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黒曜石の呪縛  作者: 紗 織
本編 3
79/129

<第79話> 凶器は・・・

「今からお話するのは、古閑 麗子さんが殺害された事件に関する詳細な話ではありません。


 黒部が殺された時の凶器についての話です。」



「あの男についての話だと言うのか!


 君は、一体何を考えているんだ。


 そんな話を聞くのは、非常に不愉快だな。



 君は、大切な妻の事を殺害した男の話を、今から始めるつもりなのか。」


 村長は、睨みつけるような鋭い眼光を青野に向けながら言った。


 しかしそんな状況でも村長の声の大きさは、曜子の体調を心配して、極力普通に抑えられていた。



「いいえ、これは黒部についての話ではありません。


 彼が殺された凶器についての話です。」



「同じ事だよ。


 そんな話はどうか止めてくれないかな。」


 村長は、不快な表情を前面に出して言った。




 しかし青野は一歩も引かずに答えた。


「村長さん、大変申し訳ありませんが、この話を止める訳にはいきません。


 これは本当に、()()()()()()()なのです。」



「いいや、そんな話をわざわざ話してもらわなくても大丈夫だよ。


 凶器は、黒曜石の破片だよ。




 当時、刑事さんがそう言って来たのを私はちゃんと覚えているよ。


 そう、()()()()()()()()()()()()()()()()()()なんだ。」



「えっ!?


 ()()()()()()()()()()・・・・・」


 村長の話を聞いた曜子は、震える小さな声でそう呟いた。




「曜子、大丈夫かい?


 無理をしないでいいからね。


 顔色が真っ青だよ。




 体調が心配だ。


 事件の事なんて、無理して考えようとしなくていいんだよ。




 青野さん、もう大丈夫だ。


 どうやら君の話は、わざわざ伝えてもらうような話では無かった様だ。」


 村長は、いまや話を直ぐにでも終わらせようと必死になっていた。





「いいえ、村長さん。全くその逆です。


 やはり村長さんには、()()()()()()()()()()ようです。


 今村長さんから話を聞いて、僕には、はっきりと分かりました。




 いいですか、村長さん。


 凶器になった黒曜石の破片は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()です。


 奥様が握りしめていた破片ではありません。」



「えっ!?


 『部屋の隅の方に落ちていた』だって。


 青野さん、今の話は本当なのか!?」


 この話を聞いた村長は、明らかに動揺していた。



「そうです。


 もともと黒曜石が飾られていた床の間の近くに落ちていた破片の1つに、妻の麗子さんの指紋、そして黒部の皮膚片、血液が付着していた物がありました。


 そして皮膚片が付着していた部分は、鋭利な形状をしていましたし、何より黒部の傷口の皮膚片と一致する事も特定されています。


 ですからこれが凶器だったと断定する事が出来たんです。



 この凶器の話は、当時の捜査報告書にも記載されていますので、間違いありません。」


 青野は、正確にゆっくりと答えた。


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