二年ぶりの再会
「まじかよ」
ギルドの掲示板を見た瞬間、俺は戦慄した
「どうしたの?クロス?」
そんな俺の顔をダイアが不思議そうに覗き込んでくる
「これを見てくれ」
俺はそういいながら掲示板の依頼書を引きはがしダイアに渡す
「何これ」
まさか、まだこれが残っていたとは
「えっと…スライムのテイム。えっ、ほんとになにこれ」
俺が一週間前に受けたいと思ったのに、ランクダウンのせいで受けられなかった依頼。それがなんとまだ残っていたのだ
「えっと、クロスはこの依頼を受けたいの?」
「うん」
「これなんか変じゃないですか?」
ダイアから依頼書を渡されたアッシュが、依頼書を読みながらそう言ってくる
「変?なんかおかしなとこでもあったか?」
「この依頼、報酬もいいし、内容もそんなに難しくないです。なのにまだ誰もやってないなんておかしくないですか?」
確かにアッシュの言う通りだ。なんでこの依頼がまだ残ってんだ?
そんな俺たちの疑問は
「アンタ達、その依頼を受けるのかい?その依頼は受けた全員が失敗して帰ってくるから難易度をあげようと思ってたんだけどね」
イメルダによって解消された。より大きな疑問と共に
「全員が失敗?なんで」
「それが分からないんだよ。依頼主が情報を外に出さないように契約魔法を結んでいるらしくてね。おかげで難易度の設定も難しいし、ゴールドまで失敗していたからプラチナ推奨にしようと思っていたんだよ」
へぇ、ゴールドが失敗ねぇ。そんなに難しいのか。それはなんとも
「クロス」
「あぁ、言わなくても分かってる」
「そうだよね、さすがにプラチナ推奨の依頼なんて」
「ワクワクするよな!」
「………そうだね」
「ダ、ダイアさん…」
依頼を受ける手続きをした俺たちは、今回の依頼の現場であり俺とダイアの母校である、王国建立第一魔法大学の魔物研究科へと来ていた
「そんで、誰が依頼主なんだ」
受付で依頼の話をした俺たちは今、魔物研究科の教室の一室で待たされていた
なんでも、依頼主である教授がまだ講義の途中なんだとか
「それにしても懐かしいな。魔物研究科かぁ。ここにもたくさんの思い出があるんだよな。ダイアもそう思わないか?」
「う~ん、私は魔物研究科には来なかったから分からないな」
「あれ?講義で魔物学とかあっただろ?」
「私は卒業に必要な講義をとってただけだから魔物学はやってないかな。クロスは全部の講義をとってたからここに来たことがあるんだと思うよ」
「そういえばそうか」
講義の選択でどれも面白そうだったから全部取ったんだよな。おかげでいろいろ大変だったけどそれはそれで楽しかったな
アイツ元気にしてるかな
この時、俺は大学生時代唯一仲の良かった友人のことを思い出していた
それからしばらくダイアたちと話をしていると
「教授!また冒険者を呼んだんですか!?何度も言ったじゃないですか。あれはそう簡単にテイムできるスライムじゃないって。」
「そんなことは分かっておる。じゃが、うちの科には資金もなければ人もいない。しかたないじゃろう」
「ですが!今日まですべて失敗じゃないですか。もう魔法戦闘科にお願いしましょうよ」
「嫌じゃ!あやつに頼み事をするのはいやじゃ!」
「教授!」
そんな風に言い争う男の声と女の声が聞こえてくる
ただ、
この二人の声、どこかで聞いたような。どこでだ?
ガチャ
俺がそう考えているうちに部屋の扉開いた
「冒険者たちよ、よく来てくれたな。ワシは…っ!貴様は!」
「え?クロス?」
部屋に入ってきた二人は
「マジク教授にマリカじゃないか」
俺がよく見知った二人だった




