立ち上る暗雲1
第22話
「失礼します、トオヤ殿を連れてきました」
「入ってくれ」
言われて入って見るとそこには見知らぬ人が立っていた。
「ああ、すまない…こちらの方は宰相で名前は」
「私の名前はポーランドと申します…以後お見知りおきを」
ポーランドと名乗った男性は獣人だった…狐みたいな耳にふわふわした尻尾…なんだか無性にあの尻尾が愛でたくなった。
「何やら奇怪な視線を感じるのですが…」
「あ、すいません…ちょっと尻尾が触って見たくなったもので…」
「ふ、ハハハ…宰相…よかったな、気に入れられて」
笑いながら司令官はポーランドさんの方を叩いていた。
「やめてくださいよ…もう…」
ポーランドと呼ばれた宰相さんは困惑していた。
「で、用事ってのは…」
俺が聞き返すと
「用事ってほどでもねえけど、あってもらいたい人がいるんだ」
「あってもらいたい人?……その人とこの国の宰相さんとは関係があるっていうことか…」
「察しがよくていい、そう…これから会う人っていうのがこの国の王様!」
なんか聞き違いか?この国の王様が俺に逢いたいって言ってた気がするが…
「王様があなたにあって話たいそうです…しかも極秘に!」
あ、やっぱり聞き違いじゃ無かったよ‼️俺に逢いたいって?俺何かしたか?この国で…。
「よろしいでしょうか?」
「あ…ああ、いいけど…」
「いきなりでビックリするでしょうが…これは公式の場ではありませんので気にしないで下さい…」
気にするなって無理な話だろう…王様に逢うってのに…しかも作法すら知らねえし…。
「わかった…いくよ…いつ行けばいい?」
「助かります、裏に馬車が止めてあるのでそれで一緒に行ってください」
「裏だな…行こうか…」
「はい、ではこちらに…」
緊張するな…王様か…どんな人だろう…聞いた話だと差別撤廃した好い人らしいけどね…