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黒曜石の呪縛  作者: 紗 織
本編 3
68/129

<第68話> 青野の見聞

「捜査協力!?


 そして父さんが『現場にも行ったし、村長さんとも直接話をした』だなんて、そんなにあの事件と深い関わりがあったなんて、驚きだよ。




 そしてその上で、事件について僕らには聞いて欲しくないと判断した。


 という事は、つまりそういう事か。 


 父さん、僕は向こうで、あの事件についての当時の報道や噂は醜聞が多かったという話を聞いたんだよ。


 だからもしかして父さんは、家族と似た状況だったという理由だけじゃなく、あの事件の報道を僕ら家族には聞かせたくないと思ったのかな?」


 青野は先程の父の話に自分の判断も加えて、改めて聞いていた。



「ふむ。


 昴、よくそこまで考え付いたな。


 その通りだよ、昴。



 確かに事件に関わった父さんが言うのも何だが、お前達の耳に入って欲しくないと思うような報道のされ方が非常に多かったな。


 どこから洩れてしまったのかは分からないが、捜査状況の一部が外部に出てしまっていた。


 そしてそこから、一般人の推測の域を出ないような話題までもが、まことしやかに報道されてしまってもいた。


 被害者の家族が事件の傷に苦しんでいる時に『何という愚かな・・・。』と思わず拳を握りしめたくなるような話題だったよ。




 だが『人の噂も七十五日』。


 単なる噂が真実に勝てる事は無い。



 事件は、早期解決したんだ。


 だから古閑一家の心の傷も、次第に癒えてくれるものと私は信じていた。




 しかし、古閑氏はしばらくして村長職を辞した。


 その事を知った当時、私は気になってはいたんだが、そこまで深く追及するような事をしなかった。




 しかし今度は、改めて昴から『まだ何らかの事件の傷跡が残っているようだ』と話を聞いてしまった。


 私は、あの事件に関わった自分にまだ何か出来る事は無いかと、お前から話を聞いたあの時から考え始めたんだよ。



 そしてこんな風に思うだけではやはり駄目だと、一念発起して行動を起こしたんだ。



 先日、私も久しぶりにN県に行って来たよ。


 事件を当時担当していた刑事にも会って話を聞いてきたり、色々な手を尽くして事件の記録簿も見てきたりと、当時の事件の再確認をして来たんだ。


 もちろん私だけの判断で見落としが無いようにと、捜査協力をお願いした人物にも同行してもらって、その人の意見も聞いてきた。


 しかし一般市民の古閑一家とは、当然の事だが私達は会えていないんだよ。


 だからその時に彼女から、お前に()()()()()()()ように言われたんだよ。


 お前の旅行で見聞してきた事は、かなり()()()()()()()()()()そうだ。」



「捜査協力・・・彼女?


 父さんの捜査協力をしてくれたのは、女性なの?」



「ほぉ、今の話でそこに目を付けるのか。


 お前もなかなか鋭い観察眼があるようだな。



 そうだ。


 同行してくれた()()は、私よりもずっと正確な状況分析を行える人だ。



 お前も4月に捜査一課の刑事になれば、そのうち出会える機会もあるだろうよ。」


 父は、楽しそうに昴の質問に答えていた。



「父さんよりも正確な状況分析だって!?


 そんな女性がいるなんてとても信じられないよ。


 いやそもそもそんな人間が存在する事だって、僕にはとても信じられない。」


 青野は、驚きながら答えた。


「おい昴、話が逸れているぞ。


 今大切なのは、事件についての話だ。



 彼女の話題ではないだろう。




 さあ、時間が惜しい。


 これから聞く事に、しっかりと答えてくれ。


 お前の卒業旅行で古閑一家と会って実際に見聞して来た事が、彼らの今後の人生に非常に大きく関わっているんだぞ。」


 父は、真剣にたずねてきた。


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