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いずれ最強伝説  作者: piccle
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王都 粛清完遂 その後

 翌日、朝の時点で、粛清騎士が王都にいたすべての悪人の粛清を完遂したこと、勇者たちが粛清騎士に敗北したこと、そして、宰相が収集していた魔死領域の魔物をすべて粛清騎士が殺したという情報が特殊な魔道具<連絡水晶>を用いてす《・》()()()()に伝えられた

 この魔道具は数分使うだけでも王都中の全ての人間の魔力を使っても足りないほどの魔力を消費するため、本来であればこの魔道具を使うことはありえない。だが、今回はそうせざるをえない理由があった

 それは、宰相が魔死領域の魔物を収集し、あまつさえ他国にばらまこうとしていたからである


 この世界にはすべてで五つの国が存在する。その中でもクロス達が活動している王国は北西に位置する。この五つの国々の関係は完全に良好ということはないが、どの国も争うことしなかった

 いや、できない理由があった


 魔死領域


 それはいつからあるのか分からない。初めからあったのかもしれないし、ある日突然生まれたのかもしれない

 全ての国を線で繋ぎ円とみなした時、その円の中心部分には人類が探索できていない大きな円形の空白が存在する。なぜ探索できていないのか、それはその場所に通常の魔物よりも遥かに強く、生物ではありえない構造をもったものが多く存在するからだ。

 かつて魔死領域を探索した祖先が残した文献には、魔死領域に入ってすぐの場所にいる魔物一匹だけでも軽く街を滅ぼすことができるほどの力を持っていると、

 そして、


 魔死領域の中心に向かうほどその度合いは飛躍的に大きくなる


 そう記載されていた。これを確かめる手段は今の人類には存在しない。何十年か前に魔死領域を探索しようとした勇敢な貴族もいたらしいが、魔死領域に侵入したものが誰一人帰ってこなかったということがあり、それ以降魔死領域に踏み込もうとしたものはいない

 そんな危険な場所が国のすぐ近くにある

 自国を豊かにするために他国を攻め、そのタイミングで万が一にも自国に魔死領域の魔物が侵入してしまったら最悪二つの国が滅んでしまう。そう考えた祖先たちはお互いに平和協定を結び今日まで争いごとなく暮らし、今後も続くはずだった


 だが、それを王国の宰相は破った。しかも、魔死領域の魔物という災厄を人類の生活圏に持ちこむという最もしてはいけないことまで犯して

 このニュースを受けて、すべての国の要人が一度に集結して、このことの確認、そして、宰相のように魔死領域の魔物を利用しようとしている輩がいることについて話し合うことにしたらしい




「粛清騎士のやり方が正しいとは思わないけど、やってることは人類のためになってるんだよなぁ」

「どうしたの?クロス、ブツブツ言って」


 俺の顔を正面からダイアが覗き込んでくる


「何してんのクロス!こっちに来て一緒に泳ごうよ!」


 海からは浮き輪でぷかぷかと浮いているマリカがクロスにそう呼びかける


「そうだよ、せっかく海に来てるんだから泳がないと」


 そう、俺たちは今、海に来ていた。正確には隣の国、聖王国に向かう途中にある街の海だ

 あの一件が終わったあと、俺からの提案でしばらく冒険者活動を休止してみんなで海で遊ぶついでに、聖王国の首都、水の都ウィンディーネも観光しようということになった

 ダイアは 「そういうつもりで言ったんじゃないんだけどな」 とか言ってたが、まぁ、何日かは滞在する予定だから、その中で二人で遊ぶ日を作ろうと思う


 そういえば、考えたことなかったけど、マリカの能力って魔死領域の魔物にも通じるのか?…いや、さすがに無理だろうな。たぶん、強すぎるって理由で


「どうしたの?なんか変だよ。あ、もしかして私たちが依頼で護衛しにいったけど宰相さん殺されちゃって、そのせいでお金もらえなかったことまだ落ち込んでるの?」

「いや、そうじゃな…そうか、あれお金もらえなかったんだ」

「あ、まだ落ち込んでたんだ。今度私がご飯おごったあげるから元気出して」

「宰相さんの死を悲しんであげましょうよ」


 そんな俺とダイアの会話に聞いていたアッシュも混ざってくる


「いや、ぶっちゃけ宰相が死のうがどうでもいいし。むしろ殺そうとしてたし」

「え、殺そうとしてたんですか?なんで」


 俺の言葉を聞いてアッシュが不思議そうな顔をする

 あぁ、そういえばアッシュたちには、粛清騎士を直接見てみたいから護衛依頼を受けたいとしか言ってなかったんだけっか


「もう、そんなどうでもいいこと話してないで一緒に泳ごうよ。ね、クロス」


 いつの間にか海から上がっていたマリカが、クロスの左腕に抱き着く


「!そうだよ!ほら行こ!」


 そう言いながらダイアも、クロスの右腕に抱き着く


 お前ら…


「泳ぐのはいいけど、これじゃ泳ぎづらくないか?」

「変なこと気にしない気にしな~い」

「ほら、行くよ」

「え、俺今変なこと言ったか?おい」


 その日は結局、日が暮れるまで海でダイアたちと遊んだ





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