水の都ウィンディーネ3
受付嬢から俺たちに告げられたのは
「俺たちに遺跡調査の依頼を受けて欲しい?」
「はい」
意外なことに依頼受領のお願いだった
「なんで?」
これにはいろんな意味が込められている。なぜ他の冒険者たちに頼まないのか、なぜ俺たちなのか、そして、遺跡にはどんな魔物がいるのか、などなど
「それはですね…」
そんなクロスの質問の意図を理解した受付嬢はクロス達に説明した
ふむ、要約すると
「ここの冒険者では討伐できない強力な魔物がいるから俺たちに討伐してきて欲しいと?」
「はい」
「ふむ」
分かっている情報はたったそんだけ?告げられた魔物の特徴も要領をえない。遺跡の手前は問題ないが奥に進もうとすると、いつの間にか眠らされていて、遺跡の外に出されているとか。謎が深まるばかりで攻略の糸口になりすらしないじゃないか
「どうするのクロス?」
「私は別に受けてもいいよ。それに、強い魔物ってのが気になるしね」
そうダイアたちが告げてくるが、
「悪いが俺はNOだ。あまりにもその魔物に対する情報が少なすぎる。そんなとこに行ってダイアたちに万が一があったら嫌だからな。」
「クロスって、自分が最強っていう自信はあるのに意外とそういうとこは慎重だよね」
「当たり前だろ。どれほど俺が強くとも俺が対応できないことなんていくらでも起こりうる。それに危険だという情報しかないのにわざわざ行くのは愚か者のすることだ。そういうのは英雄とか、それこそ勇者を当たってくれ」
「そうですか…」
「そんじゃあ次のとこ行こうぜ」
そう言って歩き出そうとしたクロスを
「そこをちょっと待ってくれねぇか」
別の男の声が呼び止める
今度は誰だ?
そう思いながら振り返り
「アンタは」
その人物を見て驚いた
「よう!久しぶり…いや、最近ぶりだな!嬢ちゃんも元気そうだし」
なんとその男は、宰相宅で共闘した?勇者だったからだ
「あ!…こんにちは」
ダイアもその事に気づくと、慌ててクロスの腕から離れ挨拶をする
「なんだよ、そのままでもよかったのに。それにしてもクロス、英雄色を好むとは言うが、さすがにこの二人は欲張りすぎじゃないのか?」
「?どういうことだ?」
「どういうことって、そりゃあこの二人はクロスのこと」
「ガイアさん!」
「おわっ、なんだ」
ガイアが言おうとした言葉を、ダイアが遮る
「えーと、なんでここにいるんですか?他の皆さんは?」
「他のみんなは置いてきた。事情聴取とかめんどくさかったから」
「それいいのか?」
「いいんだよ。向こうも俺たちが勇者だから強気にでれねぇしな。それで、なんで俺がここにいるのかってのはな」
「俺の地元がここだからだ」
その言葉を聞いて
なんだろう、この街で同じことがまた起こりそうだな
そう感じるクロスだった




