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いずれ最強伝説  作者: piccle
23/114

正面から

 俺がダイアに渡した球体、あれは縛りを自身に課すことで作ったものだ

 俺が自身に課した縛りは


 ・音声の再生回数を無制限にする代わりに、球体が破壊されない限り保有している魔力の半分を使用不可にする


 というものだ

 これぐらい重い縛りにしなければ無制限で音声を再生できるものなんて作れやしない

 さらに()()()()()()()()()()という縛りを加えることで球体を破壊する指示を少ない魔力ですることができた

 そして、俺がこの縛りの中で、一番重きを置いているのは


 球体が破壊されない限り


 という点だ


 これを加えることで縛られる魔力量が増えたが、それ以上のメリットがこれにはあった

 それは


 高ランクの冒険者たちに俺の状況が伝わったことが俺にも分かるという点だ


 そこから高ランク冒険者たちがあとどれくらいでここまで到着するか、また、それまで残された時間で自分は何をするべきかの指標が立てやすくなる


 ここで俺がやるべきことは


 俺は異常種を見る

 俺がゴブリンたちと戦い続けていた間も喰い続けていたアイツは初めに見た時よりも明らかに大きくなっており、座っているから分かりづらいが、全長で3.5メートルぐらいはあるだろう

 俺が戦っていた時間は一時間にも満たない

 それなのにここまで早く成長してしまうとはな

 それに


 今度はゴブリンたちの死体を見る


 異常種の身体が大きくなるのに比例して食べるペースも早まっており、高ランク冒険者が到着するころには食べ終わってしまうだろう


 今、俺がするべきことはもう決まりきっている

 魔力が回復したからこそできること


 アイツに少しでも多く傷をつけて、成長と食事をできるかぎり妨害する


<どこまでも無慈悲で冷徹な雨>


 俺は残っている魔力の半分を使って広範囲魔法を発動する


 俺を中心として雲が()()に広がっていく

 その異常な光景に俺を襲おうと迫っていたゴブリンたちは思わず足をとめる


「くたばれ。ザコどもが」


 俺がそういうと同時に、上空の雲から大量の氷の槍が放たれる

 それは俺の付近のゴブリンだけでなく、異常種、さらにはこっちに移動している途中だったすべての魔物に対して無差別に降り注いだ



「グゴォォォォオオオオオオオオオオ!」


 異常種が立ち上がり、怒りに満ちた目で俺を見てくる

 今の魔法が少しは効いていたのか身体のあちこちに血が滲んでいる


<どこまでも無慈悲で冷徹な雨>は、周囲のゴブリンすべてを殲滅しただけでなく、異常種が食べていたゴブリンの死体の山までもメチャクチャにしていた


<身体能力強化><灼熱付与>


 おそらく今のでこっちに向かっていたゴブリンたちもやれただろう。なら、ここからは何分持つとか関係ない


 俺は一直線に異常種へと突っ込んでいく

 それを見て異常種がこん棒を振り下ろしてくるが、紙一重で回避する


 ドゴォォン!


 振り下ろされたこん棒は大きな音を立てて地面を陥没させる


 あっぶねぇ!


 まともにくらったら()は免れないだろう


 ドクン!


 当たれば死ぬ!


 ドクン!


 そんな攻撃を何度も紙一重で回避し続け、異常種の腹にダガーを突き立てる

 しかし、


 固い!固すぎて刃がほとんど通ってない。しかも、<灼熱付与>を使ってるのに刃が触れたとこしか焼けてない


 ブゥゥゥン!


 こん棒が頭すれすれを通りすぎる

 そのたびに背筋にゾクっという感覚が走る


 これを何回も繰り返さなけりゃならない

 一度くらえば死ぬ攻撃を避けながら


 ドクン!


 これが!本当の命のやり取り!


 ドクン!


「はぁ、はぁ」


 さっきまで疲労で倒れそうだったのに、俺の身体は過去最高レベルで自分の思い通り動いていた


 こん棒が振られるたびに死を予感するが、攻撃はすべて身体すれすれを通りすぎていく


 これが!生の実感!


 俺の素早い動きに翻弄されている異常種の身体のいろんな箇所に俺は刃を突き立てる


 手首、肩、膝裏、腱、思いつく限りいろんな箇所を突き刺し続ける

 そのほとんどは小さい傷を作ることしかできなかったが何度もやり続ける


 そして、ついに


「グギャァァァアアア!」

「やっぱ生物の最大の弱点は目だよなぁ!」


 異常種の首に後ろから跨った俺はそのまま目にダガーを突き刺した


「グヲォォォォ!」


 それに異常種が抵抗して俺は振り落とされるが


 ドスン!


 ここで初めて、異常種が片手で目を抑えその場に片膝をついた

 それを見た俺は


 これは、いけるんじゃないか?


 そんな考えが浮かびあがった


 今、異常種は無防備に首をさらけ出している

 さっきは威力が足りず弾かれたが残った全魔力を使えば首を落とせるかもしれない


 そう考えた俺は再びに異常種に突っ込んだ




 それが、罠だとは知らずに


「なっ!」


 俺は気づくのが遅かった


 完全に目があった

 異常種は指の隙間から再生した目で俺のことを見ていたのだ


 俺は気づくのが遅かった


 すでに俺の身体はトップスピードの状態でいまさら止まることなんてできなかった



<防御力強化>


 俺はとっさに<身体能力強化>と<灼熱付与>を解除してすべての魔力を<防御力強化>に注ぐが、異常種の攻撃をもろに受けてしまうのだった







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