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いずれ最強伝説  作者: piccle
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漆黒の未来

「準備はできたかね?」


 光の刺さない薄暗い部屋に、年老いた男の声が通り


「「「はい」」」


 それに答える大勢の若い女性の声。そして、


「はい」


 その中心に立つ私。自分の周囲は、修道服を着た大勢の女性に円形に囲まれており、その誰もが手を組み、祈りを捧げる状態でその場にひざまずいている


 あぁ、何十回と繰り返されたこの確認も、後数回で終わってしまうのか。少し、寂しくなるな


 そう考えながらも私もその場で手を組んでひざまずく


「ふむ、準備が整ったようだな。それでははじめよ。天啓の儀を」


 その言葉を合図に、全員がその場で聖書を第一章から詠唱し始める。すると、


 きた。いつもの感覚だ


 私の身体に周囲から白くて暖かい力が集まってるのを感じとった。そして、その力が詠唱が進行するにつれてどんどんと大きくなっていくことも


「あぁ、何度見ても美しい光景じゃ。この光景がもうみられなくなってしまうとは、嘆かわしいことじゃな。聖女よ。」


 そんな老人の男の独り言は、


 …もう少しで力が足りる。


 集中している聖女には届かない


「神よ。我らを守護し、導いてくださる我らが神よ。どうか、明日に迷える私たちにどうか、その光の先を見せてください<天啓>」


 聖書の詠唱が終わり、聖女が最後の詠唱をし終えると、


 ドサッ


 中心にいた聖女だけが意識を失いその場に倒れた


「皆のもの、いつも通り聖女を部屋へ」

「「「はい、教祖様」」」


 教祖の言葉を合図に、聖女候補たちは一斉に動き出した




 どうなってるの


 聖女は、目の前に広がる異様な光景に思わず動揺していた。

<天啓>が始まってすぐに、聖女は<天啓>がおかしい状態で発動したことに気づいた。

 本来<天啓>は、未来に起こる出来事を断片的に幾つも見せられるというものなのだ。

 だというのに、今自分は、どこか知らない城の中で、姿形の分からない5人に対峙するような状態で立っているのだ。しかも、おかしいのはそこだけじゃなく、私たちから少し離れた場所は完全にぼやけてしまって何も見えないのだ


 これは、未来の自分の記憶なのか?


 一瞬そう考えたが、それは即座に違うことに気づいた。なぜかというと


 あれ、ない。私のはもっと大きいはず。それに私はもっと背が高い


 その身体の特徴が自分のものと異なっていたからだ


 ということは、これは私の身体じゃない?それじゃあこれは、誰の身体?もしかして私は、知らない誰かの記憶を見ているの?なぜ?


 聖女が困惑しながらもこの状況について考えていると、



「来たか、勇者」


 5人のうちの一人が声を発した。すると、その声の主の周りが少しだけハッキリし


「まぁ、受け入れられないとは思ってたよ」


 喋るにつれて、その輪郭、その色、とだんだんと明らかになっていく

 最終的に現れたのは、


 全身黒ずくめで、深くフードを被った人物だった


「アナタが第一席、救うもの・黒の救世主」

「そうだよ」

「それじゃあ他の4人は?」

「強く認識阻害が入ってるはずなのに分かるのか。さすがだな。順に自己紹介を」


 黒の救世主がそう言うと、


「俺が第二席、正す者・粛清者」

「私が第三席、誘う者・夢導師」

「私が第五席、繋ぐ者・女王」

「私が第六席、導く者・教祖」


 5人全員にかかっていた濃いモヤが晴れ、その真の姿があらわになる

 しかし、モヤが晴れたことで、聖女はより困惑した

 なぜなら、その5人の姿が


 人間の形をしていなかったからだ


 黒の救世主と呼ばれているものは、まるで、発狂している人間が数万人重なり合ったような形を、粛清者は胸に大きな穴の空いた修羅が瞳から涙を流している、夢導師は歓喜の表情で涙を流した人間の頭から上半分だけ、女王は鎖で身体ができており、教祖は白い光のみで構成された何かだ


「なんで目隠しなんてしてるの?久しぶりに会うんだから顔をよく見せてよ」

「それは俺?それとも教祖に言ってるのか?」

「どっちも」

「それはですね。この醜く歪みきってしまった世界を見て、これ以上心を痛めないためにしているのです」

「…アナタも、そっち側に行っちゃったの?アリシア」


 教祖のその言葉を聞いて、身体の主が悲しそうな表情をする

 そして、


 アリシア、なんでだろう、初めて聞く名なのに、どうしようもなく真似がざわつく


 聖女もまた、理由の分からない胸のざわめきを覚えていた


「黒の救世主様の言うことは私にとって絶対です。おっしゃるその言葉の全てがこの世で最も正しきことであり真実なのです」

「そっかぁ…辞める気はないんだよね」

「あぁ、俺たちなりの世界平和を作るまでは俺たちは止まらない。俺たちなりの幸福な世界を作るまでは俺たちは止まらない。それがおまえの頼みでもな、ダイア」

「私は止めるよ」

「だろうな。だが、俺たちは逃げも隠れもしない。正面からこの世界に挑む」

「なら私は、深い眠りについてしまった人たちを元に戻すため、アナタたち全員を止めてみせる」


 ブツン


 そこで、聖女の意識は再び途切れた




「う、うーん、ここは」


 聖女が再び目を覚ますと、目の前には、何度も見慣れた自分の寝室の天井があった


 なんだったんだろう、さっきのは。いや、それよりも目を覚ましたらすぐにこの事を報告しなきゃ

 そう考えながら部屋を見渡すと


「…あれ?」


 なぜかいつもいるはずの、教会関係者が誰もいなかった


 めずらしい、こんなこともあるのね

 …せっかくだから教会の外を散歩してみましょう。一人で外に出れるチャンスなんて滅多にないし

 それに、天啓で見た内容をどう伝えればいいのかも分かりませんし


 そう考えながら、教会の外まで()()()()()()()()()()()行くことができた


 …何かしら、みんな慌ただしいわね


 外に出て気づいたことだが、なぜか教会関係者やこの街の冒険者たちが大一門の方へと走って向かっていたのだ


 何かあったのかしら、少し気になるわね。でも、あっちに行ったら私が外出してることがバレちゃうし、我慢しましょ。…そうね、少し行ったところに綺麗で大きな噴水があるわ。まずはそこまで行きましょう




 おい!ありったけの武器を持ってこい!浄化の儀式を施したやつを

 なんだってこんな昼間から結界に引っかかるような大悪魔が攻めてくるんだ!

 知るかよ!いいから準備しろ!




「はぁ〜、やっぱりここは落ち着きますわね」


 噴水のある広場に到着した聖女は、噴水に腰掛けて休憩していた


 さて、まだ誰も私を探しに来ませんね。本当だったら護衛を何人かつけないとダメなんですけど、天啓の儀式から三日間は仕事もはいりませんし、このまま遊んでしまおうかしら


 そう考えていたところで


 ザワッ


 何この感じ、膨大なエネルギーの塊に、凄まじい数の呪いが絡みついている


 何か、異常な存在が近くに歩いてきて


 こっちに来る!


 噴水に腰をかけた。それからしばらく動く様子を見せないのでチラッと横目で見るとそこには


 …何なのこの子、私と同じぐらいの歳に見えるのに、なんであんなに呪われてるの?!


 若く美しい青年が座っていた


 保有してるエネルギー量もおかしいし、この子、本当に人間なの?


 そう思いながら見ていると、


 ビクッ


 今度はなんなの?!


 もうひとつ、その青年よりも膨大なエネルギー持つ存在が近づいてくるのを感知した


 その存在は青年に近づくと明るい雰囲気で話し始め、しばらく話すと、青年が立ち上がり共に歩き出した


 なんなの今の2人は、普通だったら近づかない方がいいんだろうけど、なんでか話しかけなきゃいけない気がする


 そう思って立ち上がり、その二人はマジマジと見た瞬間


 あれ?なんでだろう。あの2人、初めて会う気がしない。あの2人、どこかで…


 そう考えた時、脳裏に先ほど見た天啓の景色が浮かんできて、同時に


 !なんでこのタイミングで?!わたし発動してないのに!


 聖女は意識を失った




 これは!

 気を失った聖女が見たのは


「俺が絶対に助けてみせる!どけー!」

「俺こそが神だ。」

「神の焔なんて知るか!俺がこんなもの掻き消してやる!」


 先ほどの青年が何かと血を流しながら戦う姿と


「目を覚ませクロス!」

「クロスー!正気に戻って!」


 場面が変わって、今度は人間のような姿をした者に対し、赤い鎧と剣を持った人と美しい少女が共闘している姿が写った




粛清騎士対勇者の話ちゃんと書いたけど、どこに入れるか悩んでる

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