依頼を受けてみた1
「アンタ達、早速依頼を受けてみるかい?」
今思ったけどこの人自己紹介してなくない?名前わかんね
「もう依頼って受けてもいいんですか?イメルダさん」
そんなことなかったは。イメルダさんね。よし覚えた
「もちろんさ。といっても冒険者になったばかりのアンタ達が受けれる依頼なんて限られてるがね。この中から好きなのを選びな」
そういうとイメルダは一枚の紙を差し出す
この紙に受けれる依頼がまとめて書いてあるのか
・薬草採集
期限 一週間
12時間以内に採取された薬草(傷薬用)を冒険者ギルドに提出すること
そんなこともなかったわ。好きに選びなとは?
そんなことを考えていた俺の表情を見て勘違いをしたのか
「魔物の討伐とかそういうのを期待していたかい?悪いけどギルドも未来の英雄を育つ前に死なせるわかにはいかないからね。まずはきちんと下積みを積んでからだよ。」
と言ってくる
べつにそんなことを考えていたわけじゃないんだか。それにしても未来の英雄、素晴らしい響きだ。
「受けます」
「あいよ。そんじゃ頑張んな」
「…なにか気をつけないといけなことってありますか。」
「! まさかそんなことを訊いてくるとはね。ダイア、アンタ絶対伸びるよ。気になったことは訊くか自分で調べる。その気持ちを忘れちゃいけないよ」
「わ、分かりました。ありがとうございます。それで………」
「茎をちぎるんじゃなくてできる限り傷つけずに根っこから引き抜くこと。あとは森に着いたら行くときにかかった時間から帰るのに必要な時間を考えて薬草採集をどれぐらいの時間するか考えること。初心者がよくやるんだよね。はやくランクを上げたくて12時間ギリギリまで採集を続けて結局依頼失敗して薬草もたくさん無駄になることが。まぁ、ダイアがいりゃ大丈夫だと思うけどね」
「ありがとうございます!」
………なんか気づいたらイメルダとダイアが仲よくなってるんだが
「そんじゃ気を付けて行ってきな。クロス、アンタもダイアに迷惑かけないようにしな」
しかも俺には保護者対応
「それじゃ行ってきます!ほら!クロスも行くよ!」
「あ、あぁ………」
結局俺抜きで全部決まってしまったんだが……まぁ、いいか。
俺たちはギルドの出口に向かう
俺たちがギルドからでる直前
「ダイア!もう一つアドバイスだよ!アンタは恥ずかしがらずにもっと積極的にアタックしてみな!アンタが相手にしてるのはそういうやつだよ!」
「………んなぁ!なに言ってるんですか!もう!」
そういうとダイアは真っ赤な顔をしたままギルドを出る
「…さっきのはどういう意味なんだ?」
俺が訊ねると
「今は無理ぃ」
そういって顔をそらされた
無理ってどういうこと!?
しばらくそのまま顔を見せてくれなかった
森に向かう道中
「そういえばなんで一人で先に冒険者登録をしなかったんだ?」
「…………」
「なぁ、なんで」
「もう!言わなくてもそれくらいわかってよ!」
えぇ…
俺の幼馴染は理不尽だと思った