闇との対面
「…またここか」
ダイアからの攻撃を喰らった俺は、
「よぉ、また会ったな」
「なんでこんな短い期間でここに来てんの?」
再び<消失した世界>へと来ていた
前も思ったけど、本当に何もないなここ…さて
「俺を元の世界に帰してくんない?」
「まぁ、そうなるよな。特に用ないもんな。ここには」
「ああ」
「だが、今すぐ戻ったところでお前にできることなんてないぞ。むしろ、邪魔になる可能性の方が高い」
「…何言ってるんだ。ダイアのおかげで操られていた間の記憶も正しく認識できた。だが、その記憶の中にアイクの居場所に関する記憶はない。…まさか、いるというのか、俺たちのすぐ近くに」
「いるな。近くにというか」
「たっく、便利ではあるが万能ではないな、この能力。…さて、どうしようかな」
「なっ、一体どこから」
「ユーシアたちは下がって!」
「しかし、第三フェーズの力まで扱えるとは聞いてねぇな。驚いた。よくそこまで自力でいけたもんだ。クロスはまだ第一フェーズどまりなのによ。ただ、まぁ、相手が悪かったな」
「目の前にな」
「おい!それなら早く戻らないと!じゃないとみんなが!」
「だから言ってんだろ。お前が行ったところでできることはない、ってよ。むしろ邪魔になりかねないって」
「そんなこと分からないだろ!」
「いや、分かるんだよ。俺にはお前のことがよく分かってる。前に言っただろ?俺はお前だって。だから分かるんだよ、未だ能力に気付かぬフリをしてるお前には何もできないってことをな」
「またその話か。<ダイアモンド・ロジック>に俺がまだ気づいてない効果があるんだろ?でも、」
「?そんな事、俺は一言も言ってないぞ」
「…は?ちょっと待てよ」
それじゃあなにか?俺が気付いてない能力ってのは、<ダイアモンド・ロジック>とは完全に別物の
「はぁ〜、仕方ない、ヒントをやろう。いいか、希望とは光なんだ。光とは万物、いかなるものだろうと一切の関係なく消失させる無慈悲の太陽なんだ。なら、闇は?」
「お、おい、ちょっと待て」
「今まで何度か言われた事があっただろ。お前から闇の力を感じるってな」
「待てって!」
「お前がいますぐ戻りたいって言うから俺は人助けのつもりで教えてやってるんだぜ?最低限この力がないとアイクとは現実世界で会話することすらできないからな」
「その言い方じゃあ俺に闇の力があるみたいじゃないか」
「だからそう言ってんだろ?」
「なっ、」
闇の力、だと。そんなものが俺にあるって言うのか?
「世界から希望を奪い、壊し、メチャクチャにする。そんな絶望を束ねる力がお前にはある。世界に満ちた絶望を受け入れるキャパシティがお前にはある。それは、お前がこの世に誕生した時から光と共に持っていたものだ。ただ、それは今まで封印されていた。お前が師匠と呼ぶ人間の力によってな」
「はぁ?」
し、師匠?なんでここで師匠が出てくるんだ
「お前は、今でも師匠の顔を覚えているか?」
「は?何言ってんだ。そんなの当たりま…え、だ」
あ、あれ?おかしい。なんでだ。師匠と共に過ごした記憶は思い出せる。それなのに
「顔は思い出せない。それどころか、声や性別、体型などの記憶もない。そうだろ」
どういうことなんだ。どうして、師匠は俺の能力を
「…さて、そろそろいいだろう。覚悟はできたな」
「覚悟、だと」
「真正面から受け止めろ。拒むなよ。まぁ、拒んだところで無意味だがな。さぁ、闇との対面だ」
そう、もう一人の俺が言った瞬間、<消失した世界>は漆黒の闇に包まれた




