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よ…←
破壊の勇者らがゲートに飛び込み境界面に揺らぎが出始める
揺らぎは波となりうねりとなり渦となり次第に中心に吸い込まれて行き小さく点となって消滅した
ゲートが消滅するまで約二日間かかり辺りの安全の確認が出来るまでの調査に3日間かけた
この辺りも人々は暮らしていく
またゲートが開き不用意に巻き込まれる人々を減らさなくてはいけない
滅び消えゆく世界にも最低限の人間達は必要だから
耕した土地を畑として生まれ変わらせ作物を自らの手で育てさせ些細な量でも循環の手伝いをさせる為に
彼らが見てみぬ振りをしてきた間接的誘拐の手伝いの償いを無益に消滅させて来た精霊達や妖精達
古い書物にははっきりと妖精達や精霊使いの記述が遺されていた
記述があると言う事は描いたモノ達には妖精達や精霊達が感じ見えていたということ
破壊の勇者達も手立てがない訳では無かった
彼らの仲間達も幾人かは葬られていた筈
そこがゲートになる可能性もあった
破壊の勇者はゲートの事を知っていた
ならばゲートの開放される場所の特定もある程度別の場所にも開いていた事があった筈
だが破壊の勇者達は居座っていた
奴らなら完全解放されずとも行動は出来ただろう
でもしなかった。
ダーティーはダーティーだったと言う事だろう
だから生身でゲートに飛び込み境界面の移動を試みた
その他大勢もそれぞれがゲートの特性を知っていた
だから躊躇わずにゲートに飛び込めた
但しゲートの先の世界の事までは知らなかった様だ
彼女達と会話をする事が出来ていたならゲートを潜るなど危険な事をしなかっただろうが彼女達の仲間を吸収した破壊の勇者達はそれなりの罰は受けねば受けさせねばならない
奴らに吸収された彼女達のご両親達にその無念を晴らす手伝いを俺はしただけ
「辺りもようやく平常の空間に落ち着いたみたいだ」
『土壌探査』
「おじさんどう?」
「んー、ゲート開放で更に魔法力を消費したからな。痩せこけた不良の畑だな。草でも一面に生えていたのなら焼き畑が多少出来たかも知れないけどこの辺りも他の場所と同じで耕して時々肥料を撒きに来る感じだ」
「この星自体がこんな感じなのかな?」
「んー、なんとも言えないけど多分な」
「こんな風になっていたのに気が付かなかったのかな?」
「判る人は引っ越しをして他の土地で畑をやっているんだ。だからこの国でも食物が少ないが収穫されていた様だな」
「そうなんだ」
「微生物も居なくなる土地は大地を腐らせる。奴らは自分達の首を締め合っている事にもっと早くに気付くべきだったんだろうがこうなると正直気休め程度の手伝いしか出来無いな」
掌で石を握り潰した
粒子の小さな砂漠の砂のようになり俺の掌から零れ落ちた
俺は掌を叩いて払いユカとユニバース・ベヒモスにのり皆の待つ拠点の畑に瞬間移動をして戻った。
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