方も見せてやるよ!」

ローンの弾いたコインがザッリアーグに向けて一直線に飛んでいった。

「こんな攻撃が私に届くとでも?」

ザッリアーグがコインを手で弾いた。

ローンがニヤリと笑った。

「それが狙いだぜ!」

「なに?   !!」

「へっ!体が動かねぇだろ!」

「なるほど。雷を纏わせて弾いたか。」

「うゲェ!もうバレた。」

「今のでわかるでしょ大分。でもスキがあれば、魔女!」

(・・・やっぱり・・・)

梨杏が魔女にトランプを投げた。

「炎の刃よ!敵を打ち払え!」

魔女が炎の矢を作り。ザッリアーグに向けて打った。

「ほんの数秒。動きを封じることができてもすぐに行動できるのですがねぇ。」

ザッリアーグの痺れが取れ動き出した。

「!!もうかよ。」

「その一瞬が大事なのよ!」

魔女が矢を放った。

「アリアートグロウ。」

水晶玉から水の渦が出現し魔女の放った矢を打ち消した。

「やっぱり。そう簡単にはいかないわよね、」

「グリアードコンス。」

今度はザッリアーグを囲むように炎の渦が出現した。

「全く。全てめんどくさいですね。本当に。早くやられてくださいよ。大人しく。」

「これじゃ、近づけねぇ。」

「炎には、水よ!勝手に行動するけど、文句いわないでよね!ウォータースルー!」

魔女が水の形の矢を放った。

「ライメイ!雷お願い!」

「承った!」

魔女の水の矢に雷を纏わせた。

「・・・曲がれ。」

ザッリアーグに矢が当たる瞬間、突然方向を変えてアリスに向かってきた。

「え?」

「私が守ります!」

アリスに当たる瞬間。シールズがギリギリのところで防いだ。

「ありがとう。」

「いえいえ、私にはこれしか出来ないので。」

シールズが照れながら答える。

「はぁ。忘れてないですか?周りには一般人が・・・ ってあれ?」

先程までいた人々の声がいつのまにか聞こえていなかった。よく見ると2人の警察官が避難指示をしていた。

「皆さん落ち着いて行動してください。」

「あ、慌てると怪我をします。」

「こっちに避難してください。」

周りの人々は2人の警察官が避難をさせていたようだ。

「これで、いいのかしら?」

「ありがとうございます。」

「お礼なら、そいつを倒してからにしてくれるかしら?」

短髪婦人警察官山上がザッリアーグに向けて指をさした。

「はい!」

「はぁー。あまり調子に乗らん方がいいですよ。」

水晶玉が光り出した。今度は黒い蛇が出現した。

「噛み殺してあげましょう。」

蛇がアリス達に向かって動き出した。

「サンダーボルト!」

ライメイが攻撃を仕掛けるが、スルリと交わされてしまう。

「すばしっこいな!」

「ローン、後ろ!」

ローンの後ろにザッリアーグがいた。

「うっ!いつのまに?」

「それで本当に私を殺すつもりか?ぬるい!」

水晶玉から炎の渦が出現し、ローンに襲いかかる。

「うぉーっ!危ねぇ!」

ギリギリのところでローンが前転をしてかわした。

「はぁぁぁーーー!」

アリスがザッリアーグに向かい攻撃を仕掛けた。「キィーーン」とバリアに阻まれる。

「くっ!どうして、どうして!なんでなんでなんで!貴方は、あいつらに、協力する?」

アリスがザッリアーグに向け叫ぶ。

「私は力を与えられた!そして、素晴らしい世界を知った!それを!私は見てみたい!この目で!そしてこの体で、全てを感じたい!彼の方の救済は全てを救う。」 

(ザッリアーグからオーラ・・・赤だ。しかも真っ赤・・・濃い色だ。)

「私は、私達は、世界を戻す為に貴方を、貴方達を!・・・・殺す!!」

「やってみろよ!」

ザッリアーグがニヤリと笑う。

「ニカル!!」

「承知した。どんな未来。どんな結果になろうとも我は貴様に力をかそう!」

「グレイアル!」

ニカルが光り出した。

「・・・これは・・・また形が変わった?」

レイピアから今度は長い槍のような剣に姿が変わっていた。

「少し思い出した。この形状は、とある世界で英雄がつけた名前グレイアル。」

「へぇ!形変えられるんだ。面白いねぇ。本当退屈しないで済むよ。」

「サミダレヅキ!」

グレイアルを槍のように持ちザッリアーグに向けてドンドン突き刺す。

「くっ!」

ザッリアーグはギリギリのところでかわしてる。

「はぁ!」

「くっ!」

やっと一撃ザッリアーグに当たった。

「やった!」

「まだ、たったの一回よ!」

「一回は、一回だ!」

ローンと梨杏が喜ぶ。

「ローン、梨杏後ろ!」

ライメイが叫ぶ。後ろから蛇が近づいていた。

「うわわっ!」

「あぶなっ、」

2人のともギリギリのところで蛇の攻撃をかわした。

「ってかローン!コイン回収してないの?」

「やっべ!忘れてた。コインよ。我が手元に戻りたまえ。」

ローンが念じるとコインがローンのもとに戻ってきた。

「よっし!俺もやるぞ!」

ローンがコイントスをしようとした瞬間。

「梨杏、あれ、あそこ!」

ローンが指をさした。梨杏がローンの差した方向をみると、崩れた建物の近くに1人の少年がいた。

「!嘘でしょ。逃げ遅れ?」

「どうやらそのようね。」

「あそこじゃ、火の手が回るぞ!早く助けねぇと。」

「でもこの状況じゃ近づけねぇ。」

「どうすれば・・・」

梨杏とローンが唇を噛んだ。


「五月雨にーーーあれし。」

どこからか声が聞こえた。

梨杏とローンが周りを見回す。アリス、ライメイ、シールズは戦闘に夢中で声が聞こえていないようだった。

「どこからだ?」

「わからないけど、警戒してないとーーー。」


「うつしみに。嘆き。導きーー」

謎の声が続く。

「一雫の霊視。けいせい。形となり。ここからふりー。」

「聖なるもの。命あるもの。その全てに恵み。営み。生命を感じさせーー。」

「ここからー。全てを始めさせよ。」

謎の声が終了した瞬間ーー。突然大雨が降り出した。

全員が戦いの手を止めた。

「雨?」

「我の雷が原因か?」

「・・・?」

ザッリアーグの視線が少年を見た気がした。

「どうやら、天はあんたらを味方したようだな。」

「・・・随分とあっさりと引くのね。」

「これ以上。無理な労力はしたくないんでね。それに、君たちを殺す機会はまだまだあるしね。それにやりあうなら、最高の舞台でやりたいんでね。」

くるりとふりかえり。姿を消した。

梨杏が少年のところに駆け寄った。

「もう、大丈夫よ。怪我はない?」

少年の頭を撫でて落ち着かせる。


戦闘が終わり。婦人警察官2人と話を始めた。

「・・・大人としては、見過ごすわけにはいかないわね。」

「でも私たち。」

「事情はわかったわ。それを承知の上で放置できないということよ。」

「先輩。」

「はぁ。・・・余り職権乱用はしたくないのだけど・・・今回ばかりは仕方ないわね。」

警察官がため息をついた。

「・・・ついてきなさい。拠点が欲しいんでしょ?」

「どうする?」

「・・・・」

「ついていくしかなかろう。」

「そうね。ここで死ぬより。ましよね。」

アリス達5人は警察官の後をついていくことにした。

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