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いずれ最強伝説  作者: piccle
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まさかの拒絶

「殺せ!コイツは我々の敵だ!」

「「「おお!」」」


 百人近くいるエルフたち。その誰もが長年の宿敵を見るかのような目つきで弓を構え、杖を構え、まさに戦闘が起ころうとしている

 そして、その集団と対峙しているものが一人


「さすがにこれは予想外だな」


 クロスは目の前の光景に困惑しながらもどうしようか考えるのであった




「おい、俺を早くエルフの国に転送しろ」


 ギルド長の話が終わった後、準備のために一度解散となったが、俺はそもそも準備が必要なものなどない。大抵のものは<無限の空間>の中に収納しているからだ

 だから、家族に置手紙を書いてからすぐギルドへと来ていた


「いつでも転送する準備はできてるが、お前の仲間たちが来るのを待て」

「そんな悠長なことを言ってる場合か?俺一人でも早く行くべきだろ。さっきあいつらに確認をとったが、準備には最低でもあと三時間はかかるぞ」


 3時間、どう考えても長いよな。女の子は支度に時間がかかるとはいうが、それにしても長いだろ。まぁ、俺が男だからあまり気にしてないってのもあるかもしれないけど


「お前の言いたいことは分かるし、そう言ってくれるのは俺としてもうれしい」

「なら」

「だが、そうできない事情があるのだ」

「事情?まさかとは思うが金を気にしてるんじゃないだろうな」

「それもあるが、それよりも大きな問題がある」

「問題だと」

「ああ。今すぐお前を送り出してしまうとだな、お前の仲間たちを送り出せなくなってしまうんだ」

「送り出せない…魔法の発動間隔の縛りか」

「そうだ。固定設置型の<転移門>は膨大な魔力を消費するために縛りを加えている。その一つがクールタイム。一日に一度しか使えない。これ以外にも縛りがあるが、まぁ、それは気にすることではないだろう」

「そうか。俺が今使ったらアイツらが来るのが一日後になるのか」

「そうだ。分ってくれたか」

「あぁ、良く分った。俺を<転移門>まで連れてってくれ」

「本当に分かっているのか?」

「ようは今ある<転移門>を使わなきゃいいんだろ?」

「そうだが、まぁ、なにか考えがあるんだな。いいだろう」

「ああ。任せておけ」


 それから俺は、ギルド長に連れられて、<転移門>がある場所へと来たらしい


「ここ、どこ」


 らしいというのは、ここに来る前に目隠しをつけられた状態で馬車に乗せられたからもうその場についているのかもわからないのだ。まぁ、馬車を降りたからここだとは思うが


「訊くな。<転移門>は場合によっては王国の弱点ともなりうるものだ。王国でも限られた人間にしか教えてはならないことになっている」

「あ、そう」


 まぁ、感知能力でだいたいの位置は分かるからいいんだけど


「よし、もう目隠しを外してもいいぞ」

「やっとかよ」


 そう言いながら目隠しを外すとそこには、人が十人ほど横に並んでも通れるほどの大きな大理石でできた門があった


「これが設置型の<転移門>か?これはなんとも」

「美しいだろ?」

「無駄が多いな」

「そうなのか?」


 門やその周りの魔法陣に過度な装飾が施されている。これじゃあ魔力の流れは当然悪くなるし、そりゃあ魔力消費もデカくなるだろ。この門に装飾したやつはバカなのか?

 だが、


「この門の元を作った人間は誰なんだ?」

「元?」

「ああ。この門、今の人間たちに作れるような代物じゃないだろ。」


 魔法陣に刻まれてる魔法言語、そのどれもが最適なものになっている。そもそもの話しだが、魔法言語なんてのは俺くらい魔法に詳しくなけりゃ解読できない代物だ。

 それをここまで完璧に。俺はそんな人間に王国で会ったことがないぞ

 …そういや前に俺が書いた魔法言語に関する論文ってどうなったんだろ。あれ、どうせ誰もちゃんと中身分からないだろうって、結構適当に書いたんだよな

 まぁ、俺に何も知らせが来ないんだから今もどこか人の目の届かないようなとこに保管されてるんだろうな


「この門だが、これは俺たちが生まれるよりもずっと前からあるそうだぞ。」

「過去の遺物か。これ、もし壊れたら誰が直すんだ?」

「さあな。今までこの<転移門>の魔法言語をまともに解読できた人間なんていないからな。」

「ふーん」


 なんか読めるってバレたらめんどくさそうだから黙ってよ


「それで、お前を<転移門>まで連れてきたが、どうするんだ?」

「ん?ああ、それならもう済んだよ」

「済んだ?」


<転移門>に関してだが、そこには俺が想像していた通りの情報が載っていた

 俺が見たかったのは主に二つ。一つは完全に俺の趣味になるが、設置型かつ転移場所固定の<転移門>に書かれてる魔法言語を見てみたかった

 長年使ってるものだろうし、不具合もないだろうから見てみたかったのだ。結果的におもしろい言語構成も見れたし収穫ありと言える

 もう一つは、座標

 転移場所固定ってことは、魔法陣の中に転移場所の座標が書いてあるはずだと考えた

 それも予想通り、しかも、精霊国家エルフーンだけじゃなく、聖王国ウィンディーネ、帝国ヨルムンガンド、灼熱国家ヘパイストスと言った全ての国の座標が手に入った

 座標が分かってしまえば<転移門>を使わずとも<転移>だけで自由に行って帰ってくることができる

 つまりは、俺の動きの自由度が広がるということだ

 おまけとして、行くかは分からないが、これでいつでも旅行しに行ける


 さて、


「んじゃ行ってくる」

「ああ。…は?おい、行ってくるって」

「えっと、<記録保存><書き換え><転移門>」


 そう俺が唱えた瞬間、魔法陣が強い光を放ち始めた


「なっ!<転移門>を起動するだと!魔石を使わずに?!」

「魔法陣一時的に書き換えたからダイアたちも問題なく使えるはずだぜ」

「書き換えただと?それはどういう」

「じゃ、アイツらに先に行ってるって伝えといてくれ」

「おい、ちょっと待て!説明を!」

「あ、ちゃんと元に戻すのも忘れずに<遅延><上書き>」


 最後に魔法を発動するとほぼ同時に、俺は転移門によって転移させられた 


「ここが精霊国家エルフーンか」


 次に目を開けたときには、目の前に幻想的な自然の景色が広がっていた

 天高くそびえ立つ木々、その一つ一つが家を収納したとしても有り余るほどに太く、枝の隙間を縫って刺してくる光がより幻想的な光景にしている

 ただ、その中でクロスは気になったことがあった。それは


 変だな。俺、<転移門>を使って転移したわけだから出る場所にも門があるはずなんだけどな。なんで俺はこんな自然しかない森のど真ん中に転移してるんだ


 と、いうことだ


 魔法陣を見た時にも門へと転移させられるよう設定されてたんだがな。もしかしたら俺が気づかなかっただけで何か特殊な仕組みでもあったのか。いや、そんなことは後で考えよう

 まずはエルフたちと合流しないと

 ただ、


「どこにいるのか全く見当がつかないんだよな。とりあえず適当に歩いてみるか」


 そう言って、一歩踏み出した瞬間


「おい、キサマ!そこで止まれ!」


 クロスに対して声をかける存在がいた


 …感知能力に反応なし…いや、わずかに反応があるな。あるけど、どこだ?これ。木の中?空気中?良く分らないがいるってことだけ微かに感じられるな。正直声を聞くまで気づかなかったぞ。コイツ、いや、コイツら何者だ


「俺に何かようか?そんな大人数で隠れてないで姿を現してくれないか?」

「キサマのような危険人物の前に姿を現すわけがないだろう?」

「危険人物?それは誤解だ。俺は冒険者ギルドから依頼されてきたクロスというものだ」

「ふっ、そんなお粗末な嘘に私たちが騙されるとでも?」


 嘘ではないんだが


「キサマがここに現れたのがいい証拠だ」

「それはどういう」

「お前が知る必要はない。お前はここで私たちに殺されるのだからな」

「…一つ聞きたいんだが、お前たちはエルフで間違いないんだよな?」

「……」

「俺のことを直視しても何も言わないんだな」

「どういう意味だ?」

「……」


 半年ぐらい前の話になるが、エルフの冒険者には一度会ってるんだよな。その時は俺の身体に精霊たちの怨念が大量にまとわりついているとか言って怒ってたが

 もしかしてこいつらは俺のことを直視してるわけではなく、気配や魔力で俺の位置を補足してるんじゃないか?それとも俺にまとわりついている怨念がなくなったのか

 まぁ、どっちにしろだからなんだって話だが。まずは俺自身がこいつらをちゃんと認識できないと会話をするどころじゃないな


「とりあえずお前らを俺の前に引きずり出すか」

「何を言い出すかと思えば、そんなことできるわけがないだろう」

「場所を補足できないから魔法を発動しても効果範囲に収められない、もしそう考えているのなら、それは甘い考えだぞ」

「なんだと」

「空間領域魔法<偽りの世界>」

「なっ、バカな。この魔力は」


 俺の魔力は、俺の周囲だけでなく森中へ一瞬のうちに広がっていった

 次の瞬間には、


「エルフがこうもたくさん並んでるというのは、なんだろう、上手い表現が思いつかないな」


 木や岩などの障害物が一切ない、ただの草原になっていた


「キサマ、私たちの自然をどこにやった」


 そんな中、先ほどと同じだと思われる人物がクロスの方へと一歩近づいてくる


 へ~、女の子なのにこの中でとびぬけて強いな。この子がこの集団のリーダーか?


「安心しろ。お前らは俺が作り出した空間にいるだけだ」

「なんだと?」

「これでようやく対等に話ができるというももんだ」

「話だと」

「ああ、そうだ。そのためにこの魔法を使ったんだ」

「キサマと話すことなど一つもない!」


 う~ん


「なぜかたくなに俺を拒む。何が原因なんだ」

「よくもまぁぬけぬけとそんなことが言えたものだ」

「?」

「お前自身が一番自覚しているんじゃないのか。それほど精霊様を殺しておいて、我々エルフの味方だとでもいうつもりなのか!」

「……」


 なんかめんどくさいことになってきたな。どうするのが一番早いのか。話を聞いてくれそうな感じもないし


「やはりキサマはここで殺さなくてはならない。エルフ族の戦士として、そして、護りてとして」


 そういうと、エルフの護りては剣を構え、その周りのエルフたちは弓や、杖などの遠距離攻撃できる武器を構えだした


「しかたない」


 一度全員ボコして黙らせるか。話はそれからだ

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