<第4話> 確 認
「はい、黒川さんが考えた通りです。
僕が刑事になりたいと思ったのは、小さかった頃、自分のあこがれだった父が就いていた職業だったので、自分も同じ道に進んでみたいという思いからでした。
そしてそんな僕の希望に応えるようにアドバイスをしてくれた両親に薦められて、父と同じように国家公務員Ⅰ種の試験を受験して、キャリアを目指しました。
でも黒川さん、違うんです。
最初はそんな風に小さな頃のあこがれで決めてしまった進路でしたが、僕が刑事になりたいと心から思うようになった出来事もちゃんとあったんです。
『酒の肴』って雰囲気の話では無くなってしまいます。
・・・そうですね、とても長くなってしまうし、楽しい話でもないかもしれません。
それでも、黒川さんには聞いてもらいたいです。
話してもいいですか?」
ここまで話してから青野は、一旦黒川の様子を伺った。
「ああ、もちろんだ。
こっちからたずねたのに、その話を聞かなかったらおかしいだろ。
ぜひ聞かせてくれ。」
青野の問いに黒川は、即答した。
「ありがとうございます。
じゃあ、早速始めますね。」
そして青野は、話を始めた。




