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黒曜石の呪縛  作者: 紗 織
本編
13/129

<第13話> S市観光の落とし穴


(Sの乱だから明日はS市を観光しよう。)

 この浅はかな思考回路の僕・・・。


 疲れていてもう眠かったからなのか・・・と後に深く反省をすることになる・・・




 まず始めにS市のS城に行った。



 しかし僕の観光の目的地は、ここでは無かった。



 そして次に、隣のM市のH城跡も当然観光しなければいけないと足早に移動して、江戸時代の乱を偲んでいた。



 その後、お腹が空いてきたので、海岸線の昼食が食べられそうな店を探しながら、自分の計画の甘さに後悔の波が次々と押し寄せてきていた。




 『この乱について観光をするのならば、当然指導者であった少年Aの故郷の観光もしなければならない。』


 僕の中のもう一人の自分がそう言っていた。



 しかし少年Aの故郷は、S市ではない。

 そして隣のM市でもない。




 そう、更に隣のK県A諸島東部のK市が彼の生まれ故郷なのである。


 


 海を挟んで隣接している隣の市なのである。


 直線距離で5㎞とは記されていたが、海が間にあるので、簡単に移動することが出来ない。




 少年Aの故郷であるO島に行き、ミュージアムも観光したい。


 この思いと残りの旅行での滞在時間とを考えると、計画を実行する事がかなり慌ただしい予定になって来ていた。




 まず、昼食を食べた後に、フェリーでK県に移動する。


 そこから更に舟でO島に渡るのか・・・。





 ちょっと待て。舟は移動や待ち時間がかかるよな。


 昼食を食べないで、すぐに移動準備を始めるか・・・





 ・・・いや、一旦、落ち着こう。






 腹が減っていては、良い考えも浮かばないというものだ。



 そんな事を考えた時、周囲を見回すると、僕の視界の中に「ゴマ鯖 漬け丼」ののぼりが入って来た。



 海岸線に立っているこの店は、小さな定食屋という雰囲気だった。




 店先には、丸椅子や机も出ていて、その机には日よけのパラソルが付いていた。


 外でも食べられるようになっているその店のお客の大部分は、観光客というよりも地元の方々だった。



 ここは、隠れた名店かもしれない。




 地元客が多い店は、本当に美味しい店。


 僕の自論だが、今までの所、よく当たっている。



 空腹が僕の気持ちを後押ししていたのか。

 それとも、他の何か別の力なのか・・・。


 このお店で昼食を食べる事は、とても大事な旅行先での思い出になりそうな気持がドンドン湧いてきていた。



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