表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
非日常世界へようこそ  作者: 紫音
第一閉
11/37

「新たなる脅威」

「大分集まり始めてるね・・・。うん、いいことだ。」

「ところで?エ   。なにかトラブルでも発生しているのかい?」

「うーん?大きなトラブルではないのですが・・・」

女性が首を傾げる。

「一部のピースが人と干渉していまして・・・」

「へぇ?そいつは面白いね。少しばかり遊ぼうか。」





4人と1人は拠点である廃ビルに戻ってきた。盾を持った女性に敵意はないようで、拠点に向けて歩いている時に一才攻撃を仕掛けてこなかった。

(考えすぎだったのかしら?)

ホット胸を撫で下ろした。力が抜けたように座り込む。

「ここは?城ですか?」

女性はビルに入り、目をキラキラさせた。

「城?」

ニカルが呟く。

「そのポケットにあるモノ、お喋りすることができるのですね。不思議です!」

ニカルに目をやる。

「うわわ!」

「ちょっと!ニカル急に声を出さないで!」

「ニカルさんというんですね?はじめまして!」

女性はどうやらグイグイ来るタイプのようだ。

「ちょっと落ち着いてください。」

「そうね。とりあえず、話を聞きたいので座っていただいてもよろしいですか?」

梨杏が女性に向かって話をした。

「あっ!すみません。見たことないものだらけで、興奮してしまって・・・」

女性が一呼吸置いて座布団に座った。

「それじゃ、始めましょうか。」

梨杏が一呼吸置いて話を始めた。

「はい!なんでも聞いてください。」

フフン。と鼻を鳴らして答える。

「えーっと・・・とりあえずあなたは迷子になってたの?」

「えへへ。お恥ずかしながら・・・」

頬をぽりぽりかきながら答える。

「とりあえず、覚えてる範囲でいいからはなしてもらえるとありがたいのだけど・・・」

「はい、わかりました。えーっとですねぇ・・・。」

女性が話をはじめた。

「私の世界では、何年も続く戦争が起こっていました。・・・私の国は当初戦争など起こるハズないとたかを括ってました。しかし、ある時国の内部での裏切りが起こり戦争がはじまりました。」

「戦争・・・」

アリスがゴクリと息を飲む。

「幾つもの国が滅ぼされ、多くの人々が死に多くの人々の血が流れました。」

「この世界で目が覚めた時の記憶はない感じかしら?」

梨杏が聞いた。

「うーん・・・」

女性が腕を組み唸る。

「唯一覚えてるのは、指輪をはめた女性が襲ってきたってことですね。」

「「「!!」」」

3人がびっくりした。

「それって!」

「間違いなさそうね。」

「あいつそんなことしてたのかよ!」

アリス達がそれぞれ声を上げる。

「皆さまご存知なのですか?」

女性がキョトンとした表情で聞き返す。

「その女性、蛇をつかえてなかったか?」

ライメイがアリス達に変わり聞く。

「そーうですね。確かに大蛇でしたね。」

女性が答える。

「ってことは、この子もしかしてあいつらの探してるピース?」

アリスがハッとする。

「その可能性があるわね・・・」

(これで、二つ目。)

「うーむ。」

4人が頭を抱える。

「はーい。正解でーす。」

「え?」

パチパチと拍手をしながら、1人の人物が堂々と入ってきた。

「うそでしょ?」

「こんな時に敵襲か!」

「小娘!」

「わかってる!よろしくニカル!」

アリスがニカルを取り出す。ニカルが姿を変える。

「私たちもやるわよ!」

「ええ!」

トランプから魔女が現れる。

「コインよ!運命を定めよ!」

ローンがコインを取り出し、コイントスをする。クルクルと回転し、コインが裏面を出す。

「裏か、連戦だが、頼むぜ・・・アゼグ!」

「あいよー!今度はなんだい?」

コインから煙が発生し魔神が出現する。

「ぬう!」

ビリビリと音を立て、コンボウに雷がまとう。

「え?え?なにごとですか?」

女性が戸惑う。

「・・・あれ?どこかで聞いたような声?気のせい・・・」

アリスが疑問を持つ。

「アリスどうしたの?」

梨杏が問う。

「やっぱりこの子!あの時の。」

目の前の女性がフードをとる。アリス、梨杏、ローンが絶句する。

「うそだろ!」

「そんなことが・・・」

「なんで?」

目の前の女性はなんとあの時の占い師だった。

「アハハ、皆さま。お久しぶりですね。」

あの時会った時と姿が全く違う。全身が黒色のローブに覆われており、髪の色も白色から黒へと変わっていた。

「両目が赤色ってことは、私と同じ?」

目の色が赤色。それはつまり、闇のアイテムと契約をしているということになる。

「なにが起こってるかわかりませんが。危ない状況ということだけはわかります!」

ふんすと鼻を鳴らして女性が盾を構える。

「アハハ、あの少年の言うとおりね。我らが救済の糧にしてくれる!」

女性は懐から水晶玉を取り出した。水晶玉も禍々しい黒色のオーラに包まれていた。

「何あれ?」

「色が全然違わないか?」

「ちょっと、2人とも!呑気に話してる暇なんてないわよ!」

魔女が叫ぶ。

「今回は何を弾くかな?」

梨杏がトランプをシャッフルし一枚弾く梨杏の手には、赤のハートの7が握られていた。トランプを魔女に向けて投げた。

「随分と珍しいの弾いたわね。」

魔女がトランプの力をつかう。杖が今度は槍に形を変える。

「アハハ、アハハ、アハハ」

占い師の女性が高らかに笑う。

我新名は、ザッリアーグ。世界の救済の為貴様ら前に立ちはだかるモノとなろう!」

ザッリアーグが水晶玉を構える占う。水晶玉からモヤが発生し、何かが映り出される。

「貴様の運命さだめは留まった。さぁ、絶望するがよい!」

水晶玉が黒く輝いた。眩しすぎて直視することができない。アリス達が目を開けると、目の前にとんでもない数の化け物が出現していた。その数数匹ではなかった。よく見るとアリス達を囲むように出現していた。

「これは、多すぎない?」

アリスが呟く。

「貴様達は、異形のものに殺される・・・そういう運命さだめなのだ。」

アリス達を囲む異形なものが唸る。

「ゆけ!」

ザッリアーグの掛け声のもと一斉に襲いかかってきた。

「ここは、私にお任せください!」

女性が盾を構え前に出す。

「もう、誰も、誰一人として、血を流すことはさせない!盾よ全てを人々を守りたまえ!」

盾が大きく変形し、アリス達を守る。

「これは、すごいな!」

「盾が守ってる。」

「これが、私のできることです。」

女性が照れくさそうにはなす。

「守るだけなので、攻めることはできないのですが・・・」

「それでも十分すごいではないか。」

ニカルも称賛する。

「確かにそうだな。」

「へぇ。守りか、これは面白いね。いい報告ができそうだ・・・」

ザッリアーグがニヤリと笑う。

「あとは我に任せよ!」

「我も協力しよう。」

「私も微力ながら、協力しましょう。」

ライメイ、ニカル、魔女が力をつかう。

「小娘。しっかりと握っておれよ!」

「ええ!お願い。ニカル!」

アリス達を囲っていた。異形なものたちは姿を消した。

「想像以上だね。」

「逃しはしないぞ!」

ライメイがザッリアーグに襲い掛かる。

「はぁー。」

「ぬぅ!」

ライメイが吹き飛ばされる。

「壁が造れるのはそっちだけとは思わない方がいいわよ。」

ザッリアーグの目の前にガラスのような壁があるように見える。

「こっちとしては目的達成なのよね。さっさと休まないと。」

「逃すか!」

ライメイが叫ぶ。

「残念だけど、これ以上遊んでられないの・・・また遊びましょう。エポカ!」

ザッリアーグが誰かをよぶ。

「はいはーい。」

何もない空間から1人の少女がでてきた。

「あの子って!」

現れた少女は、図書館でアリス達3人を拠点へと飛ばした人物だった。

「あら?お元気だったかしら。改めて、自己紹介でもしましょうか?私はエポカ。覚えてくれとは言わないけど、まぁ覚えてくれるとありがたいわね。」

エポカと名乗った少女は笑った。

「ふふっ。また会いましょう。」

パチンと指を鳴らしザッリアーグとエポカは消えた。

「助かったー。」

5人は肩を力を抜いたようにその場に座り込んだ。

「よかったー。誰も怪我をしなくて。」

5人は一息ついて話をし始めた。

「あの二人が皆様方がおっしゃってた。この世界を救済しようとしている人なのですね。」

女性が聞いてきた。

「ええそうなるわね。」

梨杏が答える。

「まさか、一般人まで巻き込まれるなんてな。」

「そんなことが起こり得るのだな。」

「問題が増えたわね。」

重い空気が流れる。

「おこったことを悔いても仕方ありません。今は前を向きましょう。」

「・・・そうね。」

梨杏が一息ついた。

「そういえば、あなたの名前きめてなかったわね。」

「名前?」

「ニュックネームみたいなもんだ。」

「名前に関する記憶はないんですか?」

アリスが女性に聞いた。

「言われてみれば、名前・・・思い出せませんね。」

女性が首を傾げた。

「うーん。確かにその方がいいですよね。呼びやすいし。」

女性も納得する。

「そうねぇ。盾・・・シールズとかどうかしら?」

梨杏が提案した。

「シールズいいですね。今後ともよろしくお願いします。」

女性の名前も決まり、安堵する一向だった。



某所ーー

「いい成果ね。ありがとう。」

「いえいえ。」

「すまないね。僕の代わりに・・・」

「お役に立てたなら、光栄です。」

「戦争の衝撃かしら、かなり記憶がなくなってるみたいだけど・・・」

エポカが考え込む。

「少し強引だけど、あのピースには力を取り戻してもらわないといけないね。」

「何をする気で?」

「なぁーに、気にすることないよ。少しばかりテコ入れをね。するだけさ・・・」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ