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いずれ最強伝説  作者: piccle
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水の都ウィンディーネ2

「おお〜。やっぱり王都とはまた違った雰囲気だね」

「そうだな」


 俺が提案した意見はすんなりと受け入れられ、まず初めに冒険者ギルドに行くことになった

 俺が冒険者ギルドに行こうと思った理由は、実のところ特にない。今まで王都でしか冒険者活動をしてこなかったから、何か違いがあるのか少し気になったという程度だ

 だが、


「思ったよりもいい雰囲気だな。落ち着いてる」

「見てください。室内なのに噴水がありますよ」

「外は暑いのに中は涼しいね。誰か<冷風>でも使ってるのかな?でもそんな魔力は感じないね」

「多分噴水があるのと、あとギルドを植物の蔦が覆ってるのが関係してるんじゃないかな?」


 王都の冒険者ギルドは木造建築の至ってシンプルな作りとなっていたが、ウィンディーネのギルドはまた少し違った

 豊富な水があることを最大に活かしたオブジェクト、そして緑を取り入れることで自然と人工物の見事な調和を成している。正直、ここも観光場所として見なしてもいいだろう。かなり俺の好みだ


 そんな風に考えていてクロスだけは気づかなかった


 ドヨドヨ ドヨドヨ


 ギルドの中に入った瞬間から、冒険者だけでなく受付嬢までがクロスたちに注目していたことを


「なんでしょう。皆さん私たちのことを見てますね」

「私たちが綺麗すぎて思わず目が離せないんじゃない?」

「クロスも大概だけど、ダイアも相当だよね。よくそんなこと平気で言えるね」

「え、なんで?」


 たしかにダイアの言う通り、中にはクロスたち全員の顔の良さで惹きつけられているものもいた。

 だが、それよりも


 アイツら、ヤバイ


 クロスたちが放っているオーラのようなものの強さから目が離せていないものがほとんどだった

 クロスたちは気付いてないが、ある程度実力のあるものならば気づく。気づかないとしても勘が容易に近づいては行けないと忠告する

 隠そうとしても隠しきれないクロスの異常な程膨大な魔力、近づいた瞬間に切られるんじゃないかと感じるダイアの剣圧、そして、とにかく近づいてはいけないと本能が警告するマリカ

 冒険者たちにはアッシュ以外の全員が普通には見えていなかった


 依頼書の内容もかなり違うな。…なんだこれ、地下遺跡の魔物の駆除。へー、ここって地下遺跡なんてあるんだ。なになに、地下遺跡を観光場所に改装しようとしており安全確保のため魔物の駆除をして欲しい。えー、観光ツアーまだないの?それじゃあ依頼受けないと遺跡見れないんだ…すげぇ見てみたいけど、まぁ、今回は冒険者としてじゃなくて観光できてるわけだし、ツアーが出来てからまた来ればいいか。<飛翔>使えば1時間ぐらいで着くわけだし。お、こっちにもおもしろそうな依頼が


「あの、」


 初めて見るような依頼がたくさんあり、楽しみながらクロスが依頼書を見て回っていると、意を決した表情で受付嬢が話しかけてくる


 なんだ?


「はい?なんですか?」

「アナタは冒険者の方ですか?」


 …どういう意図で質問してるんだ?もしかして、冒険者だと確認できないと依頼書を見せちゃいけない決まりでもあるのか?


「そうですよ。はい、これが冒険者カードです」


 そう言いながら俺は冒険者カードを受付嬢を手渡した

 それを見て受付嬢は


「え!?ダイアモンドですか?!」


 非常に驚いたのか大きな声を出す

 は?なんだ?どういう意味で言ってんだ?…もしかして、俺がダイアモンドに見えないから驚いてんのか

 もしそうなんだとしたら、それは、少し


「それ、どういう意味で言ってます?」


 不快だぞ

 クロスの声にほんの僅かだが怒りが篭る。本当にほんの少しだけ、普通の人だったら気づかないほど小さな怒り。だが、それを毎日のように冒険者の対応をしている受付嬢が気づかないわけがなく


「あ、えっと、その…」


 ガチガチに固まってしまった


 …?なんでこの人は要件を言わないんだ。


 クロスとしては普通に告げただけのつもりだったので、いつまでも要件を言わない受付嬢に違和感しか感じない。むしろ、


 本当になんなんだ?俺は話しかけてきておいていつまでも要件を話さない人間は嫌いなんだ。めんどくさい。それに、時間の無駄だ


 だんだんと怒りがわきはじめていた


「用がないなら」

「どうしたのクロス?」


 クロスの声に本格的に怒りが篭り始めたところで、クロスの様子に気づいたダイアがクロスに声をかける


「別に何でもない」

「あれ?なんか怒ってる…うん、受付嬢さん、クロスに何かよう?」

「あ、えっとですね」


 説明しようにも、クロスを怒らせたことをどう説明するか迷う受付嬢を見て、


「あぁ、そういう事」


 ダイアは即座に状況を理解した


「クロス、ダメだよ女の人を怯えさせちゃ。」

「怯えさせてない」

「クロスって本当に嫌いだよね。時間の無駄が。」

「時間を無駄にするのが嫌いなんじゃない。他人に俺の時間を奪われるのが嫌いなだけだ」

「私たちと旅行するのはいいのに?」

「はぁ〜、あのなぁ」


 ダイアのその言葉にクロスは額を抑えながら応える


「お前たちは他人じゃないだろ」

「!…確かにそうだね。へぇ、クロスのくせにたまにはいい事言うじゃん」

「なんだよくせにって。いつもいい事言ってるだろ?」

「そういうわけだから、受付嬢さん」


 無視だと!?


「何か用があるなら早く言って、私たち旅行中だから」


 そう言いながらダイアが左腕に抱きつく


「お、おい。流石にそれは」

「あー!ダイアだけずるい!」


 恥ずかしい、そう言おうとするもマリカに遮られ、さらに右腕に抱きつかれる


「ああー、何してるんですか皆さん。こんな大勢の人が見てるところで堂々と。マリカさん、ダイアさんのこと言ってましたけどマリカさんも相当ですよ。パーティーメンバーとして恥ずかしいです〜!」


 そんな俺たちを見て、アッシュは恥ずかしそうにギルドを早足で出て行ってしまう


 ああ!待ってくれアッシュ!お前がいないと誰がコイツらを止めるんだ!


「アッシュったら、別に気にすることないのに。ね、クロス」

「あ、いや、」

「いいよね」

「はい」


 クロスは久しぶりに思い出したのだった。ダイアたちには勝てないということを




 ・水の都ウィンディーネ 王都からは南 魔死領域からは南東方面に位置する

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