クリスと(ゴブリンで)遊ぶ 1
「いけ!クリス!かみつくだ!」
”うん!”
俺の号令に従ったクリスが勢いよくゴブリンに突っ込んでいく
俺からするとたいして速くないのだが、それでもゴブリンにとっては反応できないほどの速度で
ガブッ!
クリスは鋭くとがった牙でゴブリンの首を思いっきり食い破り、ゴブリンは何もできないまま絶命し、地面に崩れ落ちる
「おぉ」
さすがは最強の龍種といったところか。まだ幼生体であってもゴブリン程度じゃ話にならないか
「やるじゃん」
”でしょ!”
俺がほめるとクリスが、もっとほめて!、とでも言いたげな表情で近づいてくるのでガシガシと乱暴に頭をなでる
すると、
"えへへ"
クリスは嬉しそうな顔を浮かべる
あらやだうちのドラゴンったらもう、なんてカワイイのかしら
これには俺が大学生時代毎日怒っていたマジク先生もニッコリだろう
俺は今日、クリスと二人だけでゴブリン討伐の依頼を受けていた
どうして二人だけで依頼を受けているのかというと
「クロス、今日は私アッシュちゃんと遊ぶから」
と言われて今日の冒険者活動を断られてしまったのだ
昨日の装備を選ぶときに服の好みが似通っていたらしく、今日も一緒に服を見て回るんだとか
昨日あんだけ見たのにまだ見ようなんてよく思えるな
俺には理解できない感覚だ
ちなみに、
「クロスも来たかったら来てもいいよ」
「そうですね。男性の意見も聞けますしご一緒にどうです?」
と、言われたが丁重にお断りした
昨日のような拷問を自ら望んで受けるような奴はいないだろう
ダイアが少しだけ残念そうにしてたが、どうせ荷物運びを俺にさせようとしてたんだろう
二人が行ってしまって暇になった俺は、仕方なくクリスと2人で依頼を受けることにした
とはいえ、シルバーが受けれる依頼に面白そうなのは何一つなく、今日は依頼ついでにクリスのできることを調べる日にしようと思う
”これ、食べていい?”
クリスが無邪気な笑顔で聞いてくる
「いいよ」
俺が許可を出すとクリスはガツガツとゴブリンの死体を貪り始める
決してゴブリンの身体が柔らかいというわけではないのだが、肉と骨の区別がないかのように一分もかからずすべてを食べきってしまった
そんな光景に俺は
クリスの身体ってどうなってんだ?
疑問を抱いた
前回のゴブリン討伐の時も思ったんだが、あの小さい身体のどこに今喰ったものが詰まってるんだ。明らかに自分よりも大きなものを喰ってるんだぞ
いろいろとおかしいだろ。質量保存の法則とか、そういう自然の摂理的に
”もっとゴブリンを倒しに行こ!”
そういいながらクリスが頭をぐりぐりと押し付けてくる
あらやだ。なんて可愛いのかしら
「そうだね。倒しに行こうね」
そんなんどうでもいいか。いつか分かるっしょ




