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女王様と機獣。

勇者は探し物をしています!どうしますか?


いっしょにさがす


てつだう


いっかしょにあつめる


とらっくにつみこむ


はしりさる


ようすをみる←

俺達は取り敢えず城の宝物庫と食糧倉庫を見つけて目印の棒を立て行った。


宝物庫は八棟であと二棟がまだ見付らない。

食糧倉庫は五棟全部無事に見つかった。


「///アラヤさーん!最後の食糧倉庫が見付かりましたー♪こっちでーす!///」


「あーぁ、ユリアに見つけられちまったか。」


ケイは少し落ち込んでいる。

ユリアが右手を大きく振って食糧倉庫の埋まっている場所を知らせてくれている。

(フム、なかなかの揺れ具合だ!流石だ、ユリア!)


「おっユリア~♪ナイスー!よしっ、これで暫くは街の食糧倉庫と合わせれば持つだろ~♪」


俺もユリアに大きく右手を振って返事を返す。

ケイが凄く嬉しそうな顔をしている。

ケイとユリアが二人でほとんどの食糧倉庫を見つけ出している。


この都市の食糧は全て近隣の街や村の税の徴収や購入品で賄われていた。

大都市でありながら畑が周辺に全く無い。

魚などは湖で漁を行っているようだが肉や野菜や果物や穀物など自給は王都では出来ていない。

(フム、そこまで大地の恵みを失ってまでも到来者を必要としながらあれだけの人数を…全く意味が解らんな。)


「おっさん、あいつがションベンがどうのこうの言ってんぞ。どーする?」

「好きなだけ漏らせと言え。キリッ」


ユリアの横で棒を地面に刺しながらユージの問い掛けが理解出来た瞬間に俺は即座に返答をする。


「おっさん即答だな♪」


「一度漏らしているからな。二度三度漏らしても変わらないだろ?」


青年はユージとの対決の時に漏らしていた。

床にみっともない模様が残っていた。


「あー!あいつ漏らしてたな!じゃあいいか。」


「それに逃げ出す口実だろ。デカイほうも漏らさせろ。」


「ぶっ!マジか!」


「マジで!あれだけ手加減をしていたユージを後ろから殺そうとした奴にかける情も容赦も一切無い。漏れるのなら小も大も変わらないだろ。キリッ」


「///アラヤさん宝物庫を探しにケイ君と向こうを見てきます!///」


ユリアとケイはこの宝探しの様に食糧倉庫や宝物庫を探す事が楽しいらしい。

二人はどちらが多く見つけるかの勝負もしていると。

勝つと夜に楽しい事が待っているとケイが言っていた。


「ハイハイ~♪何かあったら教えてくれい♪キリッ」


「ハイよ~♪」

「///ハ~イ♪///」


ユリアがケイと宝物庫を探しに離れて行った。

ユージと話をしているとユカがなんだか笑いを堪えている様に楽しそうに歩いて来る。


「あー、いたいた!おじさん~あいつがおっきいのが漏れそうだってー!」

「好きなだけ漏らせと言ってやれ。キリッ」


「プッ!即答ー!」


ユカが吹き出して笑っている。

こういう一時が楽しい。


「簀巻にしてあるから漏らしたいだけ漏らさせばいい。キリッ」


「ぷぷっ!オムツみたいな物?簀巻って。」


「いや、違うけど漏らしても藁がションベンをある程度吸うだろ。まぁあのまま青年を何処(どこ)かに捨ててもいいけどな。ちょっとな。キリッ」


「あーあいつのストレージの事?そだよねあいつ武器いっぱい持っていそうだもんね。」


「そういう事だな。腕を左右共に肘を曲げて手首を胸に当てて縛ってあるからストレージに手を入れる事が出来ないからな。ストレージに手を入れても引き抜け無い。足も曲げた状態(女の子座り)で縛って達磨みたいな縛り方をしてあるからな。解くのも面倒だ。キリッ」


「おじさんあいつはどーするの?」

「置いて行く。キリッ」


「プププっまた即答ー!」

「ぎゃははは!おっさん即答ー!」


ユージとユカは俺の反応を楽しそうに笑っている。


「で、おっさんあの子達はどーすんだ?」


「一緒に行きたいって子は連れていって何かをしたいって子はさせてあげるかな?」


「おじさん本人任せ?」


ユージとユカのユニバース・ベヒモス達がゆっくり近付いて来る。

ユージとユカが側にいない事が寂しい様だ。


「まぁ、そう言う事だな。キリッ」


「なるほど…んじゃおっさんあの子達との結婚とかは?」


「そこも本人任せだな。何人かその事が気になっている子もいるみたいだからな。」


ユージとユカのユニバース・ベヒモス達が近くで停車している。ユージとユカの側に来たので安心したようだ。

俺のユージに言った返答に何か気付いたユカが俺に耳打ちをする。


「あー!おじさんおじさんあいつとの対決でユージがモテモテになってるからでしょ♪」

「ユカ♪その通り~♪」

「ユージにはまだ内緒?」

「うんうん♪解ってそうなるより俺達は誰とどうなるかを見ている方がドキドキワクワクして楽しいだろ?」

「うんうん♪ユージに何人お嫁さんが出来るか頑張って貰いませう♪目指せユージ♪ユージ専用ハーレム♪」

「だな♪」


「何ひそひそやってんだ?」


ユージが眉を潜めて俺とユカに聞いて来る。


「「内緒~♪」」


ユージは肩を軽く(すく)める。


「ヘイヘイ、こういう時は聞いても教えてくんねぇんだよな?おっさん。」


笑って右手をヒラヒラ振ってユージが楽しそうに言う。

ユージは俺が解って来た様だ。


「その通りだな。まぁ、強いて言えばユージのフィーバータイムのお楽しみはこれからだ!だな。」


俺は右目を閉じてウィンクをする。


「おっほ!おっさんそう言う事か♪それなら聞かねぇ~♪」


ユージはご機嫌になって口笛を吹いて歩いている。

ユカはユージの左腕に絡まる様に腕を組んでユージと一緒に歩いている。

一時の穏やかな時間が流れる。


「あっ!そうだ♪ユージ、ユカ、ほい!」


俺はユージとユカにストレージから缶ジュースを二本出して下から投げて渡す。


「オッ!マジかよ!おっさんサンキュ~♪」

「あっ♪やったー!おじさんありがと~♪」


一昨日収穫した果物で生産した。

100%パイン(生産加工LV75)ジュースを二人の好きなジュースらしいので作っていた。


「空き缶はストレージに持っていてくれ~♪」


「ハイよ♪」

「うん♪判った~♪」


ユージとユカは美味しいそうに飲んでいる。


「めっちゃうめぇー♪」

「スッゴい美味しい~♪」


喜んくれた様だ。


「それじゃ俺は東側の彼女(全身タイツスーツの)(女性達)の様子でも見て来るな~♪」


「判った~♪俺達も他の子達を見て来る~♪なんかあったら電話するな~♪よーしベヒモス~♪こっちこーい♪」

「おじさん行ってらっしゃい♪ベヒモス~♪おいで~♪」


ユージとユカに向かって二台のユニバース・ベヒモス達が低音の動力音を唸らせてゆっくりと進んで行く。


「OK~♪じゃあまたあとでな~♪」


俺はユージとユカと離れてユニバース・ベヒモスに乗って移動する。

ユニバース・ベヒモス達は搭乗者の命令を聞く様に言ってあるので俺がいなくてもユージやユカ達の命令にも従って動いてくれる。

とても素直で可愛い子達だ。

皆がベヒモス達を可愛いがってくれているのはベヒモス達を見ればよく判る。

皆で移動している時も動力音が良い音を奏でているし別々に走って行く時も嬉しそうな動力音を唸らせて走って行く。

今はミリーシア達も仲良くしている。

ベヒモス達は初めはミリーシア達を凄く警戒していた。

ミリーシア達の魔法力の強さを怖がっていたが今はとてもなついている。

ジェネシス・ベヒモスがミリーシアに一番なついている。

俺の乗るユニバース・ベヒモスが低音の力強い優しい動力音を唸らせている。


「オッ!今日もご機嫌だな。良い音だ、ゆっくり低速で進めユニバース・ベヒモス♪」


俺は全身タイツスーツの彼女達共ベヒモス達が仲良くしてくれる事を願っていた。



俺は彼女達にも手伝いをしてもらっていた。

彼女のルーンと魔法力は若干何かが違う様で俺達の魔法力よりも精神的な物がより強く反映される様だ。

その為彼女達にも区画整理の手伝いをして貰いながら魔法力とルーンの使い方を少しずつ覚えて貰っている。


彼女達の心に刻まれた傷は俺の計り知れない程大きな物だ。

彼女達の心の支えだった青年の所業は許される物じゃ無いが彼女達は心の支えを無くした事も事実だ。

俺は出来れば青年には生きていて貰いたいと思っていた。

青年が心を入れ替え一人立ちが出来れば彼女達も青年と元の関係と迄は行かないだろうが挨拶を交わす程度までは戻って欲しいと思っていた。

青年が今死ねば彼女達の怒りを向ける矛先が無くなり壊れ行く世界に取り残された彼女達の生きる気力が失われ兼ねない。

まだ彼女達は若い充分やり直せる。

俺はそう願いながら青い髪の長い全身タイツスーツの女性の区画整理をやって貰っている場所に向かう。



「おお、もうこんなに使える様になったのか。凄いな。」


青い髪の長い全身タイツスーツの女性に任せた区画整理がかなりいい感じで進んでいた。

強度の高い建物は損傷なく建っている。


「あっアラヤさん!こんな感じで良いですか?」


自然な笑顔で振り向いた彼女はとても魅力的だ。

(フム、笑顔もなかなかだな、この全身タイツスーツも悪くは無い。逆にいいな!)


「ああ!もうここは終わりでも良い感じだな。キリッ」


「本当に!まだ残っていますけど。」


「じゃあ、今建っている建物を見ていてくれ。ふん!」


俺は魔法力を軽く放出する。

大気が揺れ大地が震える。

魔法力の放出を止めると大気の揺れと大地の震えが止まる。

先ほどと建物の倒壊は変わっていない。


「うん。充分だな。キリッ」


「凄い!私達もそんなに自由にコントロールが出来る様になりますか?」


「ああ、コツは元の世界にいたように生活が出来れば簡単だ。あとは感情の起伏に気を付けるくらいだな。」


「そうなんですね!」


「この世界のモノが脆いと解っていれば体が自然と歩く時も考えずに歩いているだろう?」


「そう言えばそうですね!脆くて軟らかい筈のお城の中を普通に歩いていました!今もこんな事も出来ます♪」


青い髪の長い全身タイツスーツの女性がその場で跳び跳ねて見せる。

(おお!なかなかやるな!狙ったな!女王様!)


「だからこの世界の服や鎧なんかはなれると自分達が脆弱になって行くんだ。壊さない様に破らない様にと力を抑えて次第に自分達の持っていた力を無くして行くんだ。」


「凄く解ります。確かに変な鎧を着せられていた頃は歩く時も壊さない様にと気にしてました。」


青い髪の長い全身タイツスーツの女性が嫌な事を思い出しているようだ。


「だろうな。俺達も始めは試したんだ。服の着替えが無いからな。破らない様に着ようとすると動けなくなるほど脆くて駄目だった。それで気付いた訳だな。慣れてはいけないとな。」


「確かに今はとても体が楽ですね!自由に動いて良いんだなって思えて凄く楽です。」


上半身を左右に軽くひねりストレッチをして見せてくれた。

(やはりなかなかのモノだ!女王様!)


「それは良かった。」


青い髪の長い全身タイツスーツの女性の顔が少し曇る。

悩み事の様だ。

言い出し難そうに声を出す青い髪の長い全身タイツスーツの女性。


「アラヤさん、…レメスは…やっぱりレメスを殺しては駄目ですか?」


青年の事がやっぱり許せ無いのだろう。

四年間と言う長い年月と騙されて隷属させられていた事は許しようが無い。

更に言い様に弄ばれていたのだ。


「ん、やっぱり生きている事も許せないか。」


「はい…さっきのユージ君とレメスの対決の時も…私達がいても躊躇なくオーラ・スラッシュを使って…」


「青年は多分放って置いても長くは持たないだろう。」


俺は青年の弱体化を感じていた。


「えっ!」


「青年は順応し過ぎている。青年はこっちのフルーツをプニグループを食べていただろ?少し待っていてもらった時に同じ様なフルーツの葡萄を食べずに。」


「あ、はい、皮が硬過ぎて実の味が濃過ぎるからと言って…」


「それにこれで少し酔っていただろ?」


俺はボトルを彼女に渡す。


「はい!私達は美味しいジュースでした。でもレメスは少し酔っていました。」


「まぁ、栄養素の足りない食糧で満腹感だけを満たしていたんだろう。この世界な衣服や鎧に身を包んで更に毎日の様に数人の女性と激しく運動をして時には戦争で大規模戦闘までやっていたのならあの程度の力になってしまうだろうな。」


「でもレメスはこの世界の武器で斬られた事はないって沢山の人を戦争で殺していたと…」


「うん、この世界の人間だけを基準にしたなら青年は無敵状態だろうな。」


ゲームに例えるのならルーキーフィールドで無双をやるLVカンストの迷惑プレイヤーがいるようなモノだ。

この世界の人間が勝てる訳がない。


「えっ、もしかしてレメスは召喚されて来た人とは戦った事が無いんでしょうか?」


「多分。戦争でこの世界の人間を沢山殺して来たかもしれないが彼の日記を読んで解った事が幾つかある。少し待っててくれ。」


「ハイ。」


俺は青年の日記をストレージから何冊か取り出してページを捲り

目的の日記を探す。


「これだ。性行為をこちらに来て最初の二年間は君達とだけしてるがあとの二年間は君達以外にもビゼルデル帝国の到来者の女性達と性行為をしているが青年は一度も避妊をしてはいない。こっちに来て見てくれ。」


俺は青年の日記をストレージから取り出し青年の性生活編のページを読みながら彼女に伝える。


「えっ!あっ、ハイ。」


俺と並んで彼女も青年の日記の性生活編を読んでいる。

(フム、青年は元カノに自分の性生活の日記を読まれていると知ったら顔真っ赤で自殺モノだな。)


「避妊を青年はしてはいないだろ?」


俺と彼女はページを捲りながら青年の性癖を読んで行く。


「…ハイ…確かに、出した!ぶっかけた!ばかりですね?」


彼女は明らかに呆れている。


「青年は後半の二年間の性行為でもビゼルデル帝国にも子供はいない。青年だけじゃなくてビゼルデル帝国の女性達も妊娠出来ない身体に脆弱になっているんだろうな。あー、ここだ。子供の死産が続いたあと妊娠しなくなったと聞いたと書いてある。」


五十代の女性にも子供はいなかった様だ。

だからプロポーションを保てているようだ。


「そんな!?」


俺は余りにも読む価値も無い青年の性生活編の日記をストレージに放り込んだ。

(フム、正に自己満足と自己顕示欲とナルシストの証の様な日記だな。実に下らん。)


「君はこの最近の二年間でルーンを使用したか?」


「あっ、…そう言えば…そう言えば使っていません!初めの一年間は何度もルーンを使いました。回数を覚えていない程…」


「青年はこの世界で君達よりかなり脆弱になっている。青年は壁にめり込んだ時に意識を失っただろう?」


青年はまるで漫画かアニメの猫のキャラクターの様に面白い様に壁にめり込んで気絶していた。


「はい!気絶していました!」


「もし俺達が同じ様に吹き飛んだらどうなると思う?」


「えっ?壁にめり込む?」


「まぁ、めり込むだろうが壁の方が破壊されるだけで壁にぶつかった衝撃は俺達の身体には残らない。気絶もしない。」


城の床も踏み締めるだけで壊せるのだから壁に激突した程度ではダメージは残らない。


「レメスはそんなに脆弱になっているんですか?」


「今の君達が本気で殺すつもりで蹴れば青年は即死するだろう。」


「でも私達レメスを沢山蹴りました!」


簀巻の青年は幾度となく彼女達に蹴り踏み締められていた。

(フム、まぁ、ご褒美だろう。青年には。)


「それも身体が意識的に力の加減をしていたからだろう。君達は青年と性行為の中で力加減を覚えている。だから青年は無事にお仕置きを受けられていたんだ。だが俺達の仲間は青年を蹴らなかっただろ?」


「あっ、そういえば!はい!」


「青年に対しての力の加減が解らないからだ。」


「あっ、でもユージ君は蹴ってたじゃないですか?」


「フフ、それはユージはかなり優しいからな。あの蹴りも凄く軽いモノだ。それにユージは喧嘩も慣れている。刃物の扱いも本物をユージは知っている。」


「レメスも本物の剣を戦争で使っていましたよ?」


「この世界の剣をだろ?元の世界で本物の剣を扱った事は?」


青い髪の長い全身タイツスーツの女性は首を横に振る。


「ユージのナイフは俺達の世界の本物のナイフだ。この世界のナイフじゃあ無い。」


「えっ!じゃあユージ君は元の世界でも…」


「殺人はしてはないが傷害事件は何度も起こしていたそうだ。それにユージは本物の()を幼い頃から扱って育って来ている。ユージの剣技と青年の(スキル)LV(精度)が違っていただろう?」


「…はい、レメスはだたスキルで振り回していたような…」


「ユージの身体にはゲームとは違う本物の剣技が身に付いている。青年のゲームで覚えた技とは全く次元が違う。陽炎でも全く違っていただろ?」


「ハイ!レメスのオーラは薄くて見えにくかったですけどユージ君のオーラはとてもはっきりと見えて勇ましい強さを感じました!」


「ユージは数年前まで本物の剣を用いて人を斬る為の殺す為のその剣技を磨いて来ていた。遊びとは違う。本物の()で本当にモノ(人間の代用品)を斬って鍛練をしてきている。」


「…レメスの(スキル)は遊び程度のモノ…私はそんなモノを怖がっていたなんて…」


彼女は両手を拳に握りしめ怒りを抑えている。


「そうだな。ゲームの中で例えPVPが強かったとしてもそれはあくまでもゲーム(遊び)だ。本物とは違う。青年は同じ武器を使っても俺達の陽炎には勝てない。今の君達にも青年は勝てないだろう。」


「レメスがもし召喚された人と戦争で戦えば…」


「確実に死ぬだろうな。」


「今後、レメスはどうなると思いますか?」


「まぁ、城もなくなって国王も死んで後ろ楯も無いし金の稼ぎ様がない。山賊か到来者の勇者を名乗り傭兵になるしかこの世界での金の稼ぎようが無いだろうな。」


彼女にユージ達と同じジュースを渡す。

青年が逃げられたとしたら選択肢はそれくらいしか残ってはいない。


「ありがとうございます。美味しい!」


「だろ?いくらでもあるから遠慮はいらないぞ?まぁ、俺は青年を連れて行くつもりは無い。このまま簀巻で置いて行く。」


「えっ!殺さずに!?」


彼女は青年が生きている事がとても不満な様だ。


「ああ、だから青年にビゼルデル帝国に行けと言った。青年がこのままこの国いても何も出来ないだろう。さっき言った通り青年は放って置いてもそう長くは持たないだろう。戦争に加担して傭兵をしていて他の国の到来者と出くわせば確実に死んでしまうだろう。」


「レメス…」


抑え切れない彼女の魔法力が青年の名前と共に漏れ大気を揺らし大地を震わせる。

割り切れない怒りが彼女の中で爆発しかけている。


「今日まで好きだったから余計に腹立たしく思うだろうが君達の手を青年の血で汚す必要はない。」


恨みで青年を殺めたとしても彼女の心は癒されない。

体と心に罪悪感が残るだけだ。


「でも!!私達を…オモチャにしたレメスを…許せないです…」


「君達が青年を殺す事は簡単だ。青年にはこの世界のモノでも十分ダメージが与えられる。青年は俺達や君達に対しては無敵じゃ無い。それこそいつでも殺せる。」


地面に彼女が脆い建物を破壊する為に使っていた魔法力コントロール用の大きな木槌〔本来は柵を製作する時に使用する物〕が転がっているのを指で指し示す。

彼女の身体の中で激しい葛藤が渦巻いている。


「…そう…ですよね…でも…」


俺は話しの方向を真逆に力業で強引に変える。


「君は俺達と一緒に来るんだろ?」


「ハイ!行きたい!」


彼女の表情が明るくなった。


「青年の事を考える暇が無いくらい楽しませてやる。畑仕事も楽しいしな♪それにほら、あの子達にも乗せてやる。」


俺と一緒にここに来たユニバース・ベヒモスを指をさして彼女に示す。

ユニバース・ベヒモスは俺に気が付いた様に動力音を唸らせている。


「えっ!誰も乗っていないのに!マシンじゃあ無いんですか?」


彼女は誰も乗ってはいないユニバース・ベヒモスが動力音を唸らせた事に驚いている。


「外見は機械だけどちゃんと個性も意思も持っている。俺は機械の獣と考えてあの子達を《機獣》と呼んでいる。」


「機械の獣…」


彼女がユニバース・ベヒモスを不思議そうに見ている。


「見ていてご覧。ベヒモス~♪こっちに来い♪そーだ、良い子だ♪おいで♪」


俺が手招きをすると低音の嬉しそうな動力音を唸らせてユニバース・ベヒモスがゆっくりと近付いて来る。

俺の前に停まる。

嬉しそうな動力音を軽く唸らせる。

俺はユニバース・ベヒモスのフロント動力カバーを優しく撫でる。


「どうだ?可愛いだろ?」


青い髪の長い全身タイツスーツの女性は驚いているが手を恐る恐る伸ばしてユニバース・ベヒモスのヘッドライトを優しく撫でている。


「…不思議です…解ります…この子…生きています!マシンじゃあ無いです!心も!凄く…優しい子ですね!」


ルーンの力なのか魔法力なのか解らないが彼女はユニバース・ベヒモスの意思を感じ取れる様だ。

(フム、ベヒモスも女王様に撫でられて嬉しそうだな。)


「だろ?だから俺は召喚する時にこの子達に《機獣》と付けて喚ぶんだ。皆素直で可愛い子達だ。ジェネシス・ベヒモスも見ただろ?ベヒモス達の中で一番大きな子だ。」


「ハイ!凄く逞しい優しさが伝わって来ました!」


彼女もジェネシス・ベヒモスを気にいっているみたいだ。

彼女の顔に優しさと笑顔が戻る。


「そうなんだ!ジェネシスは凄く優しい子なんだ!あの巨体で大地を耕す時でもタイヤ跡の傷をなるべく残さない様に慎重に進む優しい子なんだ!でも命令した時には勇敢に城にも壁にも突き進むぞ!」


「私をあの子にも乗せて貰えますか!」


彼女は興奮気味に食い付いて来た。

(フフフ、狙い道理だな。)


「ああ!勿論!ジェネシスが嫌がなければ乗せてやる!妻のミリーシアも乗ったからな。シートが凄く広くて柔らかくて心地良いんだ。」


「あっ、そうでしたね、結婚してるんですね…」


彼女は少し淋しげな表情をする。

(フム、これは行けるか!)


「ああ、している。ユージもしている。三人のお嫁さんがいる。」


「えっ!三人?」


彼女は俺達男三人の中で一番若いユージにお嫁さんが三人いることに驚いている。


「ああ、ユージのお嫁さんはユージと同じ世界の女の子とエルフが二人だ。俺はまだ一人だけどな、今は。」


「えっ?今は?」


彼女の声と顔が明るくなった。

(フフフ、これは、貰った!)


「ああ、俺達はこの世界の人間じゃあ無いし元の世界のルールで生活しなくてはいけない訳じゃあ無い。エルフは一夫多妻が多いそうだ。」


「えっ!ユージ君はそれで三人のお嫁さんがいるんですか?ユージ君は本物のハーレムじゃないですか!」


彼女の鼻息が少し荒くなる。


「そうだな。だからこの下らないこの世界のルールに俺達が乗る必要はない。誰が王だろうが誰が偉かろうが俺達が頭を下げる必要はない。従う必要も無い。勝手に誘拐して来て従えと言う方が無礼極まる。」


「確かに私達が従う必要は無いですね!」


俺は大きく頷く。


「そう言う事だ。だから青年をどうしても殺したいと言うなら止めない。別に罪にもならない。この国で君を裁く法律も君を倒せる者もいないだろう。でもあの青年を君が殺す必要も価値も無い。それは解るだろう?君の中に青年を殺したと言う罪悪感だけが(しこり)の様にいつまでも残ってしまうだけだ。見る方向を変えるんだ。ベヒモス達もそう言うと思うぞ?」


ユニバース・ベヒモスが俺の言葉に呼応して動力音を唸らせる。


「ベヒモス…優しい子…暖かい…」


青い髪の長い全身タイツスーツの女性がユニバース・ベヒモスのフロントを両腕を広げて抱きしめるように寄りかかる。

(フム、ユカが球ころとじゃれている時の様だな。)


「見る方向を変える。それだけで変わりますか?」


彼女はユニバース・ベヒモスに頬を寄せて俺に尋ねる。

(むむ!女王様がベヒモスに押し付けているだと!ええぃ!ベヒモス!替われ!俺と替われ!)


「ああ、見ている方向変えるだけで気持ちも変わる。見なくて良いモノは見なくて良い。今からは俺を見ろ。君の知らない俺だけを見ろ。今までと違うモノを俺が見せてやる。見るモノを見失ったら俺を見ろ。俺が光り輝くモノに導いてやる。キリッ」


彼女の右肩に俺の右手を優しく置く。

彼女が振り向き涙を溢しながら彼女は今日一番の綺麗で可愛い笑顔を見せてくれた。

(フッ、なかなかの愛らしさではないか。女王様。)

勇者はパーティーメンバーを探しています!

どうしますか?


なのりをあげる


まえのひとのてをあげる


よこのひとのてをあける


まわりをみわたす


どきどきするひとをみつける


よそうをする


じょうおうさまがなのりをあげる


すぐになのりをあげる


むしされる


あたまにくる


ゆうしゃにつめよる


ゆうしゃにもんくをいう


せなかをむちでたたかれる


なんだかきもちいい


ふりむく


だれかがむちをもっている


むひょうじょうになる


あしをじょうおうさまにはいひーるでふまれる


なんだかうれしい


はんたいのあしもふまれる


みる


だれかがふんでいる


むひょうじょうになる


ようすをみる←

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