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第6話 ブルックスのお城

6. ブルックスのお城



 「おい、じょうちゃん」


 ちょうどヨシノが城の入り口で入れないと分かってへたり込んでいたところを、声をかけてくる人がいた。


 その人を見ると、背の高い人で、ライオンのような髪とひげを伸ばしている人だった。


「おじょうちゃん、その剣どうしたんだ?」


「ああ、これですか、さっき林の中で犬人間に襲われて、ユキミが倒してくれたんです。そので、そこに落ちていた武器を何かに使えないかなと思って拾ってきたんです。あと弓と矢筒も拾いました」


「ユキミっていうのは、このダイアウルフのことか?」


「ダイアウルフ? この子はユキミです」


「ああごめん、言い方が悪かった。これはダイアウルフという獣なんだ。なかなか人にも懐かないんだが、これはおじょうちゃんが飼ってるのか?」


「いえ、さっき知り合ったばかりです。でも、なんかついて来てくれて、怖い犬人間が出て来たらやっつけてくれたんです」


「犬人間というのは、コボルトのことだな。このダイアウルフがやっつけてくれたのか? すごいなぁ」


「ユキミって名前にしたの」


「そうか、ところでおじょちゃんはどこから来たんだ?」


「あのぉ・・・ここは異世界なんですか?」


「異世界? なんだそれ?」


「私のいたところには、ゴブリンとかコボルトというのはいない世界なんです。洞窟祭りにおばあちゃんに連れて来てもらって、それではぐれちゃって・・・そしたら、この世界に来ていたんです」


「前にもどこかでそんな話を聞いたことがあるなぁ・・・ それで、おじょうちゃんはこれからどうするんだ?」


「分からないです。家に帰る方法を探したいです。でも、その前にお風呂に入りたいし、でも、お城には通行書がないと入れないって・・・」


「そういうことか、じゃあ俺と一緒にまずはこの城に入るか? そこで食事でもしながら少し話を聞かせてくれないか?」


「分かった。ありがとうおじさん」


「おじさんじゃない・・・俺はまだ独身だかな。俺の名前はブレードって言うんだ」


「ブレードさんね。わたしはヨシノです」


「ヨシノね。分かったよろしくな」


「あのぉ・・・このユキミも一緒でもいいですか?」


「ああ、一緒について来てくれ!」


 ブレードと名乗った男はヨシノとユキミをつれて、城の中に入って行った。


 途中でさっきの番兵がとがめようとする


「ああ、この子は俺の客だ。問題ない」


「分かりました」


 衛兵はそういうとブレードとヨシノをそのまま城の中に入るのをゆるしてくれた



「このお城はなぁブルックスっていうんだ。少し前に戦争があって、街の人はまだみんな戻って来てないんだけどな、ついこの間、半分くらいの人が戻って来たばかりでな。だから少しごたごたしてるんだ」


「戦争で負けちゃったの?」


「ああ、負けちゃったんだけどな、でもその後で強い竜に乗った人たちが来て、この町を取り返したんだ」


「へぇ・・・すごーい。この世界には竜がいるんだ!」


「ヨシノは竜を見たことはあるか?」


「本物の?」


「ああ、本物のだ」


「見たこと無い。私たちの世界には竜はいないの」


「そうか、そういうところから来たんだな」


 そんな話をしながら、ブレードはヨシノとユキミを連れて食堂に入って行った。




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