立ち上る暗雲2
第23話
「君がこの世界に来た稀人か…」
王様だけあって、その雰囲気は凄かった。
「ああ、悪い…今切るよ」
そういうと王様から発していた雰囲気はなりを潜めた
「ふむ、こうして見ると…あんがい普通の人だな」
なんか値踏みされてるようで嫌なんだが…
俺が少し不機嫌になると、気付いたのか王様が話かけてきた
「悪いな…性分で相手をよく視てしまうのだ…」
「あ、はい…気にしませんのでどうぞ…」
「そういえば自己紹介がまだだったな…余はグライム ウル ストラハウデン…このストラハウデン国の王様だ!」
そんなに威張ることじゃないのに…名前はともかく、王様だってのは知ってるし…
「初めまして、王様…私が先程言われました稀人…大河内トオヤです…」
「ふむ、名前の響きは東方の島国みたいな名前だな」
「はあ…」
俺みたいな名前か…そういえば、俺をここに連れてきたやつも俺と同じ響きの名前だったな…確か名前は……そう、八代…八代疾風だったな…確か。
「君に来てもらったのは、他でもない…君のいた星の話を直接聞きたかったからなんだ…」
「話ですか?別にいいですけど…何が聞きたいのですか?」
「うむ、実はな、君のいう闇というか、敵というのか…もう少し詳しく知りたいんだ…他にも文明はどうだったとかな…」
「はあ…」
俺はまず敵について話し始めた…