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女神様の誘いは闇の誘い?

ガチャを回すのではない奇跡を廻すのだよ!

俺達が空中庭園に出て来たタイミングでメールの着信?しかもノエルちゃんからだと?建物の内にはなかった物が外にはあるのか…それとも…あれか。建物の中にあったものが外に出たからか…実に面白い。とりあえずノエルちゃんからのメールを読まねばならない。


「多分お告げだ♪」


世界樹の苗木を引いた時の様な!

あの日もノエルちゃんのおみくじ占いで出た。


《引けば大吉。引かねば大凶。欲しいアイテムが出るまで引くのですー♪》


俺はおみくじを信じて五回程コンビニを三件回った〔計十五回〕

コンビニの女性の定員さんに


『大丈夫ですか?振り込み詐欺じゃないですか?』


と心配されて


『いえ、課金ガチャですので大丈夫です。』


と、にこやかに笑顔で答えるとドン引きした顔で


『アー、ソーデスカ。ワカリマシタ。アタルトイイデスネ』


と応援されたので勿論俺は


『はい、今日は当たるまで買いに来ます。ではまた』


と、またもにこやかに笑顔で答えコンビニを出てコンビニの駐車場の隅で太陽に右手をかざし


『ノエルちゃんの加護を!!右手人差し指にノエルちゃんの加護を集中!!回れ回れ!オラオラオラオラオラオラオラオラ!!』


そして遂に、


遂にノエルちゃんのカットインからの~♪


ガチャ背景が金色になり


更に虹色になり


画面いっぱいに虹色の粒子が舞い落ちる。


その虹色の光の粒子がカプセルになり~♪


カプセルが徐々に開き始めると


内から虹色の光帯が6本飛び出し


カプセルが開ききった!


そこには!


そこには!!


何て言う事でしょう♪世界樹の苗木を小さな両手で俺に差し出すノエルちゃんがいたのです!!


《ノエルの一番大切な物を貴方に捧げます。大事に育てて下さいね?そして沢山のノエルの大事な物を増やして育てて下さいね♪ニコッ☆ミ》


…ふぅ、そうして俺はノエルちゃんのいや、ノエルの心、世界樹の苗木を手に入れたんだ!どやッ」


「「「「ソーナンデスネ、オメデトウゴザイマス」」」」


引き気味のこの距離感。フム、皆、通常運転だな。

そうだったメール読まなきゃ。メールを見て更に驚いた。内容は


『はじめまして豊穣の女神のノエルです。なんだか直接、守谷克哉さんにお手紙を書くのが恥ずかしいです。


初めてが肝心と言うので書きます。まずはこの世界の人々の言葉は全てが真実ではありません。信じられる方は一緒にその世界に喚ばれた人達です。


ですので守谷克哉さんに三~五つだけお願いがあるのです。


世界樹の育て方をこの世界のモノには教えないで下さい。貴方に渡した苗木はスクスク育っているようで安心です。世界樹の葉の売却や薬品などでの利用は幾らでも構いません。


ですが種や苗木は貴方か共に召喚された方の手元で育てて下さい。

出来れば世界樹の実の事は貴方一人の胸に納めて下さい。

その他の作物などは、どうぞご自由にしてください。


そして世界に降りかかる厄災は召喚された方々には本来全く関係の無い事なのです。

無理に厄災に挑む必要性など全くありません。


守谷克哉さん達の世界で言えば豪雨や突風の様な自然災害の様なモノです。ですがこの世界のには必要でこの世界の人々が乗り越えなければならない試練のようなモノなんです。

ですから前もって防ぐ事はありません。


この世界の人々は甘えているのです。召喚された勇者を隷属して従わせれば助けて貰える。隷属して従わせれば戦いに出てくれる。


召喚勇者をその程度にしか思っていません。ですのでこの世界の方々に自立を促して欲しいと思い筆を取りました。


勇者能力選定球には偽りの能力が写し出されます。

球で私が遊んじゃいます。ニコ☆ミ

その後あの球は能力選定の力を失い皆さんの携帯通話機の中央管理球となります。

そうなるとこの世界の人々には無用の物となります。

守谷克哉さんに、もしくは皆さんでお持ち頂き管理をお願いしたいのです。

無理にとは言いませんが出来ればお願いします。

球の保管場所に最適なのは高い所です。

出来れば凄く高い所が理想的です。

凄く凄く高い所が理想的です。


私のこのお手紙が貴方の元へ届く事を祈っています。

又お手紙を書きますその時はまた読んで下さいね♪


豊穣の女神貴方のノエルより心からの思いを込めて♥️




追伸、このお手紙は他の人には在り来りの挨拶と世間話の様に見える様になっていますので安心してください。


今、守谷克哉さんがお使いの携帯通話機はそちらの世界アバルディア内にいる方同士であればある程度離れていても水の中からでも通信出来ます。

条件をクリアして頂くと遠く離れていても通話可能になります。

文字の解読機能も常時使用可能状態です。

守谷克哉さん達が文字を見るとそのままで読み取る事が出来ます。


更にいかなる衝撃や熱や冷却にもその携帯通話機は壊れない様にノエルの加護が付いています。

そしてもし無くされても召喚をすれば貴方達の元に戻ります。


携帯通信機は魔法力によって起動するようにしておきました。

この世界のでならいくらでも使い放題です。

機能は限定されますが…


守谷克哉さんには特別な能力を与えます。


それは《女神(豊穣の女神ノエル)の箱庭士》の称号と《女神(豊穣の女神ノエル)の召喚術士》の職業をお与えしま~す♪

どんな土地であれ畑に変える力とどんな作物でもその作物の欠片からでも作物を育てられま~す♪

その為に必要な道具を何の制限もなく召喚出来るので~す♪

一部の道具は武器としても装備し使用できま~す♪

貸し与える事も出来ま~す♪

そして自由に使いこなせます♪

必要な時に必要なだけ幾らでも召喚して下さいね♪


豊穣の女神貴方のノエルより心を込めて♥️』


「ふぅ、なんだ、ただのラブレターか…キリッ」


メールを読み終えた俺はポロリと呟いた。


「キャー♪アタシ、ノエルちゃんのお陰でホーリーキュアラーに慣れた~♪」


女子高生は嬉しそうにピョンピョン跳ね廻っている。

女の子の喜んでいる姿は良いものだ。

フム、ヒーラか。願ってもない、いい引きだ。


「私は…ノエルガーディアンて言うのになりました…。少し怖いかも…」


何だかOLさんは浮かない顔している。タンクは苦手なのかも知れない。


「俺、剣聖だってさ、いざと言うときまで剣を抜くなって書いてたけど俺、剣なんて持ってねぇよ」


男子高校生は剣士ジョブのようだな。

いやいや、持ってるでしょ!右のポケットに!


「俺は拳聖だって。やっぱボクサーだからか?」


イヤホンの若者はファイター系の様だ。

確かにあの時拳が光っていたな。

あれか!テレレレー♪俺の右手が光って…げふんげふん。


「俺は召喚士だな。戦闘系じゃ無いようだサポーターとして良いのか。フム。」


俺達はメールを読み終えそれぞれのジョブの名前を語った。

ある部分は隠して。

四人の顔を見ればわかる皆も秘密がある様だと。


そう俺が思っていると国王が前を歩きメイガンがカートを魔法使い達と三人係でこちらに押して来ていた。


「勇者様方、はぁ、はぁ、はぁ、大変お待たせ致しました。では勇者能力選定球にて能力を、スキルをお確かめ下さい。」


もうこの球ころが俺達への罠でありこいつらを騙すただの球ころだと判っている。

ここは大人しく従う事にするのがベストだな。


「よし、まずは俺から始めよう。操作方法はあるのかな?メイガンさん」


「はい、両手を触れて名前を仰られて下さいませ。」


名前をねぇ…。なるほどねぇ…魔法世界だからと思っていたらやはりそうして勇者を傀儡にしていた訳か。


「あー、ちょっと待っててくれ。大事な事を忘れていた。少し皆と話をしないといけない事があったんだ。女神ノエル様からのお告げだから五人だけて話し合わなくちゃいけない。口外無用でよろしく。」


俺の言葉に国王とメイガンと二人の魔法使いは息を飲んで驚いていた。


俺が手招きをして四人を集める。俺は小さな声で呪文を唱える。


「召喚、ミラージュ・ガード(ビニールハウス)・ドーム」

すると俺達を多い尽くす様に小さなビニールハウスが出て来た。


「「「「凄くない?これ!!」」」」

皆が驚いている。フフフ横髪をくるくるとして髪をかき上げて


「どうだい?召喚魔法だ?どやッ」


とすると


「…大丈夫ですか?あの人達見てますよ?」


OLさんが外を心配している。俺のどや顔を完璧にスルーするとはOLさんまさか!ピキューンて、んな分けないか。


「大丈夫、大丈夫。この中の声は外には聞こえないし外からは中の様子は見えなくなっている。だから皆スマホ出して。」


言わずとも今から何をするのか判っているようだ。

そう皆でアドレスを交換するのだ。そして更に俺は皆に伝える。


「いい?今からあの球ころに触れるが本当の名前を言わない様にするんだ。名前はこの国に記録される筈だ。魔法使いの国と言うことは名前を隠していた方が良いことがある。最も親しく信用出来る人にだけ伝えるんだ。この世界の人々には決して教えてはいけない。どんなに仲良くなってもだ。あの球ころには名字は答えなくていい。名字を持つ者はこんな世界では貴族か王族だけだ。いい?正村 祐司君、香我美 由香さん、君達の名前は(すで)に知られている。だから名字を交換して隠すんだ。皆、スマホの名前も偽名に変えておくんだ。祐司君と由香さんも名前の漢字の読みが同じ物にを書き換えておくんだ。」


「「うん!判った!」」


高校生二人はいい返事だ。


「戸村 慶悟君と石川 百合さん二人も偽名に変えるんだ」


「俺達も名字を入れ換えて名前を偽名にするんだな?」


「ああ、それがいいと思う二人の相性も良さそうだしな」


「えっ!///何を言ってるんですか!」


「えっ?だってその反応を…まぁいいか皆まで言うまい。だが私には見える。ううん。慶悟君は腕も立つ。それに戦闘スキルも経験者だからあると思う。格闘ゲームとかは得意かな?慶悟君。」


「ああ、最近はさっぱりだけどアーケードだと上位ランカーだったぜ」


「だったらここでの戦闘はお手のものだろう。ノエルから貰ったスキルをあの球ころは読み取れないのは皆覚えてるね?」


「「「「うん」」」」


「この先は何が起こるかはわからない。でもノエルお告げにあったようにこの国の厄災は地球での災害の様なモノらしい。人間が自分達で台風を止めるなんて出来ないだろう?」


「「「「うん!」」」」


「それと同じだと思えばいいんだ。そして、その時々に『女神ノエルのお告げ』だったと言えばいいんだ。いいかい?この世界の人が災害で死んだとしてもそれは、天命だとして前に進むんだ。皆の事は皆で守ればいいんだ。守るべき人を間違えないでくれ。守るべき人は、四人ともそれぞれパートナーになったよね?そのパートナーを最優先に守る様にするんだ。」


「守谷のおじさんは?パートナーいないジャン?どうするの?」


「ああ、俺はいるんだ。始めから守るべきモノが。だから心配ない。それに俺はここ(心臓)が弱っている。だから俺の出来る事の精一杯をやる。そしてあいつら(勇者召喚を行った者達)が隠しているかもしれない『安全に地球に還る儀式』を探す。それに俺達を召喚した儀式さえ俺は疑っている。」


「「「「えっ?どういう事?」」」」


「最も安全に勇者を召喚する儀式があるはずなんだ。必ず。それをあえて使わずに俺達に傷を負わせて召喚したんだ。恩を売るだけの為に。あいつらに借を作ったと思わせる為に。あいつらは他の人にも被害の出る事を百も承知で召喚の儀式を使った。そんな奴らを信用出来る訳がないからね。ノエルお告げの文面を口に出さずにいつも心かげておく様にね?」



「判った。おっさん。俺はこれからもおっさんって呼ぶけどいいか?」


「勿論、ユージ君。俺はユージ君と呼ばせて貰うぞ?」


「あー、ユージでいいよ、おっさん。」


「判った、ユージ。よろしくな。」


「へっ、なんか照れるな。」


「おじさんアタシは、おじさんって呼ぶね♪」


「ああ、俺は~」


「ユカでいいよ。よろしくねおじさん♪。」


「ああ、よろしくな、ユカ。」


「慶悟君は、名前どうするの?」


「ああ~面倒だからカタカナでケイでいいわ。あんたの事を俺はあんたって呼ぶわ。先に言っとくけど君は止めろよ?」


「ふっ、OKだ、ケイよろしくな。」


「あの私は、その…ユリアて呼んで下さい。///」


おふぅ!何かがクリーンヒットした。俺は出来る限りの低音の声で。


「ユリア…。キリッ」


「///はい!あの私は守谷さんの事をなんて呼びましょうか?」


「そうだな…フーム、アラヤさんでもアラヤでも呼びやすい方でいいよ」


「じゃアラヤさんと呼ばせて貰います♪」


「OK準備はいいか皆!」


「「「「オオッ!」」」


「初めての攻略イベントとしては温い(ぬるゲー)か。チュートリアルだと思って行こう。まずはあの球ころ攻略と奪取だ!」


「「「「オオッ!」」」」



ミラージュ・ガード・ドームを俺は解除して球ころの前に立つ。


「メイガンさん始めるぞ?」


「勇者様…先程の輝くドームは…」


「ああ、あれはノエル様からの贈り物だ。異次元収納型のテントだ。」


「左様ですか!なんと女神様から贈り物など聞いた事もありません…はい。あ、ああ、すみません。いつでもどうぞ。勇者様。あ!一つ言い忘れておりました。魔法力込めずにお願いします。出来るだけ穏やかに。」


なるほどねぇ。球ころに両手で触れて俺は呟く。


「アラヤ。」


球ころがゆっくりと光り出す。

温度の上昇もない。

ただ明滅しているだけだ。

徐々にこの国の文字が浮かび上がる。

俺に読めないとメイガン達は思っている筈だ。

だがしかし!読めるのだよ俺達には読めるのだよ。

剣聖…アホ丸だしだな球ころよ…本当にノエルの掌で転がされているようだな…

球ころに男として同情しつつ心で球ころに敬礼をする。

そしてメイガンを呼ぶ。


「メイガンさん~これなんて書いてるんだ?」


メイガンが側によって来る。先程まで両手の指にジャラジャラと着けていた指輪が全部無くなっていた。メイガンの顔が青ざめている。

膝もガタガタと震えている。顔から汗をタラタラと流し始める。

ゴクリと唾を飲み込むとようやく口を開けた。


「アラヤ様は…剣聖でございます。」


俺は何食わぬ顔でメイガンに聞く。


「剣聖?騎士の上級者か?」


メイガンはワナワナと震えてながら何度も首肯く。


「なるほど剣士かじゃこれも使えるな。」


無詠唱であるものを召喚する。


俺の両手で持つ一対の剣。

燃料タンクに魔法力を注ぎ込む。

燃料ゲージが上がって行く。ゲージの下の辺りは赤。

中程で黄色。最大ゲージで緑に変わった。

地球の物とは使い方が違う様だ。スイッチを入れる。

けたたましいエンジン音が響き渡る。

銃の引き金様な物を人差し指でグリップに引き寄せる様に軽く握る。更にエンジンが激しく唸る!!

剣の刀身を連なった短い刃が高速で廻っている。


「なっ!そんな馬鹿な…」


メイガンはワナワナ震えて膝がガクガクと笑っている。

そのまま座り込むメイガン。

漏れて無いようだな。

濡らしていないことは誉めてやろう。

貴様はカスだがな。

スキル剣聖の筈が丸腰だった俺の両手に見た事もない武器を持っているのだから。

剣聖の上に召喚士。

召喚士はこの国の秘中の秘の筈が召喚されたばかりの成り立て勇者が簡単に召喚術を無詠唱で行ったのを見ればこの様に生まれたてのメイガン(くそやろう)が出来ます。


「テテレテテテーン、デュアルチェーンソード。」


誰かの突っ込みが無いのが虚しい。

近くに倒れていたぶっ太い木を両手のチェーンソーで切り刻んで行く。

メイガンや国王や魔法使い達が驚愕している。

剣で倒木を切り刻んでいるのだ。

轟音を立て木屑を撒き散らし倒木を切り刻んでいる。

こんな剣技を見た事はないだろう。

ただ削っているだけだが。

何と言う事でしょう♪倒木は見事に木屑に生まれ変わりました。

四人も楽しそうにして喜んでいるからこんな物かな。

デモンストレーションは。

俺はエンジンを止めメイガンに疲れたという風に話かける。


「フゥ、まだまだだな…こいつの力を全力で使えない様だな。腕も鍛えないと駄目だな。向こうで少し休んでいるよ。」


俺は庭園中央にある噴水広場前のベンチを示し歩いて行く。

メイガンと国王と魔法使い二人は口を開けたまま頷いていた。

俺はデュアルチェーンソードを背中に納刀するように見せかけて解除して消した。


「じゃアラヤさん行ってきます」


「はーい、戦士系のスキルだったら呼んでね~♪」


「は~い♪」


「ヒュー♪おっさん格好い~♪スキル何だったんだ?」


「俺のスキルは剣聖だったよ。」


「ぶっふっ!!おじさんそれで二刀流?格好いい~♪プフッ。チェーンソー振り回すのってホラーゲームとかしかいない…プププ…アタシ我慢出来ない。あれ出しておじさん!」


「はいはい。」


ユカをミラージュ・ガード・ドームで覆う。ユラユラとユカらしい影が揺れているのが解るだけだな。


「あんたメチャクチャするな…あれ出力全開?」


ケイが呆れたように聞いて来る。俺は床に座り込んだように見せ掛けてケイに答える。


「いや、あれで10%位。ユージが使えばもっと上手く扱えるだろうな。剣として。」


俺はうつむきながらケイに方に顔を向けニヤリと笑って見せた。


「ウクッ。チェーンソーは剣じゃ…あの中は外から入れるのか?プフッ」


「ああ、外からノックすると内の人が許可すれば入り口が開くぞ」


「行ってくるウククッ」


ケイがミラージュ・ガード・ドームに吸い込まれる様に入って行った。


「なぁおっさん。そんなに笑える事なのか?チェーンソーを剣みたいに扱う事は。」


「まぁあれだ。ユージはバイオレンス系のホラーゲームはやったことあるか?」


「ん~ないな。」


「たぶんツボはそこだ。簡単にはいうと俺がチェーンソーを振り回すゾンビに見えてそれがただひたすら倒れた木を切り刻んでるのが笑えたんだろう。」


ユージに簡単に説明をした。


「あーなるほど。チェーンソー振り回して襲って来るはずのゾンビが木を滅多切りしてると思うとホラーじゃなくてギャグだな。」

ユージにも伝わった様だ。


「「めっちゃくちゃに笑えた。」」

と言いながらミラージュ・ガード・ドームから二人が出て来たので消しておく。ユカとケイが楽しそうにしていて良かった。

四人で談笑しているとユリアが帰って来た。


「ユリアさんどうだった?あれを出しておじさん♪」


「あいよー」


五人で座り込みミラージュ・ガード・ドームで包む。


「あれ本当に適当にスキルを映すんですね。」


「ああ、あれはもうあいつらの制御に無いからな。今はノエルが遊んでいるだけだから。で、スキル何が出た?」


「ホーリーキュアラーだったかな?」


タンクをヒーラーと読み間違えさせるとは。


「あっはははははは、下手すると球ころに皆が触れる前に壊れるかもしれないな。あっはははははは」


「えっ?アタシもやりたいのに~」


ユカがだだっ子のように座ったまま足をバタバタしていると子供のようで可愛く思えた。思わずユカの頭を撫でていた。


「えへへ~♪」

ユカは嬉しそうに笑顔で笑っている。


「じゃ次は、ユカが行ってくるか?順番は誰でもいいんだし。」


「本当に?」


「ああ、球ころを混乱させて更にあいつらを驚かせて球ころが使えなくなればいいんだ。チュートリアルだ。遊びの入り口だ。俺達のな。もうあいつらに召喚の儀式なんて事をさせない為の俺達からの宣戦布告だ。俺達が今までの勇者みたいに傀儡になって自分の意思もなく戦わせられていたかもしれないと思うと吐き気がしてくる。だからまずは俺達専用の連絡回線の奪取だ。球ころさえ手にはいればこの城も様は無しだからな。まぁ、ユカとユリアが治癒魔法を覚えたらマジでこの国もおさらばしていいんだし。」


「「「「えっ?そうなの?」」」」


「ああ、この国には多分もう勇者の子孫もいないだろうな。だからあいつらは勇者召喚をやったんだ。大方勇者の子孫がいる国と戦争でも始める気だろうな。」


「その戦力の補充に私達を?強い兵隊はいないってこと?アラヤさん」


「ああ、ユージがぶっ刺した兵士がこの国で一番強い奴らしい。近衛隊長だからな。」


「王様を一番近くで守る兵隊のこと?おじさん」


「そうそう。王様を守るんだから強くなくちゃいけない訳だが。」


ケイがタバコの代わりに木の枝を咥えて俺の話の続きを始める。


「スキルも大して使っていないユージに腹を突き刺されてその上精鋭だった残りの五人も俺とあんたに吹っ飛ばされ近衛隊長顔面丸潰れって訳か。」


「そう言う事。この国の力の戦力は見た。次は…」


「「「「魔法使いの力だ!」」」」


「その通り~♪皆、流石だな~♪」


「それに最終手段みたいなのもあるんでしょ?おじさん♪」


「うんうん、まだまだだけどね。まずその為にはかなり広大な土地が必要不可欠なんだよな。」


「土地?アラヤさんもしかして!!」


「感が良いな。ユリアは。フムフム、ケイはそういった所に引かれるんだな…なるほど。」


「///もうアラヤさん!」


「///あんたさ…一番歳上なんだから空気読めよ///」


「ん?二人とも隠す必要無いんだぞ?もし俺の計画に俺が持ちこたえられなくなったらこの世界の何処かで幸せになって貰わなきゃ俺も死んでも死にきれなくてゾンビになってチェーンソー振り回すぞ?倒木に向かって。」


「「「「ぶっふっ!!なんで倒木!!」」」」


「幸せになって無いものに意味のない事をひたすら繰り返すチェーンソーゾンビ。見てるとなんか笑えて来るだろう?しかもノエルの加護着き武器だと思うと余計に笑えるだろう?」


「「「「えっ?あれノエルの加護!?」」」」


「うん。そうですけど何か?」


「じゃおっさん…やろうと思ったらエンジンずっと回りっぱなしとかも?」


「うん。そうだよ。」


「ぶっは!!くそ近所迷惑武器ジャン」


「まぁ、あれ以外にもあるけどな。そのうち俺が見せてやるよ…農作業具の真の実力を。ただの剣とは違うのだよ!ただの剣とは!!フフフフ。」


「ちょッおじさん怖いあははははは」


「なんだか楽しみアラヤさんが楽しそう。」


「俺なんと無く判った気がする。この中で一番無害そうなあんたが一番ヤバい奴だわ。」


「えっ?嘘~俺無害に見えてたのか~♪じゃそう言う風に行動しとくか~♪」


「おっさん、おっさん!なんか外の奴らが中を覗いてるぞ?」


「あー休憩が長引いたか。よしそれじゃ三番手は?」


「アタシ~♪」


「ほいほい。戦士系のスキルが出たら呼んでくれ~♪そうだなケイとユージにも俺が武器を出してやるからスキルが球ころに表示されたら叫んで教えてくれ~♪」


「あいよー。」


「判った~て多分あんたの事だからな…。」


ケイの反応を見て俺はニヤリと笑みを浮かべた。

球ころよ…お前の勇姿は忘れない…バイバイ☆ミ

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