<第67話> 捜査協力
「どういう事?
父さん、突然どうしたの?」
青野は父の言葉とその真剣な表情に驚き、聞き返していた。
「確かに急に警察官としての意見を聞きたいと言われたら、驚いてしまうな。
ふむ・・・。
昴、それではまず私の話を聞いて欲しい。
そして私は、真っ先にこれを言わなければならないな。
昴、すまなかった。
実は、お前に今まで話していなかった事があるんだ。
光輝夢島であの殺人事件が起きた時、私はN県に居たんだよ。」
「えっ、どういう事?
それは、たまたまN県にいたという事を言っているだけなの?
それとも、もしかしてあの事件に父さんも関わったという意味なの?
でもあれはN県で起きた殺人事件だよね。
警視庁にいたはずの父さんには、管轄外の事件なんじゃない?」
青野は父の話の最初から驚きの連続となってしまっていた。
「あの事件に私も関わったという後者の方の意味だよ。
そして昴の言う通り、当然管轄外の事件なんだ。
だから直接事件を担当したという意味ではないんだ。
あくまでも捜査協力をしただけなんだ。
私の事件の見識をぜひ聞かせて欲しいと頼まれたんだよ。
だからあの事件の全貌を解明する為に、当時私は、事件現場の村長宅にも行ったし、古閑氏とも会って直接話もしているんだ。
この事を今まで話していなくて、本当にすまなかった。」
父は、詫びの言葉とともに頭も下げていた。
青野は、父の話にとまどっていた。
確かに自分は、父が光輝夢村について話す時、何かを隠しているということを感じていた。
でもこの報告は、青野の想像を遥かに超えた話だった。
驚く青野の状況が落ち着くのを待つこともなく、父の話は、そのまま当時の事件へと続いていった。
「さっきその事件の発生時、私はN県に居たと言っただろ。
それはN県の平和公園で大規模な記念式典が開催されるので、私は式典の参加者として招待されていたんだよ。
それにN県警から応援を頼まれて、式典の警備の為に部下も派遣していたんだ。
そんな時にあの殺人事件が発生したんだ。
式典の開催でただでさえ人手不足だった上に、村長夫人が殺される大事件まで起きてしまった。
当然の事ながら、N県警は事件発生後から大混乱になってしまったんだ。
とても他人事とは思えなかった古閑氏の事件。だから私は、本部長が困っていた時に事件解決の為の捜査協力をしたいと自ら申し出たんだよ。」




