粛清1
「行くぞ!ハァァァアアア!」
「俺とガイアが前にでる!エリカはユリアを守りながら俺たちのカバーを!ユリアは隙を見て魔法で攻撃と回復、支援を頼む」
「任せて!」「ええ」
積極的に声を出し、連携を取って戦う勇者たち
そして、
「……」
それとは対照的に、一言も発さず戦う粛清騎士
剣と剣がぶつかり合い、激しく火花を散らす戦いをするも、お互いの実力の差は見るからに明らかで少しずつ、少しずつ、ゆくっりと時間をかけて
粛清騎士が勇者たちを追い詰めていた
勇者たちの動きは、洗練された無駄のない動きだが、それを遥かに上回るほどに粛清騎士の動きは凄まじかった。素人目にも粛清騎士の動きは剣術を極めた先にある究極の動きなんだと、そう感じさせられるものがあり、一つ一つの動作が圧倒的な実力の差を勇者たちに突き付けていた
どんな攻撃をしようともすべてかるくいなされ、ガードしようともその上からダメージを通され、弾き飛ばされ、魔法を使用しようと魔力を少しでも動かせばその瞬間には距離を詰められて強制的に防御せざるを得なくなる
そんな、粛清騎士による勇者たちとの一方的な戦いを
「粛清騎士つよ」
「……」
俺様とダイアはなにをするでもなくただ見守っていた。俺様の目的のためにも粛清騎士には勝ってもらわないと困るわけだが、この分だとその心配は必要なさそうだな
ちなみに、俺たち以外に起きていた英雄たちも参戦しようとしていたが戦いの余波で気絶したかのように上手い具合に意識を奪っておいた
その方が粛清騎士にとっても都合がいいと考えてのことだ
さて、あとはダイアだが、どうするか。ダイアはずっと俺様のそばにいるから急に気絶するなんて不自然だし、かといって粛清騎士が勝つまでまってその後一対一で戦わせるのも酷だよな
負けが確定してる勝負に挑むのってそれだけで苦痛だろうし…どうするか
そんな風にクロスが考えていると
「ねぇ、クロス」
唐突にダイアが口を開いた
「なんだ?」
「私が粛清騎士に挑むって言ったら、止める?」
「!」
驚いた。ダイアはやる気なのか…そうだな
「ダイアが挑みたいって言うなら止めない。アイツはダイアを殺さないし、もし殺そうとしても俺が止める」
「…なるほどね。分ったよ。それじゃギルドマスターが言ってたみたいに胸を借りるつもりでいってくるよ」
何かを理解したような顔でそう言うと、ダイアは全身から美しい純白の光を放ちながら
「私も入るよ!」
「!なんだ急に!」
「動きは私が合わせるから!」
粛清騎士と勇者たちの戦いの中に入っていった
…ああ、確かにこの道もあったな。何で俺は考えなかったんだろうな。ダイアが俺様以外の人間と共闘することを
突然のことに勇者パーティーの軽戦士は驚いていたようだが、ダイアが放つ異様な白い光、そして、口にした通り勇者パーティーの動きに完全に合わせているのを理解すると何も言わずそのままダイアと連携を取りながら粛清騎士との戦いを続けた
……
それからどれほど時間が経っただろうか、周囲には剣と剣が激しくぶつかり合う音が鳴り響き、何十回、何百回と、粛清騎士がダイアと剣を交えたところで突然
「…めんどうな」
そう、粛清騎士がボソリとつぶやいた
ダイアが戦闘に加わってからというもの、勇者パーティーが押されてることに変わりはなかったが、時間が経過する毎に、徐々に徐々に勇者パーティーの力が強くなっていき粛清騎士と戦いを始めた時よりも戦えるようになっていた
と言うよりは
「ヤツも怪物だか、その隣にいる者もまた怪物か。どうなってんだこの二人組は?」
ダイアが急激に強くなっていた
離れてみてても分かるほどに、ダイアの動きは磨かれていっていた。粛清騎士と剣を交わらせるたび力は増していき、剣の軌道は鋭く、より正確に
そして、
「おいおい、そんなに光を発せられると眩しくて逆に見えなくなっちまうぜ」
ダイアの放つ純白の光は明らかにその強さを増していた
相変わらずズルいな。ダイアの祝福
俺はダイアが戦っているのを見ながらそんなことを思った
ダイアの祝福の名前は
"希望"
その能力は見て分かる通り、ダイアよりも強い相手と対峙した際、ダイアの能力を無制限に引き上げるというものだ
といってもすぐ強くなるわけではなく、時間経過で徐々に強くなっていく。
だが、強くなる度合いは時間が経つほどより大きくなる。つまり、時間が経てば経つほどより早いスピードで強くなるのだ
これをズルいと呼ばずして何と呼ぶのか
現在進行形で強くなり続けているダイア その刃は次第に
「…」
「いいぞ!やるじゃねぇかネェちゃん!」
粛清騎士へと届きうるものへと昇華し始めていた。
…これ、ワンチャン粛清騎士負けるか?もしそうなったら面倒だぞ…ていうか、ダイアもそのことは気づいているんだよな?…いや、あれは気づいてないな。目の前の粛清騎士、それと能力の効果による自身の無下限の成長に夢中になってる。仕方ない、やつのために隙を作ってやるか
俺は、感知能力で見つけていたものに対してある魔法を発動した
さて、コイツが着くまで粛清騎士は耐えれるのか?
そう考えながらも粛清騎士と勇者たちの戦いの観戦に再び戻る
粛清騎士と勇者たちの戦いは、クロスが危惧していた通りダイアが強くなっていくことでついに
ガギン!
ダイアの剣と交差した粛清騎士の剣が半ばから折れて大きく弾ける
対等になった
かのように思えた
「…もう、無傷で終わらせるのは難しい」
そう粛清騎士がつぶやくと、そこから流れは一気に変わった
自動車の仮免許落ちたのがショックすぎて書けなかった
あと、アクセス数がバグっててウケる




