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黒曜石の呪縛  作者: 紗 織
本編 2
45/129

<第45話> 憤慨する青野

「そうですか、それは良かったです。


 春子さんが心配していたから、村長さんが事件の話や曜子さんの体調を教えてくれて、その後は無事に曜子さんに会う事も出来たという事ですよね。」


 青野がホッとしたように言った。


「えっ。



 う~ん、まぁ・・・、そうね・・・。」


 こう答えてから、春子の目は、(ちゅう)を少しの間泳いでいた。




 そして話す事を迷っていた仕草をしていた春子だったが、意を決したようで、再び話し始めた。


「ごめんよ。


 青野さんが今話してくれた話、その・・・順番がね、実はちょっと違うんだよ。




 あのね、やっぱり曜子ちゃんにいつまでも会えなかったから、私は色々と考えてしまって、彼女が心配になってきてしまっていたんだよ。



 『曜子ちゃんに、何かあったんじゃないか。


  きっとそうだよ。


  だから村長さんは私に会わせてくれないんだ。




  でも、一体何が・・・?』


 って不安が段々大きくなってきてしまったんだよ。




 だからあの日ね、私は行動を起こしたんだよ。


 『曜子ちゃん、どうしていつまでもずっとお部屋から出て来ないの?



  ねえ、本当にこの部屋の中にいるの?



  曜子ちゃん、大丈夫なのかい?




  せめて元気な声を聞かせておくれ・・・。返事をしておくれよ。』



 って曜子ちゃんの部屋の前で、扉をノックをしながら彼女を呼んでしまったんだよ。




 それで驚いた顔をした曜子ちゃんが部屋からすぐに出て来てくれてね、私と話していたんだ。



 そうしたら、その二人の会話の声が聞こえたようで、村長さんもそこへやって来てくれて、それでその後、私に事件の話をしてくれたって感じだったんだ。」



 春子は、自分が曜子の身を案じるあまりにした自分の行動を、少し恥ずかしそうに話してくれた。




「春子さんの気持ち、とても良く分かります。


 それで、良かったと思います。


 きっと僕も自分の知っている子がもしもずっと部屋から出て来なかったら、心配になって、同じように声を掛けてしまったと思います。




 そうですよ。


 村長さんが、そんな風になる前に、最初からちゃんと会わせてくれていたら良かったんですよ。」


 青野は、村長に対して憤慨する気持ちも加わり、少し大きな声で答えていた。

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