遊ぶことは大事なことです
「私!遊ぶことも大事だと思うの!」
唐突にダイアが叫ぶ
何がもなのだろうか
「遊ぶのは別にいいんだけどさぁ。ギルドに行くのはどうすんの?夜に行く?」
昨日、明日受け取りに行くって言ったからな。一応、約束は守らねば
ちなみに冒険者になったことを両親に伝えたら
”おぉ!ずっと引きこもってたお前がついに仕事を!父さんうれしいよ!”
”魔法大学を飛び級で卒業してから2年。ようやくアンタも働く気になったんだね。母さん応援してるからね。無理せず頑張んな”
と、両親泣いて喜ばれた
本当に優しくていい両親なんだけど、一人息子に対してなんて言いぐさだ!
「それは気にしなくてもいいんじゃない?私、やることがなかったら行くって言ったから」
そういえばそんなことも言ってたな。なら、今日は遊びにいってもいいか。今から遊ぶってなると
「劇でも見にいくか?たしかダイアが見たいって言ってたやつが一時間後ぐらいにやるはずだから、今からいけば間に合うぜ」
「劇を見にいくのはいいんだけど、クロス、お金大丈夫?」
俺は大学を卒業してからずっと両親からのおこづかいだけが収入元だった。そのため、今の俺の懐事情は非常に苦しい
ちなみに、ダイアは両親からたまに仕事を斡旋してもらってちょくちょく仕事をしていたので、そこそこ稼いでいたらしい
いや、ほんとすごいね。尊敬しちゃうよ。
とはいえ
「依頼の報酬があるから大丈夫でしょ。はやく行こうぜ」
「それもそうだね」
ちなみに、ダイアが見たがった劇の内容は
鈍感すぎる幼馴染の青年に恋心を抱く少女が結ばれるまでの恋愛劇だった
いや、ほんとによかった。俺、途中泣きかけたからね
ダイアなんか泣いてたからな。ずっと否定してたけど俺には分かる。俺を見てるときの顔が赤かったしなにより目が潤んでいた。
「いやぁ~、ほんとにいい作品を見ると、こう、満足感?ていうのかな?なんかそれがすごくって行ってよかったって気がするな」
「ほんとにそうだね。やっぱり私の目に狂いはなかった。最高の劇だったよ」
確かにダイアのいうとおり最高の劇だった…んだけど
「たださ~」
「ん?」
「いや、創作ってことは分かってるんだけどさ。あんなに女の子がアピールしてるのに幼馴染の青年がそれに気づかないことなんて普通はありえないよなって思って」
俺がそういうとダイアがその場に立ち止まる
「ん?どうかしたか?」
「いや、なんでもないよ。ふふっ、確かにそうだね。普通はありえないよね?」
そういってダイアが笑う
なんだろう。
このとき俺は、ダイアからなにか圧を感じた気がした
一方、そのころ
「あの子たち来ないねぇ。」
「そうだね、来ないね」
クロスたちが来るだろうと思っていたイメルダたちは、ギルドで待っていたのだった