ギルドの緊急クエスト
第28話
「登録したいんだが……」
受付中の職員に訪ねてみたが忙しいのか全く相手にされなかった。
「すいません、登録したいんだが‼️」
少し語尾を強めにいってこちらに気付いてもらうよう促した
「あ、はい…少々お待ちを…」
そういいながら職員は忙しそうに対応していた。
すると、しばらくして綺麗な女性が2階から降りてきた…
「あなたが登録者?悪いわね、今立て込んでて…私がやってあげるわ…名前は?」
「大河内トオヤ」
「そう…」
そういって何やら水晶球に手をかざした…
「この水晶球に手を置いて」
言われるまま水晶に手を置くと水晶が眩い光を放ち始めた…
「これは…」
「どうかしたか?」
「い、いいえ…大丈夫…こちらのことだから…はい、これで登録はオッケーよ‼️」
そういってカードを渡す…渡されたカードは名前とEランクと書かれていた。
「それがギルドカード……身分証としても使えるし、お金を預けることもできる…後、本人しか使えないようになってるから偽造も出来ない…それと、2ヶ月依頼を受けないと自動的に抹消される、失くした場合は再発行できるけど発行代金がかかるから…失くさないでね」
「なるほど…便利だな…」
早速依頼を受けてみるかな…依頼表を見てみるとランク分けでいろいろあった…。
「ああ、それと…依頼はランク一つ上までしか受けられないから…そのつもりでね…パーティーを組む場合はそのパーティーの平均で決まるから…これも冒険者を守るための設置だから許してね」
「なるほど、実力以上の依頼を受けて身を滅ぼすのを防ぐためか…良くできてる…」
「そ、でも完璧じゃないわ…それでも命を落とす冒険者も少なからずいる…そういう世界よ、冒険者ってのは‼️」
遠くを見つめながら語っている…昔に何かあったんだろうな…多分……。
「それと、今は非常事態だから依頼は受けられないよ…依頼報告は受け付けるけどね」
「なに…、じゃあ依頼は今は無理ってことか…」
「そ、この案件が解決されるまではね…」
「で、どうする?緊急クエスト受けるの?」
「受けるもなにも、俺は今登録したばかりのEランクなんだぜ…受けれないだろ…」
「私の一存で受けさせてあげてもいいわよ…」
「一職員の分際でそんなこと出来るのか?」
なんで俺に受けさせたいみたいなことを言ってくるんだ?さっき登録したばかりなのに?
「出来るわよ‼️私がこのギルドのトップだから…」
「!!、ギルドのトップ…」
「そ、ここのギルドマスター、名前はエミリア=ロマーニャよ」
ビックリした…手続きしてくれたのがまさかのギルドマスターだとは……しかし、それにしては若いな…ま、スタイルは凄いが…
「では、お願いしようかな…どのみち依頼は受けられないしな…」
「ありがとう…今は一人でも多い方がいいから…」
そういってまた2階に帰っていった。