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いずれ最強伝説  作者: piccle
52/114

ブレードビースト モデル ドラゴン

「ギャァオオオオオ!」


 ドラゴンの咆哮が合図となり、俺たちの戦いは始まった


 ドラゴンが咆哮と同時に動き出し、俺目がけて真っ直ぐに突っ込んでくる中


<思考加速><稲妻化><光学迷彩>浮遊能力解放


 俺は冷静に必要だと考えられる強化魔法を発動しながら宙へと浮かび上がる

 俺が空を飛べることなど考えすらしてなかったのか、勢いをつけすぎていたドラゴンは途中で止まることが出来ず、攻撃は大きく外れて地面に直撃し、大きな砂煙が立ち上がる

 だが、その中でもハッキリと分かるほど


「グゥルルルルル」


 俺に対して真っ直ぐに怒りのこもった視線を送っていた


 砂煙越しで、しかも<光学迷彩>で俺の姿は見えてないはずなんだけどな。魔力感知系の能力を使ってるのか?どちらにせよ、<光学迷彩>はいらないか


 俺は<光学迷彩>を解除する


「お前のスピードは大体分かった。今度は機動力を見せてみろ。」

「グゥギャアオオオ!」


 まるで、舐めるな!、とでも言うかのようにドラゴンは咆哮を上げると、すぐさま身体を浮き上がらせ、俺の正面まで高さを上げる


「…」

「…」


 それから瞬きをする間もないほどの、ほんの一瞬


 …ほう、コイツさっきみたいに無理やり突っ込んでこない。俺の出方を窺っているのか?


 お互いの視線が交差し膠着状態となったのを壊したのは


「おもしろい!」


 クロスだった


「俺から攻撃させたんだ!そう簡単に死んでくれるなよ!」


 そう言いながら俺は、数千もの数の<アイシクルスピア>を発動させる

 しかし、その一本一本が通常の<アイシクルスピア>とは大きく異なっており、サイズは数十倍、内包している魔力で言えば数万倍にもなる

 もし、コレがそこらへんの魔物や冒険者だったら、いや、高位の冒険者であろうともその一本を認識した時点で死を悟り逃げ出していただろう


「グゥルゥアー!」


 だが、ドラゴンは怯えもせず、それどころか俺に向かって威嚇し返してきた


 ふっ、そうだ、それでこそ


「それでこそ俺が戦うにふさわしい!せいぜいよけろよ!」


 同時に射出された<アイシクルスピア>は非常に速い速度で空気どころか空間まで引き裂き、捻じ曲げながらドラゴン目がけて飛翔する

 しかし、それを黙って喰らうドラゴンではなかった

 翼を動かし、身体を捻り、時には口からブレスを放つことで飛来してくる<アイシクルスピア>をよける、よける、よける、よけつづける

 が、それもずっとは続かなかった


 ドガァァァン!


 ついに着弾した<アイシクルスピア>がドラゴンの肉体を抉り、超高密度に圧縮されていた魔力はその衝撃で大きく爆発する

 一発目が着弾するのをかわぎりに次々とドラゴンの身体に<アイシクルスピア>が着弾し、<アイシクルスピア>が全て地面に降り注ぎ終わった後には、


「グルゥルゥルゥルゥ…」


 全身から血を垂れ流すドラゴンが宙に浮いていた。見るからに満身創痍で、もう動くことすらままならないだろう


 生捕りにしたいとは言ったが、俺はコイツを確実に殺すつもりで攻撃した

 それでも、コイツは生きている。全身血だらけでボロボロだけどな


「グルゥルゥルゥルゥ…」


 しかも、まだその目には闘志が消えず、真っ直ぐに俺を見据えている


「なぁ、お前、次の攻撃で確実に死ぬ、いや、殺すぞ」

「グルゥア!」


 それがどうした!、とでも言うかのようにドラゴンが吠える


 なんでだろう。コイツはブレードビーストで獣の(今回はドラゴンだけど)性質を引き継いでいるなら死を恐れて逃げ出すはずなのに、逃げない

 しかも闘志は衰えず、それどころかまだ勝つ方法を探しているようにも見える

 なんでだろう…コイツを殺すことに若干躊躇いを感じる

 この、カッコいいドラゴンを殺す気にはなれない


「お前、俺の仲間になれ」

「グルゥゥ!」


 コイツの言葉は分からないのにハッキリと、断る、と言われたような気がした


「お前ならそういうよな。それじゃあ終わりにしよう」


「いくら望み手を伸ばそうとも、その紅く美しき果実は手に入らない。」


 俺の詠唱が進行するにつれて、頭上に膨大なエネルギーが集約していき


「それならばいっそ地へと()()()()()()()()


 詠唱が終わる頃には、


「<太陽崩落>」


 目が眩むほど巨大で、近くにいるだけで焼けてしまうほどの熱を放つ、まるで太陽のような球が出来上がっていた


「これで終わりだ。じゃあ…」

「あれ?!クロス!まだ終わってなかったの?」


 俺がトドメを刺そうとしたタイミングで、マリカが現れた


「マリカ…今ちょうど」

「その子がクロスが戦ってた相手?ん〜、ボロボロだけど分かる。内包する魔力とその強靭な肉体。是非とも欲しいな。アンタ!私の言ってることが分かるんでしょ?私の物になりなさい!」


 いやいや、さすがのマリカでもコイツは…


「グルゥー!」

「はー!?」


 俺の目の前に立っていたはずのドラゴンは、気づいたらマリカのすぐそばで座っていた

 ア、アイツ

 俺もマリカの側に降り立つ


「あら、思ってたよりもデカいね。これじゃあお家に連れて帰れないや」


 嘘だろ?俺の戦っていたカッコいいドラゴンが、マリカのペットになってしまった

 なんだこの、数年ぶりに戦友に会ったら娘にデレデレなおじさんになっていたかのような、妙な寂しさは


「アンタ、小さくなれる?」

「グルゥ!」


 マリカがそういうと、問題ない、とでも言うかのように短く吠えると

 ドラゴンの全身から眩い光が放たれた


「うわ、眩しいなー」


 なんだ?もしかして形態変化か?ブレードビーストがそんなことできるって聞いた事ないけどな


 しばらくして光が弱まっていき、完全に光がなくなると、そこには


「剣!?」

「おー、剣になれる子は初めてだー」


 一振りの大きな剣が地面に突き刺さっていた




「クロスー。この子、話聞いてみたらブレードビーストじゃないってー」

「へー。…え?マジで?」

「うん」


 いや、ブレードビーストじゃなかったんかい!


「多分だけど、刀剣竜じゃないかな」


 刀剣竜 全身から剣が生えたドラゴン。鋭き剣は敵を切り裂く


「確かにいたな、そんなのも。でも、刀剣竜って形態変化できたっけか?」

「いや、確かできなかったはずだけど、この子が特殊なのかも」

「そうだな」

「クロスー!大丈夫ー!?」

「クロスさーん!あ、見てください!マリカさんもいますよ!」


 ここで、ようやくダイアたちが合流する


「凄い音してたから急いで来たけど、大丈…あれ?そんな剣持ってたっけ?」

「あー、なんかさっき手に入れた」

「へー、装飾とかついてない武骨な剣だね。私の好み。あ、汚れついてる、拭いてあげよ」


 ダイアが剣にうっとりしながら磨いていると


「それじゃああげるよ」

「「え?」」


 マリカがそんなことを言い出す


「いいのか、マリカ?この剣をあげても」

「うん。私がこの剣を使わなきゃ行けないほどピンチになることなんて来ないし、それに、クロスってこういう武骨な剣よりも装飾がたくさんある方が好きでしょ?」

「ああ。宝石とか無駄につけすぎてまともに剣として扱えないぐらいのヤツが好きだな」

「それもう剣じゃないじゃん。まぁ、というわけだから私たちは使わないし、ダイアにあげるよ」

「えー!ありがとー!壊れないよう大事に使うねー」


 壊れないようって、壊れたらコイツどうなるんだ?気になる


「よかったですね。ダイアさん。その剣、見たところ切れ味も凄そうですし、込められた魔力も凄まじいですね!もしかしたらとてつもない能力を持った魔剣かもしれませんよ」


 …今回、マリカはマーローを得て、ダイアは剣を得た。アッシュだけ何も得てないな


「アッシュ、ホイ」


 俺は<鉱石形成>で、アッシュが普段使っているほどのサイズのナイフを作り、そこに俺の持ってる魔力をナイフの許容値を超える限界まで詰め込んだものを投げ渡した


「うわ、なんですか。え!なんですかこのナイフ!」

「プレゼント⭐︎あげる」

「え、いらない」


 why?


 そこから何度か、あげる、遠慮します、という会話を繰り広げたが


「アハハ、ヨカッタネ、アッシュ。クロスがくれるって」

「ソウダヨ。素直な受け取りなよ」

「ひっ!ありがたくいただきます!」


 最終的には受け取ってもらえた。良かった


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