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第4話 もふもふ犬、ユキミ


4. もふもふ犬、ユキミ



「そういえばユキミはどうして、この穴の中にいたの?ここに住んでるの?」


 質問しても、返事が返って来るわけでもない。


 しかし、しきりに手をペロペロとなめてくる


「お腹がすいてるの? それとも、喉が渇いてるの?」


 ヨシノはもう一度水筒のお茶を自分の手に汲んで飲ませると、ペロペロとなめる。いつまでもなめているので、ユキミはかなり喉が渇いていたんだと思った。


 お茶を飲ませながら、ヨシノはいつまでもそのもふもふの毛を撫でた。


「ユキミの毛ってもふもふだね」


 ユキミもいやではないようで、気持ちよさそうにしている。



 でも、いつまでもここにいるわけにもいかない。


「ユキミ、この近くに人が住んでいるところ知らない? そんなこと言ったって分からないか・・・」


 何となく、ゴブリンたちが進んで行った方向には足を進めたくないのだが、道があるとしたらそちらの方向だという気がする。


「ねえ、ユキミわたしについて来てくれない?」



 ダメもとでそう話しかけてみた。


 すると、ユキミはのっそりと立ち上がり、穴からはい出した。


「あなた、言葉が分かるの?」


 ヨシノは、穴から出て、もう一度ユキミの頭に手を置いた。


「あなたの名前はユキミ。これからずーっと一緒にいられますように!」


 祈るような気持ちでヨシノが願うと、不思議なことにまばゆいばかりの光がヨシノとユキミを包み込んだ。


「うわぉ きれーい」


 そう言うと、すぐにその光は消えてなくなってしまった。


「えっ? もうおしまい? 今の光なんだったの?」


 すると、ユキミがヨシノに向かって吠えた。


「ウォン ウォン」


「何だか、ありがとうって言ってみるみたいに聞こえる」


 すると、ユキミが先頭になって歩き出し、ヨシノの方を振り向いて、何かを目で語り掛けてくる


「着いて来いって言ってるの?」


 ヨシノはユキミに連れられて、一緒に歩きだした。



 この森は、けっこう大きな森のようで、一時間くらいあるいても、景色が全然変わらない。ずっと同じところを歩いているような気がする。



 すると、突然ユキミは低い声でうなりだした。


「ううううううううううう」


「どうしたの、ユキミ?」


 ユキミのうなる方向から3人の犬の頭をした人が見えた。


「何あれ? 犬人間?」


「ガルルルルルルル」


 ヨシノが名付けた犬人間は、それぞれの手に武器を持っている。一人は槍で、残りの一人は剣、もう一人は弓だ。


 弓を持っている犬人間が、こちらに向かって弓で狙いをつけている。


 まだ距離は10メートルくらいある。


 


 ユキミはとても強く威嚇しているかと思ったら、その三人の犬人間に向かって飛びかかっていった。


 犬人間の持っていた弓がユキミに向かって放たれた


「ユキミ、危ない!」


 ユキミは素早く矢を避けて、その犬人間の喉に噛みついた。


 すると、そのまままるで手品のように、その犬人間は消滅した。


 そのままユキミはすかさず剣と槍を持っている犬人間にも飛びかかって、それぞれの犬人間はそのまま消えてなくなった。


「ユキミやっつけくれたの! でも、何だか、不思議 いなくなったよ・・・」


 ユキミがその辺りをいつまでもクンクン嗅ぎまわっているので、ヨシノは近づいた。


「ユキミ、守ってくれたのね。ありがとう。」


 そう言って、頭をもふもふすると、嬉しそうにしている。


「あれ? 何? 綺麗な石みたいな結晶があるけど」


 見ると、その場に綺麗な石が3つ落ちていた。


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