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いずれ最強伝説  作者: piccle
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物語は、真実へと動き出す

お久しぶりです

どうもすいません

「「「帰ってきた」」」


 3人とも、知覚できていたわけではなかった。クロスの奇跡<世界の支配者(ザ・ワールド)>は完全に二人を除いた世界のすべてを静止させていた

 だが、それでも3人は気づいた。アレンとクロスの纏う雰囲気が変わっていることから、戦いは終結し、二人の答えが出たということに


「アイク、アレン」


 アレンとともにゆったりとした足取りで向かってくるクロスに対して警戒心を高めたアイクとアークは能力を発動しようとするが、


「俺に協力しろ」

「?」

「なんだと」


 クロスの発言に困惑し、そして、能力の発動をやめた


「それはどういう意味だ」

「そのまんまの意味だ。お前たちは世界を救うために活動している。俺はそれを達成するための手段を持っている。だから、俺に協力しろ」

「「……」」


 唐突なクロスからの提案、普通に考えれば信じられない発現、だがそれを


「俺なら、世界を救うことができる」


 クロスの堂々とした姿が、纏っているカリスマが二人に信じてみようという気持ちを駆り立てる


「なぁ、アーク、アンタなら分かるはずだ。いや、教祖って呼んだ方がいいか。当時はそう呼んでいたしな」

「当時、なんの話だ」

「なんのって、俺がこの世に誕生したのはお前のおかげだろ?まだ分からないのか。闇を扱える人間が存在するわけがないだろ」

「……!……は、そんなことが、だって、あれは」

「当時観光で来ていたアレンたちが討伐したはずだろ?じゃあよ、こんな話は知ってるか?実は怪物を討伐した現場には、赤ちゃんがいたんだ。どこから現れたのか分からない赤ちゃん。その時、怪物を討伐した冒険者の男と女はその赤ちゃんを引き取ったらしい。そだてば今頃、15にはなっているよな」

「そんな、では、そういうことなのか?今俺の前にいるお前は」

「おい、どういうことだアーク。ちゃんと僕にも分かるように説明しろ」


 クロスとアークの会話に置いて行かれる形になったアイクはアークに問い詰める


「つまりはだ、俺こそが、<絶望を飲み込むもの(ウロボロス)>が作り出した最強生物、究極生命集合体、キメラ、そして、闇と光の両方に干渉できる神だ」

「だが、あの時誕生したものには神格が備わっておらず知性もなかった。それを」

「能力のほとんどを封印し、赤ちゃんという形に退化することで肉体が魂と完全に適合できるようにし、後天的に神格を手にすることで俺は、お前の追い求めた存在になった。だが、俺の今の状態は不安定だ。調整する必要がある。それに、力もまだ足りない。その手伝いを頼みたい」

「…それが完了すれば、お前はヤツに勝てるのか?」

「あぁ、当然だ」

「おい!僕をおいて話を進めるな!どういうことだ」

「アイク、クロスの言ってることが本当なら、俺たちは、なんの犠牲も出さずに世界を救う事ができるかもしれない」

「!なんだとっ!どういうことだ。ちゃんと説明しろ」

「ねぇ、クロス、私にも説明して欲しいんだけど」


 そう言いながら離れた位置にいたマリカも4人のそばに寄ってくる


「これから俺が話すことは、今考えている世界を救う手段だ。そして、そのメンバーは俺たちだけで行う」


 そうして、俺は4人に方法を伝えた


「…それなら、俺たちが犠牲にしようとしている者たちを救う事ができるし、むしろ、大幅に世界を救うことに近づく」

「やろう」

「私は世界に興味なんてないけど、クロスがやるならついてくよ」

「クロス」

「あぁ、分かってる。俺たちは今から仲間として動く。チーム名は<漆黒の救世主(ブラック・メシア)>だ」




 時間は進み


「ねぇ、アナタ殺る気あるの?」

「…」


 アレンとダイアへと至る


「あるわけがないだろう」

「ふぅ〜ん。足止めってわけ?」


 この2人の剣での攻防について来れるものは、この世には存在しないだろう

 なんの因果か、太陽の名を冠する<世界を照らす希望の光(サン)>と月の名を冠する<月光の吸血姫(ルナ)>は運命の地にて邂逅した

 宙へと描かれる闇と光による二つの線の軌跡

 それはクロス達ですら捉えることのできない領域へと昇華していく


「俺は、今日までずっと苦しんできた。能力にも、体質にも、粛清にも。そして、何かを犠牲にして幸福を作り上げるということにも。だが、それは、今日終わった」

「意味が分からないんだけど」

「安心しろ。俺たちはクロスに危害を加えるつもりはない。アッシュも解放しよう。連れてきたエルフの子どもたちもだ」

「…なにをしようとしてるの」

「…」

「そう、答える気はないか。なら、無理やり答えさせるだけ!」


 そう言って振るわれたダイアの剣は的確に、正確に、最も致命傷となる場所へと向けて容赦なく叩き込まれる

 それは、<終の剣>を連続で発動しているアレンと互角に打ち合えるほどに


「なるほどな、クロスとアイクから聞いていたが、これが完全に覚醒したお前の能力か。ダイヤ」

「へー、分かるんだ」

「分かる。これだけ剣を交えればな。ダイヤ、お前の能力は、全ての対象をゼロにする。俺に対する攻撃が届くまでの時間、大業を撃つために必要な時間、そして、俺の能力が発動したという事実さえもゼロにする。なるほどな、クロスが未来を託すわけだ。やろうと思えば人類に降りかかる最悪の全てすらも無かったことにできるのか」

「そこまで分かっちゃうんだ。でも、そんな私の攻撃をさばき続けるアナタもさすがだね。どうなってるの?前よりも弱くなってるのにそれでも私と互角だなんて腹が立つ」

「たしかに俺は弱くなった。ついさっきまではな」

「?ついさっき?」

「言っただろ。俺の苦しみはもう終わったって。初めて吸収したことで身体が追いついてきてないんだ」

「何のはなし?」

「俺は、クロスの血を吸収した」

「!?…え、は?なんで」


 アレンの唐突な発言にダイアは驚愕するも、その表情は即座に怪訝へと転じた


「細かい説明は省くが、俺は血を吸収しないと弱くなり、吸収すると強くなる体質だとだけ言っておこう」

「…あー、そういうこと。なんていうか、さすがというか、あなたらしい」


 アレンのその短い説明でも、ダイアには十分だった。アレンと話、剣を交えたことで全て理解していた

 だが、そのうえで


「でも、結局勝つのは私だよ」


 ダイアの持つ、自分が最強だという自信は揺るがない


「…何か根拠が、あるんだな」

「あるっていうか、私の持ってる第二のオーバーロードの能力が最強すぎて誰も勝ちようがない」

「…慢心するような性格ではないか。困ったな、まだ俺自身の能力も分かってないのに」

「それが1番意味わかんない。何でそれで私とやりあえるわけ」

「ただ剣術を極めただけだ」


 2人の剣は、無限に加速していく。全ての枷が外れたアレンと、ありとあらゆるものをゼロへと変え1を0、0を無限へと変えるダイアの攻撃は世界へと影響を及ぼし空間すらも破壊する

 そこに


「!コイツ、無限か」


 終わりは来ない

 いつまで経っても終わらない2人の剣の交差、1秒、また1秒と時が進むにつれて、その規模が拡大していく

 が、


「…どうなってる」

「アハハハハ!どうしたの?まさかこんなもので終わりだなんて言わないよね」


 今追い詰められていたのは、確実にアレンの方だった

 2人の戦闘技術にもはや差などない。表面上は完全に力が拮抗しているように見えるし、なんならアレンの方が若干優勢ではある。だが、戦闘技術を極限にまで極めたアレンにはこの時点で分かっていた

 常識を逸脱した力をぶつけ、理不尽を押し付ける

 2人がやっていることはまさしくそれだが、ダイアとアレンにはこの戦いの勝敗を左右する決定的な違いがあった


「なぜ希望が尽きない」

「悪役みたいなセリフ♪」


 アレンには、ダイヤの力の底が見えなかった

 クロスの血が馴染み爆発的な速度で身体能力が戻っていくのを感じるし、クロスの血を吸収した影響で以前よりも空間の認識能力まで上がった

 その結果、アレンはとある事実に到達した


 ダイアの持つ希望のエネルギーが戦い始めた時点から減少することなく、むしろ爆発的に増加し続けていることに

 アレンは微塵も表に出してはいなかったが


 なんだコレは、なにが起きている


 困惑していた


 オーバーロードの能力は使用する際に膨大な希望のエネルギーを消費する

 世界の理にすら触れる能力なのだから当然だ。必然的に戦闘の時間も短くなる。だが、

 ダイア、コイツの持つ希望のエネルギーは減少することなく無制限に増加し続けている

 まるで

 無限にあるかのように


「これが、お前の言っていた第二の能力か」

「そうだよ。といっても、この能力はずっと前から発動してたけどね。私が気づいてなかっただけで」

「…もしかして」


 そこでアレンは、とある事を思い出した


「前に俺がお前と戦った時、時間経過でどんどん強くなっていったが、あれは」

「あなたが考えている通りだよ。あれは、私の能力」

「そうか、だとすると、」


 マズイ、この戦い、俺が負ける。このままだと


「分かったみたいだね。私の第二の能力<無限へと続く道(オーバーロード)>の能力に。そう、私のこの能力は、すべての事柄を無限へと至らせる」

「!そうことか」


 ここで、アレンの持っていた疑問は解消された


「俺の攻撃は確実に命中したはずなのにお前が倒れない理由。そういうことだったのか。俺の剣は命中し無限を与えた。俺の剣での攻撃は全ての能力の干渉を無効化する。回避は不可能だ。だがそれを、お前も能力で無限を押し付けてくることで相殺していたのか。しかも、攻撃が当たる瞬間のズレを完全にゼロにして。そして、今度は時」

「あぁ、そこまで分かっちゃったんだ。そう、私は今、私たちの周りの時間だけを加速させている。この二つの能力の使い道に気づいたのはついさっきだからまだ調整が必要だけど、あなたなは問題ないよね」

「ぐっ! これは」


 マズイ すまないクロス、俺は


 ダイアの能力によって2人の戦いは強制的に加速されていく。最後に残ったのは


「はぁ、意味分かんない。無限の希望エネルギーを叩きつけたのになんで身体に外傷がないわけ?」


 無傷の状態のダイアだった


「さてと、クロス、今から行くから待っててね」


そういうとダイアは、剣で大聖堂の扉を木っ端微塵に破壊し、大聖堂の中へと入っていった



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