絶対暴君 2 絶対不可侵
「ここまでか」
俺は言葉を発することすらできなくなったゴブリンロードの頭を投げ捨てる
俺が土壇場で発動させた魔法<絶対暴君>は、その名が示すとおり、世界を俺の思うがままに支配する魔法だ
俺はこの魔法の効果で、自身の付近にあるものすべてを対象にして魔力と生命力の両方をすべて奪いつくした
その結果弱い魔物だけじゃなく、普通に暮らす動物、昆虫、緑豊かな自然が半径数百メートルで消滅したが、コイツがあのまま成長してもたらす被害を考えたら少ないほうだろう
「やはり、俺様は天才だった」
俺は自身の身体を流れる魔力を堪能する
すべての命を代価にして得た魔力は俺の想像を大きく超越していた
今の俺の魔力量は人類の数万から数十万倍にまで膨れ上がっている
俺が俺自身を天才というのは単に<絶対暴君>を完成させたからではない
その魔力許容量の大きさからだ
すべての生物には魔力の許容限界が存在する
誰でも魔力を使うことで魔力を増やすことはできるが、魔力の許容限界以上は増やすことができない
それなのに俺は、数分たった今も魔力の許容限界に達することなく魔力がまだ増え続けている
このままいけば神すら超越するだろう
何せ今、
”人間よ。これはどういう状況なのか説明しなさい”
神の使いみたいな連中に囲まれているからだ
俺はそいつらを注意深く観察する
全員が純白の鎧を纏っており、背中からは高エネルギーの塊でできた翼のようなものが生えている
そして、
俺よりも圧倒的に弱い
”アンタら俺様に何のようだ?”
そいつらと同じやり方で話しかけてみる
そうすると全員が驚いたような動きを見せるが、返答はない
”俺様はただ、人類にとって危険な存在を排除しただけだぜ?”
俺は聞かれた内容に答えてみるが、やはり返答はない
というか、
”いつまで俺様のことを見下ろしている。無礼だぞ”
そういうと同時に、そいつらの周りの重力を大きく引き上げて地面にたたきつける
”グッ、人間、貴様!我ら神の使いである天使に手をだすことが”
ここでようやく天使たちのリーダー格から返答があるが
”まだ、自分たちの立場がわかってないようだな”
ドパァァン!
そいつの身体を内側から大きく破裂させる
周囲には天使の血肉が飛び散る
”お前たちは俺が支配する世界に勝手に入ってきてるんだよ”
天使たちの間に先ほどよりも大きな動揺が走る
”身の程をわきまえろ”
俺がそこまで言うと
”私の部下たちをいじめるのはそこまでにしてもらえませんかね”
なんの音もなく、目の前に一人の男が現れた
俺の世界で探知されなかった。コイツは俺と同等か
”アンタは?”
”私は人間でいうところの神です”
”それで?”
”どうか部下を許してやってくれませんか。私たちはただ、あなたが世界を壊す存在か確認したかっただけなのです”
…今の俺でこいつを殺せるかは、五分五分ってところか
”はぁ、分かったよ”
俺はさっき殺したやつをもとに戻す
”次はない”
俺は蘇生したやつを見て言うと、そいつはビクンと大きく身体をはねさせた
”あなたが話の通じる方でよかった”
”俺はただ、相手の態度に応えただけだ。ただし、次はどんな用であろうと俺様の視界に入れば問答無用で殺す”
”分かりました。では、他の神々や天使たちにあなたの前に現れないよう通告をしておきましょう”
”あぁ、そうしてくれ”
その後、いくつか神からの質問に答えたら帰っていった
「さて」
この状況を見たらダイアたちが不審に思うからな。いろいろ誤解を招きそうな感じにしとくか
その一分後、ダイアたちは気絶したまま浮いているクロスを見つけたのだった




