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いずれ最強伝説  作者: piccle
72/114

狂気の惨状1

 門の前から凄まじかったその施設の異様さは


「ぐっ」


 門を通過した瞬間、爆発的に膨れ上がった

 まるで、門が境界線だったとでも言うかのように、門をくぐり抜けた瞬間、クロスを襲う不快感と吐き気はどっと増した


 気持ち悪い。こんなの生まれて初めてだ


 それこそ、あまりの気持ち悪さにクロスが思わず地面に膝から崩れ落ちてしまったほどに。だが、それでもクロスは立ち上がり歩みを進めた

 初めから進むと決めていたのもあるが、その時なぜか、奥へと進まなければならないというような気持ちになっていたのだ


 奥へと進むごとに増していく不快感、雰囲気の異様さはますます増していき、まるで何者かに見られているような感覚すら覚え始めるも進んだ先でクロスは


「っ!おぇぇぇぇ」


 一般人なら見ただけで発狂するようなものを見てしまった

 施設の中に入る前の大きな広場、そこには


 すり潰した人肉で作り上げられた、半径十メートルはありそうなほど巨大な団子があった


 なぜそれを人肉でできてると思ったのか、それはクロスにも分からない。ただ、直感でそれが人肉だと思った

 そして、


 チョロチョロチョロチョロ


「はぁ、はぁ、はぁ、…なんだ、なんの音だコレ」


 嘔吐してからしばらくして落ち着き始めたクロスは、妙な音に気づいた。

 まるで、何かが流れているかのような、そんな音に気づいたクロスは音のする方を探し


「!………は?」


 その肉団子のおかしな点を発見してしまった

 その何かが流れる音とは、肉団子から染み出し続けていた赤々とした血が作っていたものだった

 だが、それはどう考えたっておかしい

 なぜなら、




 この施設は()()()()()()()()()()()()()()はずなのだ

 それなのにいまだに血が流れ続けているのはどう考えてもおかしい




 これが血に見えるだけで肉が腐敗した汁だと一瞬考えたが、それでも十年以上の月日を過ぎて染み出し続けているのはおかしい。

 よく見ると、肉団子の肉自体も最近採ったばかりの新鮮な肉の如く鮮やかな赤色を見せている


 気持ち悪い!


「こんなもの、消してやる!<業火球>」


 クロスが放った高温の炎の球は肉団子に触れると轟音を立てて肉団子を吹き飛ばし、飛び散った肉片すら残さず燃やし尽くした


 かのように見えた


 ずずっ、ずずっ、ずずっ


「?なんだ、今度はなんの音だ」


 肉団子を消し飛ばした直後に周囲から奇妙な音がしだした、まるで何かを引きずるかのような音に警戒心を高めるクロスだったが

 その音の正体に気づくと


「嘘だろ…」


 思わず絶句した

 なんと、消し飛ばしたはずの肉が再生しながら元あった場所へと集まって行っていたのだ

 しかも、最終的に出来上がった肉団子は元のものより一回りほど大きくなっていたのだ

 しかし、それ以上にクロスが驚いたのは


 こいつ、一切魔力を使ってない


 この肉団子の動きすべてに魔力が使われていないということだった


 あ、ありえない。こんなことはありえない。コイツは魔力を一切使用せず肉体を再生させわざわざこんな形になっていると言うのか?

 つまり、魔力を使わずとも備え持った力で消し飛んだ肉体を再生して、なおかつその肉片一つ一つが意思をもっているとでもいうのか

 そんなの、この世界の法則から外れてる


「<業火球><業火球><業火球><業火球><業火球>」


 ただただ、無我夢中でクロスは魔法をその物質に向かって放ち続けた

 目の前にある悍ましい存在に、目の前にあるこの世の理から外れた存在に、そして、魔法でもどうにもできない存在を認めたくなかったからか

 クロスは魔法を放ち続けた

 当然、肉団子はその度に弾け飛ぶが


「嘘だろ…」


 最終的は元の形に戻っていた


 こんなものが存在していいのか。この施設が再利用でも解体でもなく封鎖されていたのは、誰もコイツをどうにかすることができなかったからなのか

 おそらく、聖職者たちでも


 だが、コイツらは俺に対して何もしてこない、攻撃してくる素振りどころか元の場所から動こうとしない

 放置した方がいいんじゃないか?


 そうクロスが考えたところで





 #/_'xvggdn/_b&&mvhp/&#gvdynrb&/




 その肉団子が発した人間には認識できない叫びによってクロスは気を失った


「うっ、ここは」


 次にクロスが目を覚ました時には


「うわぁぁぁぁ」


 肉体がぐちゃぐちゃになっている、大勢の元人間らしき者たちに囲まれた状態で床に身体をくくりつけられていた


「な、なんだよコレ!なんなんだよ!…っ!魔法が使えない!なんでなんでなんで!」


 錯乱しながら半ば自分でもよく分からないことを叫び、拘束から逃げ出そうと暴れるクロスに

 その化け物たちは近づいてくると


 知りたければ教えてやる。あの日、何があったのか


 そう言い、ぐちゃぐちゃの身体をさらにドロリと溶かした液状となって、目、耳、鼻、口と言った身体中の穴という穴からクロスの身体の中へと侵入し始めた


「んんっっっ!んんっっっ!」


 なんとか逃れようと必死に抵抗しようとするも虚しく、クロスは怪物たちの体内への侵入を許してしまい


「はっ、ここは」


 再び見ている景色がいきなり変わった


 今度はなんだ!身体が自由になっている、どういうことだ、俺に何をしたいんだ


 そう考えながら周囲を見渡し、クロスはある事に気づいた


「鉄格子…ここは牢屋か何かか?」


 どういうわけかクロスは一人で過ごすには快適な程の広さで、しっかりとした寝床付きの牢屋の中に入れられていた


 どういうことだ?意味が分からない。


 他に手がかりを探そうと周囲を探るクロスだったが、


「…なんか変だな」


 妙な違和感を感じていた。この状況で違和感というのもおかしな話だが、それでも確かな違和感を感じた。まるで、身体を動かしているのに自分の身体ではないような、そんな違和感


「!…だれだコイツ」


 しかし、そんな違和感は部屋に備え付けられていた鏡をのぞくことで瞬時に解消された


「まじに別人の身体になってるじゃねぇか」


 なんと、鏡に映っていたのは縁もゆかりもない全くの他人だった


 どういうことだ、俺をわざわざ別の人間の身体に入れてこの牢屋に監禁したのか?なんのために


 そう考え始めたクロスだったが、その直後に起こった出来事でその考えは間違っていたことに気づく






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