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いずれ最強伝説  作者: piccle
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調査開始 あらたな悩みの種

 エルフの本拠地、すなわち今回のエルフ誘拐事件の捜査本部に俺が着くと


「あー!クロス!やっと来た!」

「遅いよー!クロス!」

「クロスさん、先に行ったんじゃなかったんですか?」


 どういうわけかダイアたちが全員揃った状態でお茶を飲んでくつろいでいた


「あれ、みんななんでもういるの?3時間ぐらい後から来るって、いや、それよりもどうやってここに」

「何言ってんの?<転移門>を使ったら直接こっちまで来れたよ?それで門番さんに事情を話してここまで案内してもらったんだよ」

「え、」


 俺はそれで森のど真ん中に飛ばされたわけなんだが

 ついでに言うと命まで狙われたわけなんだが


「なんと…あの<転移門>を使って。この方々が今回私たちに協力してくださるというクロス殿のお仲間ですか。いやはや、なんと美しい」

「おお、マジで綺麗だな。冒険者ギルドが冒険者を派遣するのが今日までなかったのって美人を集めてたからなのか。確かにこれなら調査も捗る」

「みなさん、よく来てくださいました!私はユーシア。ユーシア・エルフ・ホープ。精霊国家エルフーンの第一王女です」

「!エルフのお姫様!」

「すごい、エルフに会うことすら貴重なのに王女に会えるなんて」

「皆さん、驚くのもいいですけど自己紹介しないと」

「あ!そうだった。はじめまして、私は」


 ユーシアとダイアたちが和やかに自己紹介をしている中、俺はある事が頭に引っかかっていた


「なぁ、今日まで冒険者が来なかったっていうのはどういう事なんだ?えーと、」

「ベニザクラだ。ベニザクラ・エルフ。さっきも言ったろ?」

「そういやそうだったな。ベニザクラ、今日まで冒険者が来なかったってのは」

「そのまんまの意味だぜ。この精霊国家エルフーンに来た冒険者はクロスたちが初めてだ」

「…どうなってるんだ?」

「もしかして、クロスたちよりも前に何人か冒険者が派遣されてたのか?」

「ああ、20組ほどな」

「なに?!20組も!だが、俺たちは」

「見てないんだろ?」

「ああ」


 本当にどうなってる。てっきり俺は全ての冒険者が調査中に殺されたもんだと思ってたが…余計ややこしくなってきた

 そもそも来てないだと?

 そんなことが…!


 そこで俺は、先ほどの出来事を思い出した


「なぁ、ベニザクラ。この都市を覆っている魔法の効果ってどんなのだ?」

「魔法?違うぜコレは。コレは結界だ」

「!これが結界なのか?!」


 結界 精霊の力が篭った精霊石を要石とし、要石を中心とした球状の効果範囲内で特殊な効果を発揮する

 効果は術者が決定する

 これは魔力の消費を必要とせず、破壊されない限り半永久的に機能し続けるという特徴を持つ

 が、



「確か結界は範囲がかなり小さかったはず。それこそ、この大森林を包み込む結界なんて張れるわけが」

「それが張れるんだなぁ。この国には精霊様が普通の土地の数十から数百倍いるんだ。精霊石も特大サイズのものがいくつもあるし、精霊様が結界の維持の手伝いもしてくれる。この国だからこそできるんだ。それにここには原初の大精霊様の力が篭った大精霊石もあるからな」

「大精霊に大精霊石?初めて聞くな」

「そりゃあそうだろ。これはこの国の機密事項なんだからよ」

「おいおい、俺に話してもいいのかよ」

「まぁ、クロスになら誰も怒らねぇだろ」


 おいおい、本当に大丈夫かこの国


「別に誰にでも話すわけじゃないんだぜ?クロスだから話すんだ。クロスほど美しい人間には今まで会ったことがねぇ。クロスだから俺は話してるんだぜ?」

「それは、ありがたいが…それならなんでも聞いていいのか?」

「ああ、いいぞ」

「…」


 まぁ、調査が捗るからいいか。それに気になる面白そうなこともある


「原初の大精霊ってのはどんな存在なんだ?」

「そのまんまだぜ。この世で初めに誕生した光の精霊神様が、自らの力の半分を5分割して生み出した精霊、灼熱の精霊イグニトス、水の精霊ウィンディーネ、鉱石の精霊メタルチェイン、大地の精霊ノームファームランド、そして、この国の大精霊、森林の精霊ドライアァード」

「ほう」


 すごいザックリしてるが、とにかく精霊の中じゃ最上位にいるような存在なのか

 なら、


「そんなにすごい精霊ならなんで大精霊石なんていう石になってるんだ?」

「そんなの俺に分かるわけねぇだろ?俺も237年生きてるが、これ以上詳しい話は聞いたこともねぇ」

「そうか。…お前237歳なのか」

「そうだぜ。本当だったらもうくたばっててもおかしくねぇ歳だ。別に死ぬことは怖くはねんだよ。俺はもう十分すぎるほど生きたし、俺の今日までの人生に満足している。ただ、俺は爺さんみたいに健康志向ってわけでもねぇからよ、なんで他の連中より長生きしてんのかな〜って漠然と考えてた。たぶん、」


「今のこの状況のためなんだろうな」


 そう言ったベニザクラの目は、誰が見ても分かるほど強い決意に満ちた目をしていた


「さっき言ったが、俺はクロスだからなんでも話す。あの嬢ちゃんたちがどれくらいやれるのかは分からないが、クロスのことはさっき戦ってみて分かったし、確信した。クロス、お前は人間どころか、生物が到達できる極限を超越した領域にいる。そして、今回の事件、不甲斐ないばかりだが、俺たちだけだったら証拠すら掴めずにやりたい放題される。そんな気がする」

「…」

「この事件を解決するためだったら、俺は、一切の惜しみなくクロス、お前に協力するぜ。それが、俺の人生最後の仕事だ」

「ベニザクラ…そうか、なら<転移門>まで案内してもらえるか?」

「おう!任せ…は?<転移門>?」

「ああ、俺の考えがあっていればだが、謎の秘密はそこにある」




「なぁクロス、謎の秘密ってなんなのだ?」


<転移門>へと向かう途中、ユーシアがそんな質問をしてくる。

 まぁ、当然っちゃ当然の質問だよな。いきなり、謎の秘密が分かるかもしれないから<転移門>に行ってくるなんて言ったら気になるよな

 その証拠に、ダイアたちだけじゃなくて仕事があるって言ってたビライト(爺さん)までついてきてるし

 まぁ、着くまでまだ距離があるし説明しながら行くか

 ただ、


「説明するのはいいんだが、ちけぇよ。そんなに密着しなくても聞こえるように話すから離れろ」

「べつによいではないか。私とクロスの仲だろ?」

「ああ、今日会ったばかりのな」


 どうなってんだ?ダイアたちと話し終わってからやけにくっついてくるけど

 なにを話したらこうなるんだ?

 まぁ、


「どうしたのだ?私の顔になんかついてるか?」


 エルフなだけあって超美人だから悪い気はしないけど


「クロス?なに鼻の下を伸ばしてるのかな?」

「…は?いや、鼻の下なんか伸ばしてないけ、ど いたたたた 脇腹をつまむな」

「私は伸ばしてると思うんだけど。ねぇ、マリカちゃん」

「私もそう思う。アッシュちゃん、判決は?」

有罪(ギルティ)です!」

「いたたたた ちょ、なんで三人ともつまんでくるんだよ。アッシュ絶対ついででつまんでるだろ!なに?俺が悪いのこれ?」


 俺鼻の下伸ばしてた?


「それはそうと、ユーシアちゃん、さすがにクロスにくっつきすぎだよ」

「よいではないか。別にここの誰ともクロスは交際していないのだろ?さっき言っていたではないか」


 俺の知らないところでなに話してんの?


「なっ!それはそうだけど」

「いや、納得すんな。俺が近いって言ってんの」

「クロス、突然ユーシアがくっつくから困惑してるよ」

「まぁ、確かに困惑してるな」

「だが、満更でもない顔をしてるぞ」

「それは」

「確かに」


 キッ


 なんでかダイアとマリカから睨まれたんだが、俺本当にそんな顔してる?鏡で見てみよう

<鏡面>


 ……いや、いつも通りのカッコいい俺の顔だな。今日も最高だ


「クロスは思ったよりも顔に出るタイプなのだな」

「……」

「さあ、私のことは気にせず早く謎の秘密を話すのだ。さあ」

「クロス?分ってるよね?」


 そう言いながらダイアがずいっと顔を近づけてくる


 なにが正解なの、これ


「お嬢、クロスが困ってるぜ。さすがにいきなりすぎだ」

「む、そう思うかベニザクラ」

「そうですぞ姫さま。いくらクロス殿に嫁ぐつもりであるとはいえ、さすがにいきなりすぎますぞ」

「ふむ、たしかにそうだな」

「……ん?」


 おい、ちょっと待て、今聞き捨てならないことをさらっと言わなかったか


「誰が誰に嫁ぐって」

「ん?私がクロスにだが」

「あ、聞き間違いではないのね」

「ちょっと!クロス!どういうこと!」

「いや!俺にもなにがなんだか、だからダイア、その、剣を俺に向けるのはやめてくれないか。え、白い光…目、こわ。え、これガチのやつ?」

「マリカちゃん」

「うん。地獄のそこより現れ死天使よ。我が眼前の敵を」

「敵扱い!?ていうか魔法の構成が即死魔法と似てるんだけど!」

「まぁ、クロスなら大丈夫だよね」

「そうだね」

「クロスはモテモテだな。私は別に第二、第三婦人でもかまわないぞ」

「かまわないぞじゃねぇよ。その未来の旦那様が今まさに殺されかけてるんだが!」

「未来の、」

「旦那様?」

「あ、」

「クロスは喋るたびに自分を追い込んでいくな」

「誰が原因だと」


<消失する光><地獄の裁き>


「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」




「お前ら攻撃の精密性高すぎ。なんであんなに高火力な一撃必殺の攻撃を俺にだけ当てられるんだよ」


 そう言いながら俺は身体についたすすを手で振り払う


「へー、不死身ってこんな感じなんですね」

「アッシュは直接見るの初めてか」

「はい、ダイアさんたちから聞いてましたけど、本当に」

「とはいえ、よく思い切り攻撃できるよな。俺じゃなきゃ死んでるぞ」


 そう言いながらも


 本当によくこれだけの精度で攻撃をできるな


 ダイアたちの攻撃の、その精密さに感嘆していた

 ダイアの剣による一撃は光を帯びているため触れただけで対象を消し飛ばし、マリカの魔法は触れたものを一瞬で黒灰へと変えてしまう

 それほどの超火力。少し間違えば大事故につながってしまう、そんな一撃を


 ユーシアが抱きついている状態で俺にだけ当ててきた。それに、俺は二人の攻撃を受けて


 ダイアとマリカの力が以前よりも強くなっているという感覚を覚えた。それも急速に

 俺が最後に二人の実力を見たのはアレンと戦ったあの時、あれからどれだけ時間が過ぎたかといえばまだ一ヶ月も経っていない

 それどころか三週間にも満たない

 人はそんな短い期間でここまで成長できるものなのか?人はこれほど短い期間でオーバーロードである俺の身体にダメージを入れられるほど成長できるものなのか?


 特に俺が強くなったと感じたのはダイアの希望の力だ。明らかに放つ光の大きさも、力強さも違った。それこそ、無意識に無意味な魔法での防御を行うぐらいには

 二人が俺の知らないところで修行をしていたという線もあるが、それにしても成長速度が早すぎる

 なにか、ダイアたちの成長に影響を与えている存在がある、そう考えるのが妥当だが、


「?どうしたのクロス、私の顔を見て」

「…いや、なんでもないよ」


 そんな存在、見当もつかない。唯一考えられるとしたらアレンぐらいだが、二人にアレンとの接点があるとは考えられない

 ただ単に才能ってだけか?


「あ!クロス!あれだよ!私たちあそこから来たんだよ!」


 そう言ってダイアが指を指している方向を見ると、そこには周囲の木より一際大きな木があった


 …特に感知には引っかからない。つまりここにも結界の力が働いているってことか


「結界の力ってのはすげぇな」

「私も使えるぞ。教えようか?」

「お、いいのか?」

「当然。クロスは私の夫なのだからな」

「…」


 マジでどうなってんのコレ。しかも、ベニザクラもビライトも止める気はないようだから、本気なのか?

 俺たち、結構危ういバランスで成り立ってるんだが

 これで、今の俺もダイアたちの関係に変な影響が出なけりゃいいんだが


「あ!またクロスがユーシアちゃんにデレデレしてる!」

「してないですよー。ね、クロス」


 まったく


「勘弁してくれよ」



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