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いずれ最強伝説  作者: piccle
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反省会

「それじゃあ反省会をしますよ」

「はい…」


 俺は冒険者ギルド内にある医務室のベッドに横たわりながら答える


 目を覚ました俺はすぐそばで俺の看病をしてくれていたらしいアメリアさんに早速師匠になってくれるように頼んだ

 最初は受け入れてくれそうだったのだが、イメルダに何かを言われたあと断られてしまった

 そういうのは指導依頼で通さないと他の冒険者に示しがつかないんだと

 ただ、たまに時間があえば一緒に訓練をしようと言ってくれた

 まぁ、俺はまだアメリアさんに指導をお願いできるような領域にはいないということだ


 そして今、俺が強くなりたいという願いを少しでも叶えるためにアメリアさんが俺と反省会をしてくれることになった

 のだが、あまり気乗りしない


「反省するのは好きじゃない?」

「まぁ、正直いやですね。自分に足りないことを正面から見ることになるので」


 それに加えてまだ身体の回復ができてない

 回復魔法を使い続けるのはしんどいからいやなんだよな


「それでも反省はしなきゃダメだよ。そうやって自分に足りないところを見つけて少しずつ強くなっていくんだから」

「はい」




「最初に確認したいんだけどクロス君って、魔法騎士じゃないの?」

「いや、俺は魔法士ですね


 魔法騎士は魔法と近接戦闘の両方が得意な人がなる戦闘スタイル。俺は近接戦闘はしっかり学んだわけじゃないし、魔法のほうが得意だから魔法士だ


「そうだったんだね!ごめん!私、クロス君が魔法騎士だと思ってクロス君が苦手な近接ばっかりやっちゃった」

「?」

「私は魔法騎士なんだけどね、魔法騎士の課題って目の前の相手に集中して近接戦闘を行いながら適切な魔法を選択することなんだよね」

「??」

「魔法士の課題は仲間の動きに合わせて魔法をいかに正確に放つか、最初の一撃でどれだけ相手の戦力を削れるかなんだ」


 それってつまり


「さっきの訓練は無駄だったってことですか?」

「いや、そうじゃないよ。ただ、クロス君は魔法士だけどあんなに動けたからさ、魔法騎士になったほうがいいんじゃないかと思ってね」

「う~~ん」

「近接戦闘の訓練で分からないことがあれば私がたまに教えるから」


 近接戦闘か。今日アメリアさんと出会えたのも自分が苦手なものを克服して乗り越えろっていう運命からの啓示なのかもしれないな


「まぁ、やってみます」




「それじゃ最初からね。聞きたかったんだけどクロス君って魔法の範囲攻撃はもってないの?初撃を躱したあと放ってれば私の足止めになったでしょ?」

「いや、覚えてるんですけど、魔力が強すぎて訓練場にいた全員を巻き込んじゃうので使えなかったです」

「そうなんだ。魔力が強い人の悩みだね。それであの時使えなかったんだ。それじゃあ単発の魔法は?」

「それはアメリアさんの斬撃を見て、撃ったところで大した時間稼ぎにならないと思ったので魔力を温存することにして<身体能力強化>をできるだけ長く発動できるようにしたんです」

「それで持久戦に持ち込んで私が疲弊するのを待とうとしたんだね」

「はい。まぁ、先に体力の限界が来たのは俺だったんですけどね」

「いや、悪くない判断だったと思うよ。私じゃなかったらそれでいけたかもね。私の攻撃もほとんど見切ってたからね」


「それじゃ、最後のあれはどうやったの?」


 最後、俺が一撃を入れそうだったときか


「あれは<土壁><砂煙><偽りの声><幻影><無音>を同時に使ったんですよ」

「あの一瞬で五つも同時に、いや、六つか。すごいね。わたしじゃそんなのはできないよ。でも、あの時<土壁>じゃなくて<障壁>にしなかったのはなんでなの?そっちなら壁としての耐久力もあるしたぶん私の攻撃も弾けたよね」

「あの時は、一撃を入れることだけを考えてたんで<土壁>にしたんですよ。<障壁>は透明だから<砂煙>を使っても俺の動きを補足される恐れがあったんで。あとは、魔力の残り的に<土壁>のほうが魔力消費が小さいし、一個多く魔法を使えたんでそっちにしたってとこですね」




「まぁ、そこまでしてようやく一撃を入れれるかどうかですけどね」


 そういって俺は笑う


「いや、あれはクロス君が拳を止めてなければ確実に入ってたよ。君はちょっとあまいんだね」


 そういいながらアメリアも笑う


「女性の顔を殴るわけにはいきませんから」


 これに関しては少しぐらい負け惜しみを言ったっていいだろう。まったく、俺の師匠は厄介な呪縛をくれたもんだ


「君だけだよ。私を女扱いしてくれるのは。他のやつらときたら私のことをゴリラ扱いするんだよ?」


 まぁ、あんなパワー見せられたらそりゃゴリラ扱いもするわな


「はは、そいつはみんな見る目がありませんね。アメリアさんはこんなに美人なのに」


 クロスがそういうと、アメリアの顔が少し赤くなる


「! // クロス君は女の人全員に同じことを言ってるの?」

「そんなわけないじゃないですか。俺は思ったことしか口に出しませんよ」


 嘘をついてもすぐばれるのはとっくの昔に理解した。何度かダイアに嘘をついて同じクラスの女の子と遊ぼうとしたとき、全部ばれてなんでか怒られたからな


「そうなんだ//」



「んんっ!それじゃあ最後に、クロス君が途中から<身体能力強化>から切り変えて使った魔法

<偽・英雄化>

 あれをはじめから使ってたら勝ってたんじゃないかな。あれは、魔力を消費した分だけ強くなる魔法なんでしょ?なんでそれをしなかったの?」


 ああ、それは


「正直、それを使わなくても一撃を入れれるだろうって思ってたからですね。アメリアさんの実力を見誤りました。あとは、副作用がでかすぎて使いたくなかったっていうのもありますけどね」


 まぁ、それでも勝っていたかあやしいけどな

 強化したらそれだけ強くなるが身体の限界もよりはやく訪れることになる

 俺は力が同等の状態でも最終的には追い詰められていた

 力だけじゃダメなんだな


「今日はいい経験ができました。アメリアさん本当にありがとうございました」


 明日からまた頑張りますか




 ちなみに、回復魔法でも完全に治りきらなかった俺は全身の痛みを抱えて歩いて帰りました。

 この痛みはケガではなく筋肉痛からくる痛み


 ちゃんと身体を鍛えよう


 そう思った俺でした



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