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黒曜石の呪縛  作者: 紗 織
本編 3
95/129

<第95話> 切り口の皮膚がギザギザ

「そうか、どうもありがとう。


 では古閑村長は、自分の帰宅時に『麗子夫人、黒部は既に死亡していた』と証言しているが、そもそもでこれが虚言だと現時点では考えているという事だね。」



「はい、その通りです。


 『村長が帰宅した時、まだ麗子夫人と黒部は生存していた。


 だがどちらも虫の息だった為、麗子夫人は緊急隊員・警察が到着する前に死亡。



 そして黒部も同じ頃に死亡したが、その最期の一撃を加えたのは村長で、その凶器として利用されたのが例の黒曜石だという事です。』



 この説を立証するために、村長へ捜査協力を依頼いしているが、当人が被害者の家族で、なおかつ村長という権力者であるという立場を利用し、依頼を拒否し続けている為、今回の自宅への半強制的な捜査を実行しなければいけない状況になったと聞いております。」



「そうだね、資料にもそう記載されていたよ。


 そして私が君たちに詳しく聞きたいのは、その記述には含まれていない部分についてなんだ。



 まず黒部の喉元には、黒曜石(解析により切り口の皮膚の形状がギザギザであったことから、ナイフのような鋭利な凶器ではなく、現場に多数散乱していた黒曜石を利用と判断)による傷があった。その傷口の出血量から、その傷が致命傷と断定とあった。


 その最期の一撃を加えたのが、黒曜石に指紋がはっきりと残っていた村長なのだという事だったよね。


 しかしこの黒曜石に黒部の肉片が付着していたという記載が何処にも見当たらなかった。



 これは不自然な事では無いのかい?


 私の認識では、切り口がギザギザの形状だったという事は、凶器に微量ながらも肉片が付着しているという結果が付いて来るものだと思ってしまっていたのだが、どうだろう。」


「おっしゃる通りです。


 通常ですと、ギザギザ形状な切り口は、その痕跡である肉片が凶器に付着する事が非常に多いです。


 ですが今回の凶器は、現場で移送の際に一度落下していますので、その際の衝撃で取れてしまった可能性も否定できないのです。」


「なるほど、落下による衝撃の影響か。


 確かにそのような可能性は、否定できないのかもしれないな。」

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