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黒曜石の呪縛  作者: 紗 織
本編
30/129

<第30話> 事件の話

「ああ、もうそうしようかと思ってるところだよ。


 だってよ、俺らは思い立った時に行動しないと、すぐに忘れちまって、またあっという間に何ケ月も時間が経っちまうんだよ。


 どうしても漁の期間中は、そっちが最優先になるからそれも当然なんだけれどな。」


 義夫は、島に行くことをもう決定したかのように話していた。



(えっ!義夫さん、もう行くことを決めてしまったのかな?




 どうしよう・・・。

 今から本当に島に行くなら、僕もぜひ一緒に行かせてもらいたい・・・。


 そうだよ!

 なんといっても僕の旅行の本来の目的は『光輝夢島』を探し出して、そこに行く事なんだから。



 でもちょっと待てよ!

 落ち着くんだ昴!


 僕には、まだ事件の話を聞いていて確認しようと思った事があったじゃないか。

 もしも今聞かなかったら、聞くタイミングがなくなってしまうかもしれない・・・。)


 青野は、義夫や達也が直ぐにでも島に向かおうとする中、聞くタイミングを待っていてまだ聞いていなかった事件の話について慌ててたずねることにした。

 


「あのうすみません、義夫さん。


 事件の話でもう少し教えてもらいたい事があるのですが、いいですか?」



「えっ!まだ何か聞きたい事があるのかい?


 事件の話は、もうちゃんとしたじゃないか。



 青野君は、一体何を聞きたいんだい?」


 義夫が少し驚いたように聞き返してきた。




「・・・、すみません。



 事件が起きたと聞いたら、僕にとっては当然気になる事がありまして・・・。


 それは、事件の犯人とか凶器が何であったのかとか、それから犯人の動機とか・・・、そんな事も知りたいと思うんです。


 そうですよね、普通はきっと事件が起きたという話は、義夫さんが説明して下さった内容について知りたがるものなんですよね。


 僕の将来の仕事の(さが)だと思って頂けたら・・・、本当にすみません。



 だからもしご存知でしたら、事件についての話をそのような観点からも教えて頂ければと思ったのですが・・・。」



 僕は、自分のこの行動について心配していた。



 義夫が普通に『もう事件については話しただろ?』と答えたからだ。


 そうだ。だからこそ彼らは、今から船を取りに行く事に話題を自然と変えたのだ。




 だが、僕にはまだ聞きたい事が沢山あった。


 だから僕は、慌てて聞きたい事を一気にたずねてまったが、大丈夫だったのだろうか?

 


 そんな気遣いは全く不要だった。


 義夫は、この青野の質問を嫌がる素振りを見せる事もなく、普通に答え始めてくれた。 



「犯人だって?


 おいおい、犯人は黒部に決まっているだろ。


 一体麗子さんが、他の誰に殺されたと言うんだよ。」


 義夫が当然だろうという顔をしながら答えた。




「それじゃあ、もう一人は?



 教えて下さい。その黒部さんは、誰に殺されたのですか?」


 青野が気になっていた一つ目の質問を義夫に聞いた。




「黒部・・・。



 そりゃあ・・・、あれだ・・・。






 それは、事故だよ・・・。


 しょうがなかったんだよ。」


 義夫が言いにくそうにそう答えると、ここで黙ってしまった。




 そんな義夫のうなだれた様子を見ていたなっちゃんが、義夫に変わって説明をしてくれた。


「あのね、黒部を殺したのは・・・、




 麗子さんなのですって。


 私、思うの。

 麗子さんは自分と娘の身を守る為にきっと必死に戦ったのよ。




 あのね・・・、床の間に飾られていた大きな石が割れていたのですって。


 その砕けた破片が現場にはかなり散乱していたらしいの。


 確かその破片が、麗子さんが黒部を殺した凶器だったらしいわよ。」



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