路地裏で
第16話
「話というのは他でもない、君に一緒に来てもらいたいところがあるんだ…」
「俺に…」
「そう、君にだ…なに…別にとって食おうとするわけではない…ある人に会ってもらいたいだけなんだ」
まあ、その逢う人が此の国の王様なんだがな…
「駄目かい?……君に決して不利になるようなことはないと誓うよ…駄目かい?」
「はぁ…」
俺に用があるって誰なんだろう…俺はここに来てまだ時間はたってないしな…まあなんにせよ、行ってみないと始まらないか…
「わかりました…行きます」
「そうか、助かるよ」
「では明日一緒に行こうか…」
「君の泊まるところはこちらが手配しとくよ…」
何やら手紙を書き始めた。
「この手紙を今からいう宿屋の主人に渡してくれれば大丈夫だから」
そういって手紙を受け取った。
「宿屋の行き方はこの地図にかいてあるから!」
そういって地図を渡してくれようとしたが、そのまま返した
「いえ、地図は要りません…自分で探します…まだ見てないところもあるので!」
「そうか、わかった」
「では失礼します」
そういって指令室をあとにした。
「ふう、終わった…さてこれから何処に行こうかな…」
指令部を出た俺は行く宛もなくさ迷ってると人気が少ない路地裏に出た…
「きゃぁぁぁ~」
女の子の悲鳴が路地裏に響いた!
「嬢ちゃん、このあたりは物騒だよ…一人で歩くとこういう目に会うよ」
「兄貴、早くやっちまいましょうよ‼️」
「まあ待て、こんな上玉なかなかお目にかけることはねえ、じっくり遊んでやらねえとなぁ」
「ひぃ」
女の子は声にならない悲鳴をあげる。
「助けて…」
震える声でそう、小さく叫んでいた…俺は其れを見た瞬間、身体が勝手に動いていた。