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黒曜石の呪縛  作者: 紗 織
本編 3
63/129

<第63話> 知っていたんだね!

「うん、大丈夫だよ。」


 青野は、いつも落ち着いている父らしからぬ慌てた口調に、少し驚きながら答えていた。


「こんな夜遅くにすまないね。」


 そう言いながらも父は、青野が返事をするのとほぼ同じ位の早さで、素早く部屋の中に入って来ていた。



 「父さん、どうしたの?


  なんだかいつもと様子が違うね。


  そんなに慌てた父さんの様子、僕初めて見たよ。」


  青野は、自分の驚きを素直に父にたずねた。



 「『慌てた様子』だって。


  そりゃあそうだろう。


  昴が『光輝夢村(こきぃむむら)に辿り着けた』なんて言うから、驚いたんだよ。



  村の事を何も知らなかったあの出発前の状況で、よく辿り着く事が出来たな。



  『一体どうやって見つけ出したんだ?』と思って、少しでも早く話を聞きたかったんだよ。」


 父も驚きを隠さずに答えた。



 「あれっ?


  父さんは、やっぱり()()()()()んだね。」


  青野が言った。



 「『知っていた?』


  昴、やっぱりって何の話だい?」


  父は、自分が何を聞かれているのかと聞き返してきた。



 「村の名前だよ。


   父さん、覚えているかな?


   僕は、旅行に行く前は、まだ正しい読み方を知らなかったじゃないか。



  だから旅行前に父さんには、間違った読み方しか話していなかったでしょ。


  でもまだ僕から何も教えてもいないのに、父さんはさっき『こきぃむむら』ってちゃんと呼んでいたからさ。」


 青野は答えた。



 「・・・ああ。



  そうだな・・・。



  隠したりして、すまなかった。


  お前から光輝夢村を目指して旅行に行くという計画を聞いた時、賛成するべきかどうかを正直迷っていたんだ。


 だから、ヒントになるような事も、つい何も言えなくなってしまったんだ。



 もしかしたら今日の旅行報告は、『普通にN県を観光旅行して来ただけだったよ。』とお前が言う事を願っていたのかも知れないな。」


 父は、青野の質問に対して静かに答えた。

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