第2話 綺麗な宝石と金貨ゲット!
2. 綺麗な宝石と金貨ゲット!
少し落ち着こう。
このまま外に出るよりも、ひょっとしたら、もう一回洞窟に入ったら戻れるかもしれない。
ちょっと、スライムが出てきたら怖いけど、帰りたい。絶対帰りたい。
少し落ち着いたら、そんな気持ちが出てきていた。
洞窟に戻るのは怖いけど、帰るなら洞窟に戻らないといけないし・・・
もう一度、洞窟に入るか、それとも、どこか安全なところを探すかどっちかしかない。
しばらく考えたけど、やっぱり帰れるなら帰れりたい。その気持ちの方が強かった。
「よし、懐中電灯をつけてもう一度洞窟に入ってみよう」
自分にそう言い聞かせると、一度、持っている水筒の麦茶を飲むことにした。
お茶は一日経ってしまって、お母さんなら「一日たったお茶は捨てなさい!」って怒るけど、そんなことは気にしていられない。
「よし、行く!」
自分に言い聞かせて、もう一度、洞窟に足を踏み入れることにした。
「ここは洞窟祭り、洞窟祭り・・・」
何度も、何度も自分に言い聞かせながら、早足で洞窟の中を進んでいった。
ひたすら自分が来たように暗闇の中をまっすぐ進んだ。
しばらくまっすぐ進むと、突き当たりになったけど、道は左に折れているので、そのまま左に曲がって歩くことにした。何となく、そっちの方から来た気がしたからだった。
少し時間が経つと、慣れてきたのか、怖さは少なくなってた。
走るのも疲れたので、歩くことにした。
「はぁ はぁ ちょっと疲れたなぁ」
もう結構長い時間歩いてる気がするけど、実際には10分くらいないのか?
すると、目の前に またスライムが出てきた。
「どうしよう、後ろに逃げたらせっかく進んできたのに戻っちゃう」
少し悩んだ。
「!? あっそうだ!!」
いいこと思いついた。わたしは自分のリュックサックを下ろして、昨日お祭りで貰ったお菓子の袋を取り出した。
「あまりわたしが好きじゃないお菓子にしよっと」
あまり好きじゃない一つのお菓子の袋を開けて、中からお菓子を取り出した。
取り出したのは『せんべい』
「甘い方が好きだから、これにしよ」
恐る恐るスライムに近づくと壁際にコブクロから出したせんべいを投げた。
スライムはそのお菓子の臭いに興味を示したのか、そちらに向かって進んでいった。
「やったー!狙った通り」
スライムがせんべいを食べているうちに、スライムの後ろそおっと通って、一気に走り抜けた。
そして、そのまま奥へ奥へと進んでいった。
作戦が案外うまくいった。
さらに進んでいくと、少し広い場所に出た。
その大きな空間を懐中電灯で照らすと上の方まで照らしてみるとかなり大きな空間だっていうことがわかる。
「うわ〜すごい! でっかい部屋」
しばらくあたりを懐中電灯で照らしていると、床に何かが落ちている。
「何だろうこれ?」
手に取ってみると、手のひらサイズの皮袋だった。
「ちょっと開けてみようかな」
皮袋の口の部分をヒモでぐるぐる巻きにして縛ってあったのを解いて中身を手に取り出してみた。
すると、綺麗な緑色の角ばった石が3個、それに金貨が3枚入っていた
「うわ〜きれ〜い 宝石みたーい。やったー! それにお金かなぁ金色してる 見たことないお金だ。外国のお金かなぁ?」
その金貨を手に取って眺めてみると何からゼロがいっぱいついている。
「一、十、百、千、万、十万」
「うわーこれ10万円って書いてある!?」
何だか急にお金持ちになったような気持ちになって、このお金で何がかえるだろうかと考えると楽しい気持ちになった。
「やったぁ! 綺麗な宝石と金貨ゲット!!」
その金貨と三つの緑色の宝石のような石にうっとりしてわたしはしばらく眺めていた。
・・・・・・
しばらくすると、奥の方から何か、沢山の聞いたことのない声とガチャガチャした音が聞こえてきた。
「なに、なに、なに? なんか変な音が聞こえるんだけど・・・・」
急にまたわたしの心臓がドキドキし始めた・・・
「どうしよう・・・何か来る・・・・」
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