振り下ろされた創世の刃!?
チュートリアルは修了しました!
勇者は旅立ちますか? → YES
空中庭園に俺が戻ると既にユージとユカとケイとユリアはテーブルを囲んでベンチに座り楽しそうにお喋りをしていた。
この静かな平穏が日本でなら…と俺は思った。
朝に偶然バスに乗り合っただけの他人だった。
ちょっとトラブルにはなりかけたが日常の出来事だった。
誰とも知らない者の私利私欲の為に日常を壊されてしまった。
誘拐を召喚と言う奇麗事で誤魔化し勇者と呼びながら隷属させ使役している歪んだ世界。
いや。
世界ではなくこの世界の人類の支配者達が歪め全ての人類が歪んしまったのだろう。
そんなに世界に拐われた事に喜ぶ者がいるのだろうか?
俺には怒りしか浮かばなかった。
俺の命の砂時計をこんな世界では止めたくはない。
四人の若者の未来を既に終末期の世界で過ごさせはしない。
俺が皆に手を振ると
「「「「お帰り~♪」」」」
「たっだいま~♪良いお湯だった~♪皆、飯食った?」
「ううん。おじさんを待ってた~♪ほら、おじさん座って座って♪」
「待たせたな。キリッ」
「///私アラヤさんのその声…好きです。♥️///」
「そうか♪ユリアお前は俺が守る。キリッ」
「///ハイッ♥️///」
(フッこれが若さ故の過ちか。)
「ちょっ!アラヤさんあんたちょっユリア?えっ!えー!」
「ケイ。彼氏なんだから餅つけ、違う落ち着け。ユリアは低い声が好きなだけだ。好きな男はケイだけだって落ち着け。な♪ユリア?」
「///ハイ♥️///」
「///てかあんたマジで空気読めって!///」
「「ヒューヒュー」」
「///ちょっ!お前らまで///」
「ケイ、テレるな胸を張れ。な?皆知ってる事なんだからケイがユリアを好きな様にユリアもケイを好きなんだからテレるな。」
「///ハイ♥️ケイ君の事私好きだよ///」
「///お、おう。ありがと///」
「ケイ馬っ鹿、もう馬っ鹿違うよそこは『俺も好きだ。ユリアー!』って言ってぎゅってしてぶちゅーってする所だろ!お前が空気読め!ほらケイ。ユージっ!ユカっ!さんハイっ!キース!キース!キース!」
「「うんうん!キース!キース!キース!」」
「///ふぁっちょっ!///」
「「「キース!キース!キース!キース!キース!キース!キース!キース!キース!キース!キース!キース!」」」
「わーた!判った!ユリア///俺もお前の事が好きだ///」
「///!うん!ケイ君私も好き♥️///」
ケイとユリアがベンチに座ったまま抱き合いキスをする。
「「「オオー!ヒューヒュー!!」」」
俺は思わず右手に魔法力を込めて空に打ち上げた。
「バーストサウンド!!20連発!!」
腹の底まで響く良い爆発音が連続で20発澄みきった夜空に響き渡った。
「「「た~まや~♪」」」
一頻り騒いで夕食を始めた。
「じゃあ!せーの!頂きます!」
「「「「頂きます」」」」
調理場と食糧貯蔵庫から貰って来た食糧でなごやかな夕食を済ませた。
食事のあと30分程して俺は今まで知り得た情報を包み隠さず皆に伝えた。そして今から始める破壊の理由も。
皆が呆れはてそして涙を溢し全てを聞き終わると皆陽炎を纏っていた。城塞都市が激しく震える。
「クソやろうーー!!メイガーーーーン!」
「許せない!!なんでアタシ達をーーーーーー!!」
「私達は…私達は人殺しの兵器じゃなーーーーい!!」
「ざけんなーー!なにが勇者だクソ垂れ共がーー!てめえらの尻はてめえらで拭きやがれーー!」
皆の怒号が夜空に響き渡り大気が震え雷鳴の様に轟き大地も激しく震える。
「皆いいか?今から始める。ノエルにも手伝いを頼んでいる。この世界中を敵に回すかもしれない。味方は俺達とノエル達だけだ。解放された勇者達も味方になったとしても信用するな。俺達の目的は日本に還る事だ。他の人は絶対信用するな。芝居じみた事を今からやるがそれはこの世界の歪みの真実を伝える為にだ。いつまでも砂遊びの世界には居られない。ノエルに開始のメールを城の入り口に着いたら送る。メールの返信の着信音が合図だ。皆いいか?」
「「「「おう!!」」」」
「他の勇者達が襲って来たとしても心配はいらない。彼等は隷属された時に加護を無くしている。加護のスキルは使えない。彼等が使える物はこの世界の武器や魔法だけだ。俺達には通用しない。俺達の様に陽炎を纏って戦えない。それに俺が守る。何を犠牲にしても皆を守る約束する。必ず皆を無事に日本に連れて還る。」
「「「「うん!!皆で還ろー!!」」」」
俺達は城の入り口まで城の中を破壊しながら歩いて行った。
城の入り口にたどり着き俺はノエルにメールを送った。
『ノエル始める。この世界中に俺の声をその報いを受けるモノの姿を届けてくれ』
ピピッピピッピピッ
『守谷克哉さんいつでもよろしくお願いします。今は私だけですが勇者能力選定球を解放出来れば他の神々とも通信が出来る様になります。健闘をお祈りします。豊穣の女神ノエルより皆さんへ』
夜空の星々の煌めきが強くなる。
俺は大きく息を吸い込み吐き出す。
もう一度大きく吸い込み言霊を紡ぐ。
俺の声は満天の夜空に雷鳴の如く空から轟きながら反響し世界中に響き渡る。
『聞け!世界の国々の支配者を気取る者共よ!
目を覚まし耳を澄ませ世界の国々の無辜なる民達よ。
我は豊穣の女神ノエル様の代弁者であり執行者である!
勇者召喚と言う欺瞞に満ちた建前で理の異なる世界から拐し隷属化使役するなど言語道断である!
即刻貴様らが勇者と呼ぶ到来者達の速やかな解放を命ずる!!
この命に逆らい抵抗する者らは豊穣の女神ノエル様の執行者の権限によりその国を我らが蹂躙する!
世界に起こる厄災の元凶は貴様ら国々の支配者を気取る者共の起こした三魔王討伐の名を借りた神殺しにある!
世界に伝わる三魔王討伐物語の真実を告げよう!
山の神、大地の神、川の女神を疎ましく思う国々の支配者達による初期に到来した者達への虚偽の願いで行われた神殺しである!
ただ採掘したいが為に山の神を殺し!!
ただ住み処を大きく住み安くしたいが為に大地の神を殺し!!
ただ橋を架けたいが為に川の女神を殺した!!
それが真実である!!
三魔王等この世界には存在しなかったのだ。
神々の加護失った事により世界は崩壊へと導かれたのだ!
それが厄災の正体である!
世界の崩壊は辛うじて妖精や精霊の加護に寄って支えられていたのだが数多の戦において数々の到来達が召喚と言う名の誘拐で世界に到来した。
その誘拐儀式の膨大な魔法力は妖精や精霊を贄にし儀式を行っていたのだ!!
世界が上げる悲鳴に耳貸さずに私利私欲の為に国々の支配者を気取る者が厄災を強大にしていたのである!
既にこの世界は終末期となっている!!
召喚と言う名の誘拐に寄って現れた到来者達が強大な力を秘めているのではなくこの世界が脆く脆弱になり星その物が脆く崩れようとしているのだ。
世界に残存し辛うじて生存していた妖精や精霊は皆五柱の神々の元へ帰還した。
以後、召喚と言う名の誘拐の儀式は不可能と成った!
到来者を多く囲いし二国、貴様らの国が渇れ干そっている事すなわち精霊の加護を失っている事の明白な証明である。
もう一度命ずる、即刻勇者と呼び隷属化使役を強いられている到来者らを解放せよ!
さもなくば期が熟し自然に呪縛から解き放たれた到来者や強制奴隷の民達に寄ってその身を滅ぼすであろう。
我が言葉の証明とし我らを隷属し使役しようとした愚かなるアファルセル王国が王都グラバセルの王城を我らが蹂躙する!
世界の全ての者らよ空を見よ!
その蹂躙され行く様を瞳に耳に脳裏に刻むがよい!』
夜空に城が映し出された。
その城門に俺達五人が陽炎を纏って立っている。
ユージが剣となったナイフを大きく振りかぶり斬りおろす!!
「ぶっ飛べ!剛焰爆砕斬!!」
ユージの斬撃が焔となって城を切り裂き爆砕し燃え始める!
「「「ユージ漢字読めたんだ!」」」
「スキルに読み仮名が書いてタンだよー!」
「「「「納得」」」」
俺、ユカ、ケイ、ユリアが驚き納得をした!
「喰らえや!レイジ・ガイア・ブレイク!!」
ケイが渾身の右ストレートを撃ち出すと拳圧が真っ赤に燃えて大地を焼き焦がし城を更に破壊し焔が一掃燃え上がる!
「「「「ケイ!ヤるなぁー!」」」」
「どーよ!俺の拳わー!」
俺、ユージ、ユカ、ユリアがケイを誉める!
城は轟々と音を立てて燃えている!
「崩れちゃえ!ビーナス・シールド・バッシュ!!」
ユリアが盾を強く突き出すと暴風と共に出た凄まじい衝撃波が城を覆い尽くし破壊した。
もう城の原型をとどめてはいない。業炎に包まれた瓦礫の山だ。
「「「「ユリア♪スゲェ~♪」」」」
「///やだもう///」
俺、ユージ、ユカ、ケイがユリアを誉める!
「焔を消し去れ!ドラゴン・フォール・ダウン!」
ユカの杖が光り輝き城の直上から大瀑布の様な水が降り注ぎ焔を消し去ると残った水は幻の様に消え失せた。
「「「「ユカ格好いい~♪」」」」
「えへへ」
俺、ユージ、ケイ、ユリアがユカを誉める!
そして俺は前に伸ばした右腕の手首を左手で掴み右掌を前に翳し世界の隅々まで轟く雷鳴の様な低音の声で言霊を紡ぐ。
『我が声に応え我が元へ来たれり我が箱庭よりいでよ!!機獣ジェネシス・ベヒモス!』
「「「はぁっ!!マジっ!?」」」
「ガチャ回し捲った。どやっ」
「「「この廃課金者♪」」」
「ハイハイ?廃課金者ですがナニか?」
「「「開き直った~♪」」」
ユージ、ユカ、ケイが俺を良い意味で廃課金者と罵るが俺は開き直った!
ふははは廃課金者は打たれ強いのだよ!
だって廃課金者なんだもの。
廃課金者とは俺にとって最高の誉め言葉だよ!
コックピット上部に四灯が輝きフロント二灯と下部に四灯が瓦礫の城を煌々と真昼の様に照らし出す。
大地の底から轟く様な凄まじい動力音が轟々と大気と大地を揺らす。
深紅の巨体は城の三分の一に匹敵する。
俺は城を指し示し蹂躙を告げる言霊を発する。
『機獣ジェネシス・ベヒモス!かの痩せた大地を耕せ!!』
「「「「耕すの!?」」」」
だってジェネシス・ベヒモスは
ジェネシス・ベヒモスは
トラクターだもの。
ジェネシス・ベヒモスの後部アタッチメントが轟音を立てて大地に突き刺さり喰らい着き唸りを上げて多数の刃が高速回転し轟く掘削音を響かせ大地を切り裂き大量の土砂を巻き上げ城を粉々に粉砕し蹂躙していく。
城は徐々にジェネシス・ベヒモスに蹂躙され城は見る影も無くなり生命力の溢れる見事な大地に生まれ変わる。
『世界の国々の支配者を気取る者共よ恐怖するがいい!
これが我らに刃向かいし者の末路だ!
はっはっはっはっ見よ城がまるで城が畑の様だ!!』
「「「「耕してたよね!!畑だよ!!」」」」
おお!ユリアが皆と一緒に突っ込んだ!!
『これが豊穣の女神ノエル様の執行者の裁きである!!
我の命ずる言葉に逆らいし者の国々の大地は全て畑と帰す!
貴様らにより神々、精霊、妖精の加護の失った大地を我が耕す!
明日より我らが進んだ大地は全て耕されると思え!!
刃向かいし者に一切の慈悲はない!!
立ち塞がるのであれば畑の肥やしにしてくれ様ぞ!
我らは豊穣の女神ノエル様の代弁者であり執行者である!!
忘れるでないぞ!
これは夢ではない現実ある!!
よいか!世界の国々の支配者を気取る者らよ!
ここで終わりではない!!
ここからが始まりである!!』
俺の声に呼応する様にジェネシス・ベヒモスは轟々と更に激しく動力音を轟かせ全てのライトの輝きが増しやがて使命を終え箱庭へ還る。
そして夜空に映し出された映像が消えた。
ピピッピピッピピッ
俺のスマホに着信音が鳴る。
ノエルからのメールだ。
『守谷克哉さん凄く感動しました!神々も皆喜んでいます!感謝しています!!守谷克哉さん大好きです♥️ありがとうございます。豊穣の女神貴方のノエルより♥️』
「我が生涯に一片の悔い無し!!」
俺はそう言い放つと右拳を空に突き上げ立ったまま満足感溢れる顔で目を閉じた。
「「「「まだ早い!!」」」」
おお!またユリアが皆と一緒に突っ込んでくれた!
勇者は世界を畑にしようとしている
なかまになる
てつだう
やとわれる
ようすをみる←
たたかう
あやまる
ねむらせる
おいかえす
わらわせる