墓と滑り台!?
勇者は強敵と出会ってしまった!どうしますか?
ゆうしゃとともにたたかう
ゆうしゃとたたかう
ねがえる
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壊れた城門のアーチに縫い付けられた様に立ったまま串刺しになり死んでいる臭い匂いの汚い顔の青年を見ているとケイからスマホに通話通信が届く。
「アラヤさん!いきなりイエロー・シグナルがあんたの近くに現れてあいつのレッド・シグナルが消えたあとイエロー・シグナルも消えた!あんたは無事か!」
ケイがいつになく慌てて早口で心配してくれている。
「ああ、俺は無事だ。だけど青年はそいつに持って行かれた。」
「あいつ、連れて行かれちまったのか?」
「いや、槍で胸を貫かれて俺の目の前で死んでいるよ。」
「槍で死んだ?マジかよ。」
「ああ、青年を狙ったとしたらとんでもないスキルの持ち主だ。その男から青年まではかなりの距離が離れていたからな。俺がその男の気配に気付いた時には青年の胸は槍に貫かれていたよ。」
「ヤベェ奴だな…何にしても長居は無用って奴だな。アラヤさん。」
「ああ、なるべく早くメグレティア王国から離れよう。そっちは渡し終わったのか?」
「ああ、全部女王とおっきい姫ちゃんとちっちぇ姫ちゃん達に渡したら泣いて喜んでたぜ。」
「そうか、それは良かった。俺は庭園の隅っこにでも青年を埋葬している。女王か誰かに城門のアーチのあった場所に大量の食糧や荷物があると伝えてくれ。」
「アイよ。伝えとく。皆を連れてそっちに合流するわ。じゃあアラヤさんまたあとでな。」
「ああ、あとで。」
釈然としない青年の結末となった。
突如現れた厳つい年配の大男ガメス。
槍の使い手のようだった。
地下の召喚儀式の間のあの子達を葬った男かもしれない。
だが、弱者に対して嬉々として殺戮を好む様な男では無い様にも見えた。
しかし解放者として遥かに想像を越えた身体能力の持ち主。
遠距離距離から投擲された槍の命中精度はかなりの威力だ。
移動手段もスキルなのか何かアイテムなのかは解らない。
しかし移動手段にはある程度の制限があるように見えた。
去り際にわざわざ俺に背を向けて歩いて去っていったからだ。
移動先からの帰還をする為の座標をある程度固定しなくてはならない可能性があるのかもしれない。
(ちっ、青年からはビゼルデル帝国の情報を手に入れたい所だったのだがこれではまるで口封じだな。ビゼルデル帝国の知り得た情報は今のところ彼奴がガメス将軍と言われている地位と言う事だけか。ビゼルデル帝国にはあのような解放者が複数いると考えねばならぬ様だな。ビゼルデル帝国の深い情報を手に入れる為には青年のあの日記を読まねばならぬとは頭が痛い事だ。やれやれだぜ。)
俺は青年の胸を貫いている槍を引き抜いてストレージに放り込んで青年を地面に寝かせ新しい大きめの蓙に頭まで簀巻の様に包んで庭園の端まで抱えて行きシャベルで少し深めの穴を掘り青年を穴に入れて寝かせた頃に皆がユニバース・ベヒモス達に乗って到着した。
(なんと言う事だ。青年の体重は見た目よりも随分軽くなってしまっているではないか。だが蓙で包んでも臭いモノは臭い。)
「おっさん!大丈夫か!」
「アラヤさん無事か!」
ユージとケイが駆け寄って来て俺の身体を触り怪我の無い事を確かめてくれた。
ユカやユリア、ミリーシア達や全身タイツスーツの女性達は口に両掌を当てて小刻みに震えていた。
(やはり女性達に見せるべきではなかったな。)
「ああ、大丈夫だ。ほら皆、俺は大丈夫だ。この通りだ。ユージ、ケイ、青年に土を被せるから手伝ってくれ。」
俺は皆を安心させる為に怪我の無い事を腕を広げて見せてくるりとその場で回って見せた。
「OK、おっさん。」
「アイよ。アラヤさん。」
俺はユージとケイにもシャベルを渡して青年に土を被せて行く。
ユカやユリアやミリーシア達は突然の事に声も出せなかった様だ。
全身タイツスーツの女性達からは何人かのすすり泣く声が聞こえて来る。
強い憎しみがあったとしても今朝までは本気で好きだった相手が突然死んだのだから当然の反応だ。
ただ青年の名前を呼んだり泣き崩れる女性は一人もいなかった。
(フム、彼奴に殺されたのは青年の撒いた種だ。自業自得だ、青年。地獄で己の下半身の節操の無さを反省するがいい。死んで女性に名を呼ばれない程寂しいモノは無いぞ。まぁ、何人か泣いてくれただけでも有難いと思え。)
青年に盛り土をして適当な厚みの縦長い石を地面に深く突き刺して建てて墓石代りにした。
盛り土を覆う様に適当に岩を鎌で切って岩を埋めて墓をこの世界の人間では簡単に掘り返せない様に固めた。
見た目は武骨な石造りのモノになった。
墓石の前面にこの世界の文字で
《無類の女好きの色欲の勇者レイメルス・ガイル。数多の女性達に対して下半身が無節操で奔放過ぎ痴情の縺れにより胸を貫かれここに眠る。享年24歳。》
と鎌で大きく彫り込んでやった。
「おっさん、これじゃ女に刺されて死んだ男っぽく見えるじゃん!ぎゃはははは。」
「ん?嘘は書いてないしある意味変わらないだろ?」
「痴情のもつれってぷークスクスクスクス」
「間違いねぇ!あんたの言う通りだ!はははははは。」
「よく聞く話しですけど本当に刺されちゃうんですね、うっふふふふふ。」
ユージとユカとケイとユリアはそれを見て笑っていた。
ミリーシア達と全身タイツスーツの泣いていた女性達も吹き出していた。
(まぁ、お似合いの最後だったがな。将軍と云う地位の男の女性にまで手を出すとはどれだけ無節操過ぎなのだ。全く。)
「まぁ、こんなモノか。埋葬されただけでもマシだと思え。青年、充分満喫しただろ?安らかにとは言わないが眠れ。」
俺は両手で服に付いた土を叩いて払うと作った青年の墓に言葉を投げた。
〔その後メグレティア王国の女性達の最大の敵の墓として毎日の様に墓石に石を投げ付けられる名称になる。〕
「皆、それじゃリンメル草原に戻るとしよう。ユニバース・ベヒモスに乗ってくれ。」
後味の悪いメグレティア王国の出発になった。
俺は皆が全員ユニバース・ベヒモス達に乗り込んだ事を確かめてユニバース・ベヒモス達に命令をする。
「隊列中のユニバース・ベヒモス全機、リンメル草原に向かい転送移動を開始せよ!全機前進!」
ユニバース・ベヒモス達が走り始めると景色が歪みユニバース・ベヒモス達が停車すると俺達はメグレティア王都を離れリンメル草原に瞬時に戻った。
俺達のリンメル草原を守る為の事とメグレティア王国でのやるべき事はやった。
厄災を乗り越えるのはメグレティア王国の住民達次第だ。
ケイ達の話しによればまだ到来者達がメグレティア王国の大きな都市に残っているらしい。
彼女達がどう動くかは俺には解らない。
ただケイが言うには女王が到来者の彼女達を手厚く迎え入れていた様で全身タイツスーツの女性達も彼女達が住民達に手を出したりはしないだろうと言っていた。
俺達が誘えば彼女達も合流したいと言うかも知れないらしい。
その時はその時だ。
取り敢えずリンメル草原の畑の危機はこれで一応去った。
メグレティア王国の大地の厄災に対しての備えも教えて来た。
短い日程であれやらこれやらとかなりハードな旅だった。
俺はビッグ・ミラージュ・ガード・ドームを建てて皆とファミレスの様な食事を済ませてミリーシアと二人で風呂ドームにゆったりと浸かり個室ドームで俺とミリーシアで二人切りで寛いでベッドで久々にゆっくりのんびりたっぷりじっくりねっとり朝まで色々堪能した。
朝日が登り始めリンメル草原の畑に次第に朝露に濡れる新芽達に反射して新たな生命の芽吹いを感じさせる。
朝!俺は俺は今日も生きている!
(ジェネレータポンプ・スタンダードムーヴ・オールグリーン!マインド・ハート・ラブ・メーターフルゲイン!カタパルト・リフト・オフ!フルアーマー・アラヤ出る!)
「ふぁあー、んん、…朝か…もうすぐユカ達が来るな…ミリーシアを起こして…風呂ドームにでも行くか…」
寝起きのボサボサ頭を手櫛で適当に撫で付け綺麗な顔をしてスヤスヤ眠っている美しく可愛いミリーシアの頬にキスをして起こす。
「おはよう、ミリーシア。風呂に入ろうか?」
両掌でまだ眠そうな瞼を擦りミリーシアが起き上がる。
「克哉様、おはようございます。よくお眠りになられましたか?」
「うん、ミリーシアが側にいてくれるからよく寝れたよ。」
俺はミリーシアを両腕で優しく抱き締める。
ミリーシアも俺を優しく抱き締めてくれる。
朝からイチャイチャラブラブする。
二人で風呂ドームに入りゆったりと朝の入浴と洗濯をして風呂ドームを出て髪を乾かしているとユージとユカとが何時ものように来て朝の治癒魔法をかけてくれた。
リンメル草原の朝の日課の畑の見回りにミリーシアと一緒にファーム・トラックに乗って行く。
「アラヤ様、新しい芽が出ています!たった数日離れていただけなのに畑が緑に色付いています!」
畑の畝を見渡すとメグレティア王国に向かう前は土の畝だったのだけど今は新しい芽が出て緑の畑に様変わりしている。
「ああ!まずは発芽は上手く行っている様だな。これからだな。さて、虫がいなくても花や実が育つといいんだけどな。」
俺は座って苺の苗を見ていた。
「アラヤ様?それは?」
「これは苺の苗だ。育つと赤い美味しい実が出来るんだ。成長は順調だけど花が咲いてからノエルの加護で実が付くのかはやっぱり不安だな。」
「アラヤ様、ノエル様にお任せ致しましょう。この広大な畑をアラヤ様お一人では全てを管理する事は不可能です。頼りましょうノエル様を。神々の恵みがアラヤ様の畑にもたらされます様に。」
ミリーシアが両掌を合わせて握りノエルに祈りを捧げてくれる。
(フム、見事な実りの絶景ではないか。くっ、左腕のプレッシャーもやるではないか!さすがだ。ミリーシア!)
ミリーシアと朝の畑の見回りも何事もなく無事に終わりビッグ・ミラージュ・ガード・ドームにファーム・トラックで戻ると食堂ドームにユージとユカとアメリアとティアーナとケイとユリアとリアーナとマリアーナと全身タイツスーツの女性達八人も来ていた。
「皆、おはよう、ゆっくり眠れたか?」
俺は全身タイツスーツの女性達に笑顔を向けて話しかけた。
「アラヤさん、おはようございます。凄く寝れました。レメスの事があったから眠れないかなって思っていたけれどベッドに入るといつの間にか寝ていました。」
青い髪の長い全身タイツスーツの女性がすっきりとした顔で話をしている。
(フム、ローブを着ていないのは素晴らしい眺めだ。実に良い。)
「そうか、それは良かった。誰かが死んで悲しすぎて眠れないなんてドラマや物語の話しだからな。悲しい思いと頭や体の求める睡眠は別だから眠れるなら眠った方がいいんだ。薄情とかじゃない。俺の経験上の話しだ。」
「そうなんですね。確かにレメスが死んだ事は寂しいと言うか何か言い表せないモヤモヤした物が残ります。」
青い長い髪の全身タイツスーツの女性は胸に右拳を当てて唇の端を噛んでいる。
「晴らすに晴らせなくなった怒りの矛先が無くなったからな。青年が生きていれば八つ当たりも出来るしいつか再開した時に青年を痛め付けると言う目標が持てたからな。それは残るよな。」
「うん、あたしもあいつに色々コンボを決めて蹴り上げて遊びたかった。」
ピンクの長い髪の全身タイツスーツの女子がやり場のない怒りを募らせる。
「私もソードダンスであいつを切り上げたかった。簡単に死に過ぎるのよ。」
緑色の髪の全身タイツスーツの女性も青年にやはりやり場のない怒りを募らせている。
「騙して好き放題に私達を弄んだ癖に楽に死ぬなんて許せない。」
黄色い髪の全身タイツスーツの女性も青年が苦痛も少なく反省もなく死んだ事が許せない様だ。
「あいつは最後まで私達に謝る事もしなかった。あんな奴だと思わなかった。」
緋色の髪の長い全身タイツスーツの女性が青年の自己中心的な考えを許せない様だ。
「私達をハーレムの女だと言った事もあいつの女だと言った事も許せない!私達を…いつでも…あの屈辱の中から助け出せたのに…あいつの欲の為に…許せない!楽に死ぬなんて許せない!」
オレンジの髪の全身タイツスーツの女性が青年があまりにも短時間で苦痛も少なく死んだ事が許せない様だ。
「あんなに自己中心的で私達の気持ちなんて考えていなくてあいつだけの快楽の為に私達をオモチャにしていたあいつだけ楽に死ぬなんて許せない!」
今まで声をほとんど出さなかった金髪の全身タイツスーツの女性が涙を溢して怒りの声を出した。
「あいつだけ好き放題に生きて死ぬ時も楽に死ぬなんて許せない!あいつの為に…何度…ルーンを…」
紫の長い髪の全身タイツスーツの女性も涙を溢して怒りを募らせている。
「あのまま生きてビゼルデル帝国に逃がしても結局は死ぬ運命だったのか。俺は青年が生きて反省をして欲しかったんだけどな。まぁ…青年は何処にいても命を狙われていた訳か。」
俺は青年からもう少しビゼルデル帝国の内情や解放者の生きた情報が欲しかった。
彼女達のモチベーションも青年が生きていればもっと上がる筈だったのだがそうも行かなくなった。
これはユージとケイに頑張って貰うしかない。
若いユージとケイに任せるとしよう。
(フム、人はそれを丸投げと言う。)
「アラヤさん、朝飯食ったら気分転換にプールに皆で入ろーぜー!!」
ケイがいつになく元気に掛け声を出す。
「そうじゃん!!プール行こうぜ!皆で楽しもうぜ!」
ユージもベンチから立ちあがり皆を誘う。
「「「「「「「「プール!!」」」」」」」」
全身タイツスーツの女性達も嬉しそうな声を揃えて出した。
「そうだよ!プール!皆で遊ぼ~♪」
ユカが皆を楽しそうに笑顔で誘う。
「うんうん、そうだよ!折角自由になれんだから楽しもう!」
ユリアがベンチから立ちあがり笑顔で右腕を振り上げて楽しそうに言う。
「「「「「凄く、気持ちが良いですよ!」」」」」
ミリーシア達も全身タイツスーツの女性達を笑顔で誘う。
「だな。楽しく行こう!それじゃ朝飯を食べてからプールドームに行くぞ~♪」
「「「「オー♪」」」」
「「「「「ハイ!アラヤ様」」」」」
「「「ハイ!アラヤさん」」」
「うん!アラヤおじさん!」
「「「「うん!ユージ君!」」」」
朝食が終わり少し寛いでプールドームに向かう事になった。
それぞれ更衣室ドームに入り男の俺達は上着を脱ぎズボンを脱いでパンツ一丁でプールドームに入り外側に向けた噴水で身体を濡らしプールに浸かる。
「ふぅー、あー久しぶりのプールだー♪」
俺はゆっくりと浸かる。
「おっさん!風呂じゃあねぇーぞー!ひゃっほー♪」
ユージは元気よくジャンプしてプールに飛び込んだ。
ユージの尻にボクサーブリーフが食い込んだ。
「うっしゃー♪」
ケイも楽しそうにジャンプしてプールに飛び込んだ。
ケイの尻にボクサートランクスが食い込んだ。
「もう入ってる~♪アタシも~♪ひゃっほー♪」
ユカも楽しそうにジャンプしてプールに飛び込んだ!
(フム!ユカも元気だな!)
「ユカちゃん~♪まってー♪」
ユリアがユカを追って可愛くジャンプしてプールに飛び込んだ!
(フム、見事だ!さすがはユリア!)
「ユー君~♪」
「ユー君~♪」
アメリアとティアーナがユージとユカの近くに飛び込んだ!
「「アメリア~♪ティアーナ~♪」」
「「はーい♪ユー君♪ユカちゃん♪」」
ユージとユカに呼ばれてリアーナとマリアーナもマイクロビキニを着て楽しそうにジャンプしてプールに飛び込んだ!
(フム、やはりこの絶景だな!)
「アラヤ様♪お待たせしました♪」
ミリーシアがマイクロビキニを着て俺の側にゆっくりと浸かる。
ミリーシアは俺の左腕に絡み付いている。
(くっ!水中で腕が!挟まれているぞ!)
「凄い…水が…こんなに」
青い長い髪の女性がランジェリー姿でプールに入ってきた。
(むぅ!これはっ!なかなかの破壊力だな!女王様!)
「これがプール!!凄い!うわっ!冷たい!」
ピンクの長い髪の女子もランジェリー姿でプールに浸かる。
(フム、なかなかやるな。)
「ふわぁー!本当にプールだー♪」
緑色の長い髪の女性もランジェリー姿でプールに入ってきた。
(ほほう、なるほど。そう来たか!)
「「「「「本物の水だけのプールだー♪」」」」」
黄色い髪の女性と緋色の長い髪の全身と金髪の長い髪の女性と紫の女性髪の女性オレンジの髪の長い女性もランジェリー姿でプールに入ってきた。
(正に絶景だな。見渡す限り絶景だな。)
ランジェリーの色は髪の毛の色と合わせてあるようだ。
(なかなかのフィット感の様だな!はっきりくっきりではないか!)
「アラヤさん!凄いですね!水だけのプールって!あっ!」
青い長い髪の女性が嬉しそうにゆっくりと歩いて来て足が滑り俺の右腕に青い長い髪の女性が咄嗟に両腕でしがみ付く。
(くっ!腕が!挟まれてしまったぞ!女王様!)
「すみません、大丈夫ですか?」
「大丈夫だぞー♪ほら、力を抜くと浮かび上がれるぞ。こんな風に。」
俺は身体の力を抜いてプカプカと浮かんで見せた。
「ルーンを使わずに浮かぶなんて…不思議です…」
青い長い髪の女性もプカプカと楽しそうに浮かんでいる。
(オオ、見事な眺めだ。)
「アラヤおじさん、あたしもプカプカしたい。」
ピンクの長い髪の女子も俺の側に来てプカプカと浮かんでいる。
(フム、やはり期待値が高い!)
「アラヤ様♪私もプカプカしたいです♪」
ミリーシアも俺に掴まったままプカプカと浮かんでいる。
(正に至福の絶景に囲まれているな。)
「ルーンを使うとプカプカと浮かべるのか?」
俺はふと気になり聞いてみた。
「ハイ、今は出来そうにありませんが元の世界では早く移動する時にルーンで浮かんで移動していました。」
「なるほど、俺達とは全く違う生活をしていたんだな~この世界での生活は大変だっただろう。」
「ルーンが体内と武器や鎧にしか使えなくて呪いの間もスーツを触らないとキューブを生成出来なくてとても大変でした。」
「キューブは摂取していたのか?」
「ハイ、食べる食事だけでは空腹と疲労感が抜けずキューブの摂取をしていました。」
「「「「「私達もキューブを摂取していました!」」」」」」
「あたしもキューブを摂取してた」
「なるほど、それで君達は葡萄やオレンジを食べる事が出来たんだな。」
「「「「「「「「えっ?」」」」」」」」
「もし順応性が進んでいれば食べる事が出来なかっただろう。このまま俺達と一緒にいて食事をしていればルーンも次第に元の世界で使っていたように使える様になるだろう。」
青年は葡萄すら皮が固いと味が濃過ぎると言っていたらしい。
順応性が進んだ青年は全身タイツスーツすら着用が出来なくなっていたのだ。
この世界の物に慣れすぎ元の世界の衣服も重く動き辛い物に感じたのだろう。もし、青年が全身タイツスーツを着用していれば青年の死は回避出来たのかも知れない。
「青年はキューブを摂取していたのか?」
青い長い髪の女性は首を左右にゆっくりと振る。
「あいつがキューブを摂取しているところは見た事がありません。」
俺をミリーシアが軽く押して青い長い髪の女性の横に押し出す。
「だからだな。青年の体重はかなり見た目より軽くなっていたよ。」
「…最近あいつと身体を合わせていた時あいつの身体が軽く感じていました。」
青い長い髪の女性は唇を噛みしめている。
「青年は順応性が高過ぎたんだろう。君達はキューブを摂取していて回避出来たんだと思う。栄養素が不足していてもキューブを摂取している事で君達はルーンを保てていたんだろう。」
「あいつは?」
「俺と戦っている時はほとんど陽炎の攻撃ばかりだったよ。」
「…ルーン攻撃をしなかったんですね…もうルーンが使えなくなっていたのでしょうか?」
「青年の性格なら使える物は使っていただろう。青年が性行為の時に使うと言っていた体力強化も身体強化も使っていたようだった」
「えっ!アラヤさんは生身だけであいつと戦っていたんですか?」
「ああ、大した事は無いぞ。俺は魔法力の使い方と戦い方をある程度考えていたからな。青年はこの世界での戦闘に慣れていたのとPVPでの魔法使いには負けないと言う絶対の自信があったからだろうな。この世界やゲームでは体験した事の無い俺の戦い方についてこれずに剣で戦えと情けないくらい連呼していたよ。」
青年が馬鹿の一つ覚えの様に連呼していた。
「…あいつは本当に人をゲーム感覚で殺していたんですね。」
「青年がビゼルデル帝国の出す報奨品の女性到来者を多く手に入れる為にゲームと同じ範囲攻撃が有効な事に気が付いて自分が負けない戦い方をしていたから変な自信がついたんだろう。」
「本当に馬鹿な奴ですね…」
「そうだな、青年の装備を見ていたと思うが君達の様に元の世界の衣服を着用していなかった。メグレティアの武器倉庫の青年が装備を出来る様な貧弱な防具と武器で挑んで来ていたよ。俺が下手に手を出せば青年は即死をしていた。」
「…確かにスーツを着ていませんでしたね。どうしてでしょうか?」
「まぁ、俺の推測だけど青年はスーツが重くて動き難く感じる程に貧弱になっていたんだろう。」
「あー、だからおっさんあのドームを使っていたんだな。」
「だな。魔法力の込めていない種を当てるだけでも死にそうな装備だったからな。」
青年の言う最強の鎧は臭そうな何か狩人の防具の様だった。
「ぶはぁー!おっさん、折角のプールの気分が台無しになっちまうからよ、もうあいつの話しは止めにしようぜー。んな事よかよ、滑り台いつ作るんだ?滑り台ー!!」
ユージがプールに潜って俺の前に浮かび上がり話題を変える。
「アラヤさん!そーだよ!滑り台を造る事が先だっつうの!」
ケイも話題を変える事と自分の存在感をアピールする。
(ふっ、ケイ、彼女達にアピールをするのに必死だな。)
「あー、そうだな。岩も手に入れたからな。あとからでも作るか?」
「オッシャー♪おっさん!今から造ろーぜ♪」
「アラヤさん俺も手伝うぜ~♪」
ユージがはしゃぐ事は解るが何故かケイがかなり乗り気の様だ。
(ふっ、頑張れよ、ケイ。)
「ああ、それじゃ、皆楽しみに待っていてくれ♪」
「「はーい♪」」
「「「「「ハイ♪アラヤ様♪」」」」」
「「「「「「「「はーい♪」」」」」」」」
皆の返事を聞いて俺とユージとケイはパンツ一丁のままビッグ・ミラージュ・ガード・ドームから出て川の側で滑り台を造りを始める。
「よし、ユージ、この岩を少し斜めに綺麗に切って貰えるか?」
俺は長さ約5m程の岩をユージの前にストレージから出して地面に置く。
「斜めに切ればいいんだな?おっさん。」
「ああ、断面は滑らかに頼むな。」
「任せろ~♪すーっ、せいっ!斬岩剣!」
ユージが陽炎を纏わせたナイフで岩を一刀両断する。
「「オオー!ユージナイス!」」
俺とケイとで切断された岩の上部を持ち上げる。
大きな発泡スチロール程の重さしかない。
俺は鎌を無詠唱で喚び出してケイとユージにも渡す。
「その鎌で多少歪んでもいいから貫通しないように線を切り込んで行ってくれ。」
「ハイよ~♪」
「アイよ~♪」
俺達は切断された岩の下部に三人並んで切り込みを入れて行く。
鎌に抵抗はなく雪に鎌で線を引く様に簡単に切れて行く。
三人で作業をするので九本の切り込みを入れるのも早く終わった。
「おっさん、次は?」
「次はその切り込みに鎌の峰を差し込んで捻って岩を割ってくれ。」
「ハイよ~♪」
「アイよ~♪」
手際よく三人で岩を割って行く。
板状の岩が割れて取れる。
全てを取り去ると岩に凹みが上手く出来上がる。
「オオー、おっさんそれっぽくなったじゃん!」
「こんな簡単に出来るもんなんだな!」
「材質が固い岩だからそれ以上の固い物で力を加えられれば簡単に割れるんだ。大きな岩に楔を何ヵ所か打ち込んで割るのと同じ様なものだな。」
「はあー、なるほどな~♪」
「アラヤさん、まだ底がでこぼこしてんぞ?」
「さて、ここからが重要だぞ。力を加減して鎌の峰のアーチの部分で擦って削って行くぞ。軽く押し当てて擦る感じで削るんだ。力を入れ過ぎると削れ過ぎてへこむからな?へこみ過ぎたら初めからやり直しだぞー♪」
「いきなり難しくなんのかよ!あんたー!」
「ヤッベェー!めっちゃ緊張するー!!」
壊す事は俺達には簡単な事だが壊さない様に作業する事の方が格段に難しくなる。
緊張しながら手を動かしていく。
岩が削れる音は硬質な固そうな音がするが手応えは発泡スチロールを削っているような軟らかい感触だ。
岩が削れる音が次第に静かになって行く。
川の水をたっぷりとかけながら削っていく。
艶も出て来て触ると滑らかになっている。
「よし、こんな物かな。ユージとケイはどうだ?」
「おっさん、ヤッベェ、めっちゃ楽しくなって来た!ツルッツル!」
「アラヤさん、スゲェな!ツルツルになったぞ!」
「よし、あとは周りと角も少し削ってツルツルにしたら土台を造るぞー!」
「「オー!」」
滑り台の縁や側面も削り手触りを良くした。
土台は難しくなくユージに切ってもらい傾斜を何度か確認して階段も岩を切って高さを合わせて出来上がった。
「おっさん、滑り台だな。」
「アラヤさん、マジで滑り台だな。」
「意外と簡単に出来たな。」
どこから見ても滑り台が一時間程度で出来上がった。
俺達は滑り台をストレージに入れてプールドームに戻り微調整をしながら設置する。
俺は噴水から二本の噴射口を壊さない様に取り外しプールの循環濾過装置に水脈誘導スキルを使いパイプを繋いで滑り台の上部から水を流す様に調整する。
なんと言う事でしょう!
円形の大きなプールに滑り台が出来上がりました!
「完成だ~♪」
「おっさん!やったー!」
「マジで滑り台だー!」
俺とユージとケイは完成した滑り台を見て大喜びをした。
「おじさん!ユージ!ケイも凄いじゃん!あたし一番~♪ヒャー!」
ユカが滑り台を滑りプールに水飛沫を上げて潜り込んで行った。
「ぶっはー!結構速い!ユリアちゃん!楽しいよ!」
「ユカちゃん!ドキドキする~♪キャー♪」
ユリアが滑り降りてプールに水飛沫を上げて潜り込んで行った。
「ぷはー!凄い楽しい~♪アラヤさん!ケイ君!ユージ君!ありがとう♪」
「いやいや♪」
俺はユリアの透けたブラウスの胸をガン見する。
(フム!見事だ、ユリア!)
「いやいや♪」
ユージもユリアの透けたブラウスの胸をガン見している。
「いやいや、ユリアが喜んでくれて良かったわ、うん♪」
ケイは照れながらユリアのブラウスの胸をチラ見している。
「皆、どんどん滑って大丈夫だぞー♪」
俺はまだ滑っていないミリーシア達やランジェリーの女性達に薦める。
皆喜んで楽しんで滑っていた。
勇者は滑り台を造った!どうしますか?
いっしょにたのしむ
いっしょにあそぶ
ひとりじめする
ゆうしゃにのどもとをつかまれる
よそうをする
ゆうしゃにおもいきりなげられる
ぷーるをとびこえる
やしきをとびこえる
おしろにあたまがつきささる
じょうおうさまがくる
あたまをふまれる
なんだかうれしい
よくみる
だれかがふんでいる
むひょうじょうになる
むちでたたかれる
あたまにくる
にらみつける
じょうおうさまがむちをもっていた
なんだかたのしくなる
おねがいする
あたまをふまれる
とてもうれしくなる
かおをあげる
ゆうしゃがふんでいる
おこる
むちでたたかれる
なんだかうれしい
ふりむく
だれかがむちでたたいている
むひょうじょうになる
ようすをみる←