絶対暴君 1 弄ばれる獲物
「フハハハハハハハ!」
男の声がほぼすべての生命が死滅した砂漠のど真ん中で響き渡る
それを聞いてゴブリンロードは困惑する
「確かに殺したはずなのに、そう言いたそうな顔だな」
耳の真横から声が聞こえてくる
慌てて振り向くと、そこにはこん棒で潰したはずの男が無傷で宙に浮かんでいた
「ん?どうした?そんなに不思議か?俺様がこの場に複数存在することが」
ゴブリンロードは再び先ほどこん棒を振り下ろした場所を見る
そこには、今、自分の隣にいる男と全く同じ格好をした男の死体があった
どうなっているんだ
ゴブリンロードは訳が分からない状況に困惑する
「ふむ、やはり俺様は天才すぎる!あの土壇場でこんな魔法を生み出すとはな!」
わけのわからないこと叫びながら男が笑い続ける
「その点では貴様には感謝しているぞ。俺様の覚醒のきっかけになったのは貴様だからな。だが」
ゴブリンロードは考える
今目の前で起きていることを
しかし、まったく分からない
そこでゴブリンロードが出した決断は
「ゴアアアアアアアアアア!」
もう一度目の前の男をつぶすことだった。
「ゴブゥゥ?」
しかし、こん棒を振るおうとするも右腕の感覚がない
「俺様に傷をつけたことも事実」
「ゴブアアアアアアア!」
ゴブリンロードは驚愕する
「まずはその右腕をいただこう」
痛みを感じる間もなく右腕をもぎ取られたことを
「フハハ!いい顔をするじゃないか!」
ゴブリンロードは恐怖する
抵抗することすらできずに、左腕、右足、左足と、次々に四肢をもがれていくことを
最後は首を
「ゴッ、ゴアッ!」
「どうした?首が身体が離れたら死ぬとでも思っていたのか?」
ゴブリンロードは驚愕する
自分の頭は今、この男につかまれている
そして、自分の目線の先には首のない、自分の身体が倒れている
「ハハハハ!この世界を支配しているのは俺様なんだぞ?生も死も俺にとってはただの状態にしかすぎない」
ゴブリンロードは
恐怖する
自分が追っていた相手はここまでおぞましかったのかと
「ダイアたちが来るまであと十分弱か。なら、まだ遊べるなぁ」
そういうと、男はにやりとゆがんだ笑顔を浮かべる
ゴブリンロードは
恐怖する
自分は死ぬことすら許されず命を弄ばれることを




